東京喰種トーキョーグール[JACK]

石田スイ/著

200円で手に入る『東京喰種JACK』!特等捜査官・有馬貴将の高校時代を伝えるサイドストーリー

ヒトを主食とする喰種(グール)と人間との葛藤を描くスリルファンタジー『東京喰種』

2017年に実写映画化、2019年7月には続編も公開され、本編完結後もなお世界中で絶大な人気を誇っている。

『東京喰種JACK』は、本編でも重要な役割を担う特等捜査官・有馬貴将と上等捜査官・富良太志(ふらたいし)の高校時代を綴った物語。

死神の異名がつく有馬がまだ若く黒髪だった頃の回想録、『東京喰種』ファンとして、これは押さえておきたい!

東京喰種トーキョーグール[JACK]
石田スイ/著

東京喰種トーキョーグール[JACK] (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)
石田スイ/著

喰種「ランタン」による連続捕食事件発生

東京13区ではカボチャの面を被った喰種ランタンによるヒト捕食事件が多発していた。ランタンに遭遇した富良の友人たちもまた、赫子(かぐね)と呼ばれる喰種の触手で次々と切り刻まれていく。鋼のように硬質で水のように流動的。赫子に対抗できるのは赫子だけ。

目の前で友人を殺されて逆上する富良を止めたのは、のちの特等捜査官・有馬貴将だった。

「富良くん、死ぬよ」

有馬は類まれな身体能力で触手をかわし、ランタンに蹴りの一撃を食らわせる。ランタンは逃げ去るが、富良は疑問に思う。有馬はなぜあんな化け物と互角に戦えるのか。

ランタンの行方を追う

友人の仇を取るため、富良はランタンを追う有馬と行動を共にする。潜入捜査のため、各地を転々としている有馬にとっても、同年代の富良と話ができたのは喜びだった。いつしか、有馬は富良のことを名前で呼ぶようになる。

「手を貸してくれるか?太志。君はいい囮になりそうだ」

喰種たちの間でも、喰種狩りをする学生二人、有馬と富良のことは有名になっていく。

日常に潜む喰種たち

喰種は姿を隠しているだけで、どこにでも存在する。正体を知られないように場所を変えて暮らす喰種の特性を考え、新入生や新人教師に的を絞って捜索を続ける有馬と富良。

その時、優等生で学級委員の三波が喰種の襲撃を受けた!果たしてランタンの正体とは!?

世界中で愛される『東京喰種』

本編より書き込みを減らした淡い画面は、過去のモノローグであることを彷彿とさせる。画面の余白を活かし、時間経過を感じさせる戦闘シーンも軽妙。

350ページにも及ぶ肉厚のストーリーがありながら、Kindle版で200円という安さ。有馬の生涯を想えばやはり購入しておきたくなる。

ルーマニアの田舎でマンガの話をした時に、そのルーマニア人の一番好きなマンガが『東京喰種』だった。世界中で読まれているのは誇らしく嬉しい!

『東京喰種』の魅力の一つである独特の漢字セリフが、海外でどう翻訳されているのかも気になるところ。

東京喰種トーキョーグール[JACK] (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)
石田スイ/著