2021年TVアニメが放送予定のCLAMP先生の『東京BABYLON(東京バビロン)』。
1990年〜1993年の間に連載されていた本作が、28年の時を経てTVアニメ化されることにファンからは驚きと喜びの声が上がりました。ですが、この『東京BABYLON』が2021年になった今TVアニメ化されて、改めて作品に注目が集まることにとても大きな意味を感じるのです。
東京を舞台に陰陽師が怪事件に挑む
昔から日本を霊的に守ってきた陰陽師の一族「皇一族」。その十三代目当主である、皇昴流(すめらぎすばる)が東京を舞台に怪事件を解決していく物語です。
数少ない陰陽師の頂点に立つ昴流を支えるのは、双子の姉である北都。そして昴流のことが好きだという謎多き獣医、桜塚星史郎。北都と星史郎は、時に自分を犠牲にしてまで人を救おうとする昴流のストッパーとなる存在であると同時に心の拠り所です。
ですが、桜塚星史郎には大きな秘密があります。それは、昴流と同じ陰陽師でありながら、影から日本史を支えてきた暗殺集団、桜塚護の跡取り息子だということ...。
陰陽師である昴流が東京で起きる怪事件を解決するという、作品としては「推理ホラー」としてカテゴライズされる一方で、徐々に解き明かされる昴流と星史郎の秘密。そして、怪事件を通して炙り出される社会問題を色濃く描き「社会派ドラマ」としての一面を持ちます。
怪事件を通して浮き上がる、社会派ドラマとしての一面
東京を舞台に陰陽師である昴流が怪事件や霊的事象を解決していく...というのが本作のストーリー。CLAMP先生が描く、美麗なキャラクターたちに思わずうっとりしてしまうというところも本作の魅力ではありますが、それ以上に注目したいのは『東京BABYLON』が私たちに伝えてくるメッセージです。
あのね『ニュース』って言葉には『情報』って意味もあるんだよ。情報を取り込むことは必要だけど判断するのは勇弥くんだよ。僕たちはそれぞれ別の人なんだ。勇弥くんは勇弥くん自身で考えて判断していいんだよ
これは、霊的な存在に触発されて殺傷事件を起こしてしまった母親を持つ少年・勇弥が、世間からの誹謗中傷ニュースに心を傷めている時に昴流から言われた言葉です。28年前の作品とは思えないほど、2021年を生きる今の私たちの胸を打つものがあります。
本作では、誹謗中傷の他にもいつの時代もなくならない、いじめ・自殺・老人の介護問題といったシリアスな社会問題を取り上げています。そして、その社会問題に対して、正しさを押し付けるのではなく、加害者・被害者両者に寄り添ったメッセージを私たちに投げかけてくれるのです。
2021年の東京を舞台に
センシティブな社会問題たちをテーマに扱いつつ、誰も傷つけないメッセージの数々は、陰陽師という職業柄、人の生と死に一番近いところにいる昴流たちだからこそなせるわざなのでしょうか。
作中では東京が舞台であることだけが明示されていて、具体的な時代については明かされていません。ですが、今年放送されるTVアニメでは"2021年の東京を舞台にする"ことが明らかになっています。
今を生きる私たちの世界がよりリアルに表現されることになるであろうTVアニメ『東京BABYLON』。
いつの世も変わらない問題に加えて、昨年私たちを襲った未曾有の出来事...。そんな東京を舞台に昴流たちは私たちにどんなメッセージを投げかけるのでしょうか。
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