2003年12月に「週刊少年ジャンプ」で連載が開始、2006年にアニメ化、2017年には実写映画化。15年以上も人気を博してきた『銀魂』が、今週公開の映画『銀魂 THE FINAL』でシリーズに幕を下ろします。
パロディ満載、時事ネタのぶっこみ具合など、破天荒な作風が人気な同作は完結に向けても大波乱が起こりました。
原作が一向に終わらず、アニメ最終回ではこれからという場面で「銀魂終わる終わる詐欺裁判」が始まり、エンドロールを迎えるという衝撃の展開で幕を閉じたのです。
それから2年、満を持してラストを描く『銀魂 THE FINAL』が完成しました。アニメ最終回から引き続きメガホンをとる宮脇千鶴監督に、波乱の現場について伺いました。
©空知英秋/劇場版銀魂製作委員会
5年前に「あと1年で完結するので」で走り出したアニメ制作現場
ーーアニメの最終回から2年、このタイミングで映画を作ることになったのはなぜでしょう? 結構時間も経ってるなと。
宮脇:原作が終わる終わると言って、終わらなかったので(※)。
※アニメは2018年10月8日に最終回を迎え、原作は2019年6月20日に完結。
宮脇:もともと私が、監督をやらせてもらうときに言われたのが、長く続いてきたアニメ銀魂のラストを描くことだったんです。それが銀魂のアニメ第3期なんですけれど。
原作コミックスは「週刊少年ジャンプ」で2003年から2018年まで連載。その後、増刊号である「ジャンプGIGA」2019 WINTER vol.1からvol.3に移行するも完結せず、最終的に「銀魂 公式アプリ」にて2019年6月に完結。
ーーアニメ第3期……2015年ですね。
宮脇:そうです。ずっっっっっと前に、プロデューサーサイドから「あと1年で連載が終わるから、原作とアニメを同時期に終わらせよう」という話があり、そこで「アニメ銀魂のラスト1年をやって欲しい」ということで、私が監督を務めることになったんですよ。
でも、原作が終わらなくて、放送枠が足りなくなり、プロデューサー陣が頑張ってくれて深夜枠をなんとか獲得し、アニメを繋いできたんだけれど、原作の方が一向に終わらず。
ギャグ回をお蔵入りさせたり、復活させたり、原作と一緒にゴールしようとしていたんですけれど、原作がぶっちぎっていましたね。最終的に、アニメは万策尽きて、中途半端な形でTVシリーズは終わらざるを得なくなったという。
©空知英秋/劇場版銀魂製作委員会
ーーアニメ最終回の後半で「アニメ銀魂は、今日で最終回です」と作中で銀さんが言い出して驚きました。
宮脇:そうそう。とりあえず終わらせなくてはいけなくなったので、ああいう形に……。
ーー原作の「終わる終わる詐欺」の話って本当だったんですね。
宮脇:あれはフィクションではないです(笑)。
足並み揃えようとしていたものの、全然足並みが揃わなかった(笑)。アニメは中途半端なところで終わる形にはなったんですけど、さも「最初からこのような予定でしたが、何か?」みたいな感じに持っていって。
とはいえ、ここまで来たのだから、最後まで描きたいという話はずっとあったんです。
ただ、原作の流れを見るに、TVシリーズではラストスパートのボリュームを描くのは難しそうでした。戦闘もハードで内容も濃い。スケジュール、予算、スタッフの稼働時間などを加味してTVシリーズは難しそうだったので、可能であれば映画で制作したかったんです。当初は、3部作や前後編も視野に入れながら話はしてたんですけれど、1本の映画で話がまとまり。
ーーなかなか大変そうな……その話が決まった時って、まだ原作は続いてたのでは?
宮脇:そうですね。完全には終わってなかったです。
とにかく原作が終わらないと、ラストも描けないので制作に着手できない。なので、原作が終わるまでスタートするのを待ってたという感じです。
©空知英秋/劇場版銀魂製作委員会
ーー制作スケジュールもタイトな感じに?
