青楼オペラ

桜小路かのこ/著

『青楼オペラ』吉原を舞台にした身分違いの恋愛ミステリー

2019年11月に最終回を迎えた桜小路かのこ先生の『青楼オペラ』。武家の娘・朱音(あかね)が吉原の遊女となり、家族を殺し、家を取り潰しにした犯人を追う時代劇ミステリーです。

高利貸しの若旦那・近江屋惣右助(そうすけ)との身分違いの恋の行方も気になります!

青楼オペラ
桜小路かのこ/著

青楼オペラ(1) (フラワーコミックス)
桜小路かのこ/著

武家の娘と武家嫌いの男

永倉家が取り潰しになったあと、自ら吉原の大見世・曙楼に飛び込んだ朱音。両親を目の前で殺害された朱音は、犯人の情報を得るために自ら吉原に来たのでした。

吉原一の花魁・朝明野(あさけの)の妹女郎となるべく客を探し歩いていると、ざんばら髪の男・近江屋惣右助と出会います。惣右助自身も元は御家人の秋津家の嫡男でしたが、飲んだくれの父親のせいで家が貧しくなり、生活のために8歳上の姉ともども売られたのでした。

近江屋に養子に入ってからは才覚を発揮し、店を大きくした惣右助。吉原通いは実の姉を探すためだったのです。

家か恋かの究極の選択

出会った時から朱音に惹かれ、身請けしたいと望む惣右助ですが、朱音の目的は「お家再興」です。朱音の悲願が叶うということは、朱音は武家の娘になるということ。身分違いの惣右助と結ばれることは絶対にありません。

朱音も惣右助のことが気になり始めていましたが、武家の娘として「お家再興」を誓い、自分の気持ちを封印します。朱音に身請けを断られた惣右助は別の娘と見合いをすることに。それを見た朱音の心はかき乱されます!

時代の雰囲気が伝わる

時代考証がしっかり行われている『青楼オペラ』では、当時の生活習慣や考え方などの解説が入るところも魅力。たとえば「湯文字」というのは下着のこと。現在の下着と違って巻きスカートみたいにして着用されていました。ほかにも、武士にとって逃げることが許されなかった時代、背中に刀傷を負っていることは不名誉なことであり、それによって罰せられたこともあったという逸話も。こういった当時の習慣が事件の真相につながってくるのも物語の魅力!

当時の一般的な髪型といえば月代(さかやき=チョンマゲ)なんですが、少女マンガの男性キャラがチョンマゲだとなかなか胸キュンしないですよね…。時代考証をしっかりしながら、胸キュンを忘れない設定力がすごい!

かつての婚約者現る!

朱音にはもともと想い合った婚約者がおり、元婚約者の誠二郎は今も朱音を想っていました。誠二郎は永倉家再興に協力する代わりに、朱音と復縁したいと告げます。

朱音の悲願が叶ってもらいたいと願いつつも、叶ってしまえば惣右助とは絶対に結ばれない。女性として揺れ動く気持ちを抱えながらも、武家の娘として強く振る舞う朱音の姿が切ない!再興を諦めてしまうのか、それとも別れてしまうのか、二人の恋の結末が気になりまくりです!

最終巻は2月発売!ちょっと先になりますが、今から予約をしておけば、発売日に読むことができますよ!

青楼オペラ(11) (フラワーコミックス)
桜小路かのこ/著

青楼オペラ 通常版(12): フラワーコミックス
桜小路かのこ/著

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