「落語」と聞いて皆さんは何を思い浮かべますか?
テレビで放送されている「笑点」に出演する師匠達が頭に浮かぶ方も多いでしょう。楽しい大喜利を見せる師匠達も普段は公演で落語をする落語家なので姿や雰囲気は馴染み深いと思います。
その他にも、NHK大河ドラマ「いだてん」で北野武さんが扮する五代目古今亭志ん生師匠の「富久」は絶品でしたし、マンガ家の雲田はるこ先生が落語家の生き様を美しく描く『昭和元禄落語心中』に魅了され知った方々もいるかもしれません。
そんな名だたる落語家達の後ろに続いて、面白い新米落語家を見かけたのでちょいと紹介させて下さい。
佐藤太郎物語
都内に男子高校生がおりまして、名は佐藤太郎。もう名前からして平々凡々な空気が漂っていますね。
制服の下にブラジャーを仕込んで体育の着替えで披露したりしてウケる笑いを取れてると日々満足していました。
そんな太郎ですが、ある日クラスメイトに「太郎の笑いは面白いというより下品だ」とバカにされて笑われたことを知ってえらく落胆しちゃいまして…。
そんな時に寄席で出会うんです。落語に!
寄席の温かい空気に和んだ後、俊足亭ユリシーズという名前も雰囲気も独特な落語家が演じた古典落語「寿限無」を見てすっかり魅了されちゃいます。
一度は就職を考えてみたものの、ユリシーズの落語に惚れ込んだ太郎は弟子入りを志願するのですがこれまた一苦労!
一度断られたユリシーズが乗ったタクシーを必死に追いかけたり…
反対する母親の制止を無視してユリシーズの家に向かったり…
こうして見てみると正直太郎自身よりも周りが苦労してる様にも感じますが…
しかしこのウケを狙っていない自然で真っ直ぐな無鉄砲さが落語の主人公みたいで思わず笑っちゃうんですよね。
何とか弟子入りを果たしまして、客として見ていた時とは違う立場で師匠となったユリシーズと関わっていきます。
「カブトシロー」と名付けられて弟子入りから前座になった太郎は仕事をしに楽屋へ行くも失敗したり注意を受けますが、弟子入り直後の失敗の数々と落ち込み様に比べたら見違えるくらい冷静に反省するので「お、成長したなぁ」と安心して見守れるんです。
また、「寿限無」一本を懸命に覚えるカブトシローこと太郎に稽古をつける様に演じるユリシーズ師匠の「寿限無」も躍動感溢れる様が描かれていて見応えがあります。
落語というものは演じる人によって解釈や空気が変わり、味わい深さを楽しめるものです。
太郎が前座になれたのも「船徳(ふなとく)」をたどたどしく演じる様が、船徳の主人公の不器用さと必死さが太郎の演技によって際立ち個性を感じられたことが師匠に評価されたからです。
そんな前座「カブトシロー」となった太郎自身が「寿限無」をどう解釈して演じるか、是非御覧になって下さい!
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