蒼のアインツ

中村尚儁

『蒼のアインツ』最終第6巻レビュー!たった1人しか立てない舞台を目指して戦った男の軌跡

2021年5月12日『蒼のアインツ』最終巻第6巻が発売されました。

『蒼のアインツ』とは

蒼のアインツ』は『じゅういちぶんのいち』の作者でもある中村尚儁(なかむら たかとし)先生によりコミックDAYSで連載されていた、サッカーマンガでも珍しいGK(ゴールキーパー)が主人公の作品です。

プロ3年目、若干20歳のゴールキーパー神谷蒼(かみやあおい)が断固たる決意を胸に日本代表の正GKを目指す物語です。

5巻までのあらすじ

ドイツ2部の中位〜下位に属するチームレーゲンスブルクからオファーを受け移籍を果たすも、監督の交代劇という不運にも見舞われ、ほぼ戦力外とも言える第4GKという厳しい立場から這い上がることを余儀なくされた蒼。たった1つしかない正GKの座を目指して異国の地で奮闘する様が描かれます。

最終巻の展開

努力の末に第2GKまで評価を高めた蒼でしたが、未だレギュラーへの道は険しく長らくチームを支えてきたベテランGKエドガーのポジションを脅かすことはできずにいました。

もどかしい気持ちを抱えたまま迎えたリーグ戦の大一番。好プレーを見せ続けるエドガーにまさかのアクシデントが起こり、蒼に試合出場のチャンスが到来します。

その先の景色

本作の最終巻である6巻の最後に作者の中村尚儁先生があとがきを残してくださっています。その一部をご紹介させていただきます。

本当はもっと長く、深く、蒼の成長を描きたかったのですが、私の力不足により叶いませんでした。 不甲斐ない気持ち、申し訳ない気持ちはありますが、未熟ながらも精一杯やってきた今回の物語で、私が描きたかったのは、ただただGKってすごいな、格好いいな」ということです。

引用元:『蒼のアインツ』第6巻より中村尚儁先生コメント

このコメントからも、本作品が望んだ最後を迎えられなかったことが想像されます。それでも、筆者は本作品から多くの感動を貰いましたし、GKというポジションの魅力が丁寧に描かれた稀有な作品だと感じています。

誰しも、どうしようもなく高い壁の前に立ちすくんでしまったり、迷ったりすることがあると思います。本作の主人公蒼もその1人です。

GKというポジションはピンチの連続です。判断に一瞬でも迷ったら負け。そして1度のミスが取り返しのつかない事態を招いてしまいます。

それでも逃げずに、決して諦めずに立ち上がるその姿に、どうしようもなく心を動かされるのです。完結を機に、この作品世界に足を踏み入れてください。

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たった1人しか選ばれない聖域、それこそがGK

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