筆者は起業家で、マンガ好きなのですが、起業を題材にしたマンガというのはあまりありません。
起業は、あらゆる困難がおき、それに対して仲間で立ち向かっていく・・・というもので、非常にマンガ向けだと思うのですが、日本ではまだ起業についての知識が、起業家以外には広がっていないせいか、数が多くありません。
あえていうなら、『マネーの拳』や『王様達のヴァイキング』くらいです。伝記を元にした『スティーブ・ジョブズ』などもありますが・・・。
というので、「起業を題材にするなら、こういう知識を知っておくといい」というのを、画像とともに説明していきたいと思います。
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起業とは?
そもそも起業とは何でしょうか?起業とは文字通り、「事業を起こすこと」ですが、どういう企業を立ち上げるか?のイメージによっても、やることや起こることが全然違います。
昨今のイメージとしては、「テクノロジーを使って急成長をするような会社を立ち上げる」というのが強いと思います。
なので、この記事では、基本的に「スタートアップ」の起業についてお伝えします。
起業の流れと、出てくる人物たち
スタートアップについて話すよ、という前提のもと、起業の流れを説明します。めちゃくちゃ大雑把にいうと、以下のような流れが多いです。
もちろん、出資を受けずに急成長するパターンもあったりしますが、概ね、このような形で動く事が多いです。
それぞれについては後ほど詳しく説明します。
ではどういう人達が起業家では出てくるのでしょうか?これがたとえば、警察モノであれば「主人公と警察の仲間と犯罪者」などと想像が付きやすいと思いますが、起業だとイメージつかないかもしれません。
起業の場合は主に「起業家」と「会社のチーム」そして「投資家」が主となってきます。
例えば、『王様達のヴァイキング』というマンガでは、天才ハッカーとエンジェル投資家のバディで物語がすすんでいきます。
投資家とは?
まず、投資家の説明からいきます。
投資家とはどういう人でしょうか?お金持ちが自分のお金を増やすために株などを買っているイメージがある人も多いと思いますが、概ねあってます。
起業という分野においては、お金を出すことで、株をもらって、その株が値上がったら売ることで収益を得ます。
投資家にもいろいろな人がいますが、主に「VC(ベンチャーキャピタル)」と呼ばれる人と「エンジェル投資家」と呼ばれる人たちが多いです。
VCは、あくまで仕事です。お客さんのお金を運用しています。しかしエンジェル投資家は、お金持ちが、自分のお金を次世代に投資をする人たちです。
無名の若者がやる、聞いたこともないビジネスなど、うまくいくかどうかわからない会社でも、エンジェル投資家は応援の意味で投資したりします。なので「エンジェル(天使)」なのですね。
ちなみに「投資って借金をすること?」と思う人もいると思います。ドラマとかでは、中小企業の社長が借金に苦しむ・・・というシーンなどがよく出たりしますよね。
しかし、投資と融資は同じ「資金を調達する」ということでも中身が全く違います。銀行などからお金を借りるのは「融資」といったりして、利子をつけて返す必要があります。
一方で、投資は、株と引き換えに資金を得ることで、返す必要がありません。
「じゃあ投資のほうがいいのでは?」と思うかもしれませんが、株はいわば、会社の所有権なわけです。10%とられると、10%分、会社を所有されるということです。
社長や取締役などの偉い人を選ぶのも株主なので、一定以上の株を持った株主たちが「この社長はクビにしよう」となったらクビになっちゃたりします。怖いですね。融資は利子をつけて返せばあとは関係性がないので、後腐れがないとも言えます。
しかし、融資は利子で儲けるのはわかるとして、投資はどうやって儲けるのでしょうか?
簡単にいうと、株の価値が投資時よりも上昇して売れれば儲かるのです。
実際はこの数値になりませんが、わかりやすさ優先でイメージだけつかんでください。
会社の価値(価格)が1億円のときに、500万円で5%もってて、会社の価値が100倍になったら、100倍返ってくる、という感じです。
じゃあ、どういうときに売れるの?という点ですが・・・これが一番たいへんなところです。
上場している会社は、基本的に誰でも株が売買できるので価格が決まっていますが、未上場の場合、簡単に売ったり買ったりできません。なので、「上場をする」か「ほしいと思っている誰かに売るか」しかありません。
誰かに売る、というパターンの多くは「買収(M&A)」です。この会社がほしい!という会社に、自分たちの会社の株を売るのです。
これらを「Exit」といいます。
なので・・・投資を受けたら、確実にExitを目指さないといけない、というのが起業の前提になります。
そうでないと、投資家のリターンがないからですね。
この仕組みによって、「リスクを取るときは、起業家にお金がなくても多くの人がお金を分散して出したりできるので、大きなチャレンジができる」というのが実現できているわけです。
立ち上げ期について
では、起業したらどういう流れなのか詳しく見ていきます。
立ち上げ期は、簡単にいうと「起業家が作った製品やサービスが、世の中に受け入れられるか?」がキモになります。
これをスタートアップ業界では、よくPMFといったりします。Product Market Fitの意味です。プロダクトがマーケットにフィットするという意味で、PMFできると次段階にいけます。
しかし当然ながら、簡単には生きません。多くの起業家はここで何度もチャレンジします。
投資を受ける→成長
PMFできたら、投資を受ける事が多いです。
もちろん、PMFする前もお金がなかったりしたら投資を受けたりもしますが、その場合、投資家もかなりリスクが高かったりするので、条件が悪くなりやすいので、大きく投資を受けるのは、ある程度、PMFしてから、ということになりやすいです。
起業家がもっとも大変な目にあうのはこのあたりかもしれません。たとえば、20代で、社会経験がなくても、数千万円とか数億円とか、下手したら数十億使わないといけないことになったりします。
お金があるのはいいことじゃない?と思いがちかもしれませんが、投資家は、「他に投資する手段もあったけど、このスタートアップに投資している」という状況です。たとえば、1億円を他に投資したら5%、年間に返ってくる選択肢もあったかもしれないわけです。
スタートアップがその1億円を、ただ銀行口座においていたら、お金は増えないわけです。なので、投資家は「適切に、ちゃんとお金を使う」ようにプレッシャーをかけてくるわけですね。
適切にお金を使うのは本当に難しいです。ここを乗り越えて、きちんと成長できれば、会社として一皮むけ、世の中からも認知されるようになってきます。
Exit
そしてExitです。
Exitすればみんなお金持ちになってうれしい!と思いがちですが、起業家はそうでもありません。上場したら、株主も増え、社会の公器として責任を負いながらずっと継続的に成長をし続けないといけないわけです。
買収だといいかというと、買収先の企業でもちゃんと成果を出さないといけないわけです。
Exitは投資家にとっては出口かもしれませんが、起業家にとっては、またさらなる高みの入り口だったりもするのですね。
参考になる本
というわけで、起業について、ざっくりこういう感じだよ、という紹介をしてみました。
最後に、起業の雰囲気がわかる本としていくつか名著を紹介しておきます。
HARD THINGS
起業しててめっちゃつらい出来事を「HARD THINGS」というのですが、それについて書かれた本です。読んでて辛いです。
イーロン・マスク 未来を創る男
イーロン・マスクはとんでもない起業家です。PayPalのCEOやったり、電気自動車のテスラを作ったり、他にもいろいろ会社をやったり・・・。
起業家
サイバーエージェントの藤田さんの本です。あらゆる若者に影響を与えまくりました。
不格好経営
DeNAの創業ストーリーです。バリバリのエリートの南場さんでも、こんなにもがいているんだな・・・と感じることができます。