銭華

和気一作/著,倉科遼/著

坂本千尋の母は、高知一の財閥・山之内家の使用人兼妾だった。強欲な主人は千尋の処女も、当然のように自分が貰うつもりでいる。母が倒れ、大きな病院へ入れて貰うために、千尋は主人の息子・隆一に処女を与えたが、手遅れで母は死んだ。端金ですまそうとする隆一に激怒した千尋は、手切れ金として1千万円を脅し取って山之内家を出た。復讐を誓った千尋は、上京して兜町の相場師・片山の会社に入る。株相場について勉強しながら網走の網元・波島や金海証券の諸星、金融会社の社長・高橋、記者の的場など、自分の人脈も増やしていった千尋は、片山の仕掛ける旭一物産株の仕手戦に乗って、自分の1千万を元手に儲けようと図った。

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