金の糸

稲妻桂/著

『金の糸』第1巻発売!自意識に囚われた嘘つき少年を2人の少女がかき乱す青春ストーリー      

思春期"特有"の逃げ出したくなるような苦しさがずっと心のどこかにある…そんなあなたに。

稲妻桂先生初の単行本化作品『金の糸』第1巻が2021年7月9日に発売されました。

「別冊少年マガジン」で連載中の本作は、嘘に嘘を重ねながら展開していく青春恋愛マンガ。人間のなかに同居する純粋な心と愛欲が大きく揺れ動くさまを丁寧に描いた作品です。

嘘をつけばうまく…いく?

適当な嘘で日々をやり過ごしながら同じクラスの藤野真夏に密かに想いを寄せる尾崎草一。ある日クラスにフランスからの留学生サラ・ガルシアがやってきます。サラの滞在先はなんと尾崎家!草一は半年間サラと隣どうしの部屋で暮らすことに。

ある出来事をきっかけに、自分のしたことをごまかすためサラに嘘の愛の告白をして急に付き合うことになってしまった草一。積極的に関係を発展させようとするサラへの気持ち、そして真夏との関係はどうなっていくのか?

対をなすような2人の少女

嘘を処世術としながらも、同時に自分の嘘に苦しめられている草一。彼には「周りを騙してやろう」などの意図はなく、自信のなさと強すぎる自意識によって他者のまなざしを過剰に捉えるがゆえに気づけば嘘をついているのです。

どこまでもまっすぐなサラは草一が抱える正直になることの怖さを吹き飛ばしてくれる存在。サラの前では自分の夢を語ることができる草一は、自分にもサラが必要だと感じるようになっていきます。

一方で真夏は草一の嘘を見透かすような素振りを見せる少女。この先、真夏と関わりを深めることで草一が自分自身とどう向き合っていくことになるのかが見どころです。

第1巻から追いかけよう

金の糸(1) (週刊少年マガジンコミックス)
稲妻桂/著

押見修造先生が絶賛「ここに僕がいる」

『金の糸』第1巻の発売にあたって帯コメントを書いたのは、青春時代の性と生を描く作品を語るうえで欠かせないマンガ家 押見修造先生。先生は本作にこのような言葉を寄せています。

自分が無い。自信もない。 ああ、ここに僕がいる

引用元:『金の糸』第1巻 帯より

2021年7月7日に押見先生と稲妻先生がゲスト出演した週刊少年マガジン公式YouTubeチャンネルの生配信番組「別マガLIVE」~歪な青春~のなかで、押見先生がかつて安達哲先生の『さくらの唄』を読み「隠してきた僕の気持ちをなんで知ってるんだ、と衝撃を受けた」と話していることからも、作品のなかに「僕がいる」という言葉は押見先生にとって最大の賞賛であることがわかります。

同番組では稲妻先生が「大学時代に押見先生の作品を読んでそれまでの作風から方向転換したほど大きく影響を受けている」と明かしたり『金の糸』の基になった稲妻先生の実体験エピソードを話したりと、ノーカットで押見先生と稲妻先生のトークが聞けて作品をもっと楽しめる内容になっています。アーカイヴでぜひチェックを!

「別マガLIVE」~歪な青春~ を視聴する

10代の苦しみが心に居座りつづける君へ

思春期を迎えると「人を愛するってなんだろう」「自分は"普通"の人生を送って死ぬのか」なんて漠然とした不安が襲ってきて苦しくなることがあります。それでも情けないほどに腹は減り眠くもなり性欲は消えない。大人になれば折り合いがつけられると思っていた苦しみが心の隅にこびりついたままの人も多いはず。

『金の糸』はそういう苦しみを引き受けてくれる作品のひとつ。自意識と他者のまなざしに囚われて苦しくなってしまうあなたに寄り添ってくれるかもしれません。

『金の糸』第1話が無料で読めます

つづきが気になったら単行本へ

金の糸(1) (週刊少年マガジンコミックス)
稲妻桂/著

OGP画像はマガポケ『金の糸』掲載ページOGPより
https://pocket.shonenmagazine.com/episode/3269632237246535454