翔んで埼玉

魔夜峰央/著

『翔んで埼玉』まさかの映画続編発表!!2022年に埼玉旋風ふたたび!?

2019年にまさかの実写映画化され、まさかの大ヒット!あの日本アカデミー賞でまさかの12部門も受賞したまさかの超大ヒット作、映画『翔んで埼玉』。しつこいくらい「まさか」を積み重ねてきたこの作品ですが、2021年8月11日、再び「まさか」の発表がありました!まさか×まさかの映画続編が制作決定…!2022年に公開の予定です!

映画の公式サイトでは、埼玉県も震えています…

そんな続編発表を記念して、改めて原作マンガと前作映画を振り返ってみましょう!

マンガ『翔んで埼玉』とは

パタリロ』『ラシャーヌ!』などを描かれた超大御所マンガ家・魔夜峰央先生の作品、『翔んで埼玉』。1980年台の作品なのに、2015年にSNSで話題になり、発表から30年を経て急にヒットした凄い作品です。

舞台は日本。東京都港区の名門高校・白鵬堂学院に、容姿端麗で頭脳明晰な帰国子女、麻実麗が転校してきました。そのあふれる才能に嫉妬する生徒会長・白鵬堂百美は、いつしか麗に惹かれていきます。しかし、麗には大きな秘密がありました。実は、埼玉県出身だったのです。

埼玉、そこは人間が住むようなところではない…!

つい10年ほど前まで、ランプといろりで生活していたほどの田舎。最近やっと電気が通うようになりましたが、テレビはまだ村の庄屋様の家にしかありません。そんな田舎臭いところから東京に行くには通行手形が必要なほど。埼玉県人が都内をウロウロしていたりすると、埼玉狩りに強制送還されるのです。

そんな埼玉出身の麗。埼玉県所沢市に住む大地主である麗の父親は、麗を東京丸の内の会社の経営者の家に養子に出し、アメリカに留学させることで埼玉臭さを払拭。ゆくゆくは政治家として埼玉県民への差別政策を撤廃させようと目論んでいたのです。

果たして麗は、埼玉県民を開放できるのか!?そして百美との関係はどうなるのでしょうか!?抱腹絶倒の作品、目が埼玉になる覚悟を決め、ぜひお読みください!

映画『翔んで埼玉』のすごすぎる内容を振り返ってみましょう

相当ぶっ飛んだ設定のマンガ『翔んで埼玉』ですが、実は未完。しかし、そんな未完の名作の舞台設定を忠実に再現し、さらに続編かのようなストーリーを楽しめたのが、2019年に公開された映画『翔んで埼玉』でした。

めちゃくちゃ暑いことで有名な熊谷市を走る一台の車。娘の菅原愛海(島崎遥香)は、両親(ブラザートム&麻生久美子)と一緒に自分の結納に向かっていました。埼玉はダサいので、結婚したら東京に住みたいという愛海に対し、埼玉出身の父親が激怒!すると、カーラジオから、その昔、埼玉県人が東京都民に酷い迫害を受けていたという都市伝説が流れてきたのです。

1900年代の東京。埼玉県民は迫害を受け、身を潜めて暮らしていました。埼玉県民は貧しい暮らしをしており、川口に関所あり、通行手形がないと東京都内に入ることができません。都内の至る所には特殊監視カメラが設置され、埼玉県民の侵入を監視。見つかると、SAT(サイタマ・アタック・チーム=埼玉急襲部隊)に連行される世界。そんな世界にある都内の名門校に、麻実麗(GACKT)が転校してきたのですーー!

このように、原作に忠実な埼玉ディスりな内容に加え、千葉と埼玉の争い、池袋や西葛西、八王子、北関東まで細かくディスられていく感じも相当楽しく、自分の居住地が出てきて虐げられるとちょっとうれしくなってしまう謎の気持ちになる映画、それが『翔んで埼玉』!

