花と頬

イトイ圭著

さまざまな愛のカタチを描く『花と頬』 文化庁メディア芸術祭新人賞受賞作品

花と頬』は、高校生の女の子・頬子(作中ではホホコ | 以降記事中ではホホコとして表記します)さんを軸にした父と娘、母と娘、好きな人と自分、好きな人の好きな物が織りなす複雑な愛のカタチを描く青春群像です。

第23回文化庁メディア芸術祭マンガ部門で新人賞も受賞し、マンガ家の西炯子(にしけいこ)先生からは次のようなコメントが贈られています。

当たり前のことに光が当たる時が来た。そう感じた作品である。マンガの描き手の、版元の、読者の、長らくの忘れ物がここにある。

有名人の父と付属品のような私

『花と頬』というちょっと知られた音楽バンドをやってる父を持つホホコさん。ホホコという珍しい名前がきっかけで、声をかけてきた男の子・八尋(やひろ)くんは、父のバンドの大ファンでした。会話ができない図書館で、ノートを通じて筆談を繰り返すうちに、ホホコさんは八尋くんに惹かれていきます。

父の娘としか思われていないのはイヤだけど、八尋くんに喜んでもらうために父の話をしてしまうホホコさん。そんなホホコさんを見ている父も娘を想って悩みます。

愛してるってなに?

ホホコさんは父と二人暮らしで、お母さんとは一緒に暮らしていません。お母さんの話をすると、みんなが悲しそうな顔をします。しかし、父の指には今も結婚指輪がはめられていました。

『花と頬』では、親子や夫婦、恋人や友だちという関係の中で、それぞれの立場から誰かを愛するという、同じものが一つもない愛のカタチが描かれています。

一番遠くて一番近いところにいる存在は、もしかしたら家族なのかもしれないですね。

生きていることが愛おしくなる

あとがきにもあるように、この物語は劇的なハプニングやトラブルが起こるわけではないです。ただ静かに日常がつづく中で、登場人物たちが自分の人生をしっかりと主張してくるような、人が生きている実感を感じられるところがとても好きです。

あとがきも見逃せない!

あちこちの出版社に持ち込んで「商品として成り立たない」と言われ自費出版も考えていたところ、恋愛系コミックをまとめた「楽園」でウェブ連載を果たし、書籍化されました。

作者のイトイ圭先生は、この作品は三人くらいしか読んでないだろうという気持ちで描いたとのこと。たとえ周りで誰も読んでなくても、自分だけは読んで噛みしめたい作品です、ぜひ読んでみてください!

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花と頬 (楽園コミックス)
イトイ圭/著

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