宮脇:結果的に、という感じですが、今回、脚本を私が担当させてもらうことになったのも、ゆっくり脚本を揉んでいく時間的余裕がなかったところもあり……どんな展開になっても素早く対応できるようにしたかったし。
……でも、私が書いたところで、全然時間がかかりましたね(笑)
ーークレジット見たら、監督の名前が至るところに出ていたので驚きました。
宮脇:あれでも名前は削ってる方なんですよ(笑)。本当は第二原画も動画、仕上げもやったかな。TVシリーズでも最後の最後に時間のなくなった作画のリテイク直しなど可能な限りしていたので、いつも通りです。
新型コロナも直撃、半分はリモートで制作
攘夷戦争時代の盟友、高杉晋助、桂小太郎と共に戦う銀時。©空知英秋/劇場版銀魂製作委員会
ーー原作ラストをご覧になったとき、どう思われました?
宮脇:まず、「入るわけねーだろ!」と思いました(笑)。それぐらい内容が濃いので、素敵な作品ではあるのですが、いざ今回決められた上映時間内で映像化するとなると「この壮大な話をどうやって着地させよう」というのが、最初の課題として降ってきました。
それに、せっかく映画でやらせてもらえるなら、銀魂に馴染みがない方でも満足してもらえるような「映画としての完成度」を求めたかったし、ファンの方が喜んでくれるような原作のラストも描きたくて。
ーー初心者の人が見ても、わかりやすい内容になってると感じました。
宮脇:ありがとうございます! めちゃくちゃ意識しました。もちろんファンムービーではあるんですけど、ふと見に来た方でも、おおまかなことはわかる。見終わった後に満足感が得られるような映画になるように作りました。
冒頭で、これまでに銀魂の世界で何が起こったのかは説明しているので、久しぶりに作品に触れる方でも大丈夫だと思います……演出上、全く頭に入ってこないといえば、そうなのですが(笑)。
©空知英秋/劇場版銀魂製作委員会
ーー構成しかり、スケジュールしかり、かなり大変だったと思うのですが、コロナ禍も直撃して……。
宮脇:そうですね。家であろうとスタジオであろうと、基本的に作業自体は変わらないのですが、打ち合わせがリモートになったのは、なかなか大変だと感じた点でした。
アニメ制作は大勢のスタッフさんたちが分業して仕事をして進めるので、一堂に会して一緒に話をした方が効率的だったりするんですよね。10分で終わる話が、メールで個別にやりとりしていると、時間の流れが淀む。
多分……制作の半分ぐらいはリモートでやりました。途中からはスタジオに行くことも増えましたが。
ーーアフレコも大変そうで。
宮脇:アフレコはコロナ以降に大きく様変わりしましたね。今まではスタジオにマイクを数本立てて、同じシーンに出る役者さんを一気に集めて交代してもらいながら録っていたんですが、大勢で集まること自体が厳しくなりました。
今回は大きなスタジオで録らせてもらったのですが、スタジオはついたてでしきられた3人と、個別の部屋に2人。合計で5人しか同時に録れなくなったんです。登場キャラクターも多かったので、スケジュールの調整がすごく大変でした。これはどの現場でも言えることだと思います。
空知先生が「なんでもします」と言っていたと聞いて…
©空知英秋/劇場版銀魂製作委員会
ーー今回は空知先生が原画を担当されたり、入場者特典の「炭治郎&柱イラストカード」も話題になりましたよね。空知先生もかなり体を張られて……。
宮脇:連載が長引いてしまったことで、空知先生自身、かなり反省する気持ちがあり「なんでもします」と言っているらしいと聞いていたので、「じゃあ、なんでもやってもらおうか!」となり、諸々お願いした次第です。
ーー入場者特典の「炭治郎&柱イラストカード」は、「柱じゃなくて桂なのでは」との憶測も飛び交っていますが……?
宮脇:大丈夫です、空知先生のラフ(※)を拝見した限り、ちゃんと柱でした(笑)。安心して観に来てください。
※その後、「ジャンプフェスタ2021 ONLINE」にてイラストカードのビジュアルが公開されました。
映画『銀魂 THE FINAL』は2021年1月8日(金)より大ヒット公開中!
“最終章”と銘打たれた本作は原作のラストをベースに作られ、原作者・空知英秋先生による最大の全面協力のもと、銀魂ファン必見の超大作となっています。ぜひ劇場でご覧ください。
原作:空知英秋(集英社ジャンプコミックス刊)
監督/脚本:宮脇千鶴
監修:藤田陽一
声の出演:杉田智和、阪口大助、釘宮理恵 ほか
アニメーション制作:BNPictures
配給:ワーナー・ブラザース
オフィシャルサイト:gintamamovie.jp
公式Twitter:@gintamamovie #銀魂ザファイナル