キャスティングも振り切っていて、高校生の麗にはGACKTさん!男性の百美役に二階堂ふみさん。こんなキャスティング、もう優勝したも同然じゃないですか!

さらにはオープニングには魔夜峰央先生ご自身が、なんと奥様と娘さん・息子さんと一緒に家族ぐるみでご出演されるなど、原作とのWin-Winな関係もマンガファンとしては嬉しい作品でもありました。

映画公開時の埼玉では、本当に盛り上がっていたのか!?

映画公開時、実際に麗の出身地である所沢に映画を観に行ってきたのですが、埼玉県人たちは実際に大盛りあがりでした。(写真はすべて筆者撮影)

映画館の中に、埼玉開放戦線の記念館が作られるほど!

映画館のスクリーンも、ドラえもんと合わせてフル稼働。上映終了後には、埼玉県人で満席の客席からまさかの拍手まで出ていました。

なんとも前衛的なオリジナルファンアートには、GACKTさんご本人のサインまで!

映画館の近くにも、こんな「THE 埼玉」コーナーも作られ、世界に埼玉の凄さがアピールされていました。

と、いう感じで、実際に埼玉県人はイジられることを大喜びしていました…!まるでみんながサイタマラリアの熱にうなされたようなブームが、2022年に再び楽しめるかも…!?

武内英樹監督は、実は過去にはこんなマンガ作品の実写化も!

この『翔んで埼玉』で第43回日本アカデミー賞の最優秀監督賞を受賞した武内英樹監督。実は、他にもたくさんのマンガ作品を実写化してきた凄腕監督なのです。

ドラマ『カバチタレ』

主人公・田村勝弘は行政書士。誰の身にも起きそうな様々なトラブルを、法律知識を用いて解決に導く作品です。ドラマでは、主人公を女性に変更し、常盤貴子さんと深津絵里さんが主演。大ヒットとなりました。

ドラマ&映画『のだめカンタービレ』シリーズ

エリート音大生・千秋真一と、掃除も料理もできなくて不潔だけど、奏でる音色だけは天才的の野田恵=のだめ。そんな2人を中心に、様々なアクの強いキャラクターたちによる、音楽コメディマンガです。ドラマでは、のだめを上野樹里さん、千秋を玉木宏さんが演じ、これまた大人気に。のちに映画化され、前後編合わせて興行収入70億円以上の大ヒット作品となりました。

映画『テルマエ・ロマエ』シリーズ

古代ローマ帝国で浴場設計技師をしているルシウス。彼はある日、公衆浴場=テルマエで溺れてしまい、なぜか現代日本の銭湯にタイムスリップしてしまいます。そして、現代日本の風呂文化に驚愕!そのアイデアを持ち帰ったルシウスは、平たい顔族(日本人)の風呂文化を採り入れた浴場を設計し、大好評に!

武内英樹監督は、そんな『テルマエ・ロマエ』の古代ローマ人たちを、顔の濃い日本人で実写化!ルシウスを阿部寛さんが演じ、2作合わせて興行収入100億円超えのメガヒット作となりました!

そして前作の『翔んで埼玉』は興行収入37.6億円…!ふざけた(褒めてます)実写化の鬼、武内英樹監督は、続編ではどのような演出を見せてくれるのか、いまから愉しみです!!

映画は2022年公開!

「埼玉県人にはそこら辺の草でも食わせておけ!」「埼玉なんて言っているだけで口が埼玉になるわ!」など、数々の名セリフを生み出した映画『翔んで埼玉』。続編では、いったいどんな愛あるディスりワードが飛び出すかも含め、来年の公開が今からとっても楽しみです!

ぜひ、爆笑必須の原作を復習して、映画の続報や公開に備えましょう!!

跳ぶぞ

翔んで埼玉
魔夜峰央/著

OGP画像は映画『翔んで埼玉』公式サイトより
https://www.tondesaitama.com/©2022映画「翔んで埼玉」製作委員会