煙と蜜

長蔵ヒロコ / 著

『煙と蜜』3巻レビュー!姫子、文治と名古屋観光へ!ゆっくりと愛を育む二人の姿にときめきが止まらない♡

漫画誌『ハルタ』にて現在連載中の長蔵ヒロコ先生による『煙と蜜』。明るく健気な少女・姫子とその許婚・軍人の文治による年齢差18歳の歳の差ラブストーリーとなる本作の単行本3巻が、2021年6月15日に発売となっています。

3巻でも引き続き、ゆっくりと2人のペースで距離を縮めていく姫子と文治。本巻では彼女の学友とのエピソードや、姫子がこの地で暮らし始めての初・名古屋観光など。賑やかで微笑ましいその暮らしを、今回も垣間見ることができるようになっています。

歳の差十八歳の大正浪漫ラブ!『煙と蜜』ここまでのあらすじ

本作は大正時代を舞台とした、一人の少女と軍人という実に十八歳も年の離れた許婚カップルを主人公としたお話です。十二歳の少女・姫子と三十歳の軍人・文治。お互いが家族によって決められた許婚ではありましたが、二人はそれぞれ相手の事をとても大切に思っています。

まだまだ幼さの残る少女・姫子にとって、文治は憧れの大人の男性。文治にとって実子でもおかしくないほど年齢の離れた姫子は、非常に可愛らしい小さなレディです。親ほど歳の離れた自分に嫁がされる彼女に対し一抹の申し訳なさを抱えつつも、自分への真っ直ぐな好意を寄せてくれる姫子に、文治もまた確かな愛情を注いでいました。

姫子や文治を取り巻く新たな人々も登場!3巻のみどころは?

今回発売された3巻には姫子が学校での友人を初めて家へお招きするエピソードや、文治や仲良しの女中たちと名古屋観光へ行くエピソードも収録されています。帝都から名古屋へ越してきて、まだまだ日が浅い姫子。ですが少しずつこちらの生活にも慣れ、家族以外の友人や知り合いも増えつつあるようですね。

また文治との名古屋観光のお話では、幾度も二人の間に僅かな影を落とす「十八歳」という歳の差にまたもや姫子は直面することに。

自分と文治を親子と間違われ、「彼につり合う女性になりたいのに」と落ち込む姫子。けれど文治にとっては、そうやって背伸びをしようとする彼女の姿すら愛らしいものです。周りからなんと言われようと、自分達が想い合っていればそれだけでいい。そう気遣ってくれる文治に対し、姫子はますます彼のことを好きになっていくのでした。

この他にも二人の何気ない日常や、そこから垣間見える姫子と文治がゆっくりと絆を深めていく姿に思わず胸がときめいてしまうようなエピソードも。二人の関係性を隅々まで堪能できる、そんな巻ともなっています。

二人を取り巻く不穏な影…許婚関係の真相も少しずつ明らかに

その一方で、文治と姫子の許婚婚についての秘密も徐々に明らかに。姫子の祖父である敬次郎と文治の将棋対局の中で語られる、二人が許婚となった理由。そして名古屋観光を楽しんでいた文治と姫子を物陰から捕えていた不穏な視線。

ゆっくりとした歩幅で確かな愛を育む文治と姫子ですが、そんな二人が今後歩んでいく道のりは、どうやら万事穏やかなものではなさそうです。そんな気配もまた、物語の続きが気になるひとつのポイントでもあることでしょう。

歳の差を越え、確かな情愛を育む2人の姿に今回も胸キュン♡

三年後の姫子が十五となった年に、二人は晴れて夫婦として結ばれます。今はまだ許婚として徐々に距離を縮めていく二人が、一体今後どのような形で歩んでいくのか。物語の続きがまだまだ気になる、そんな3巻となっています!

煙と蜜 (全3巻) Kindle版