コロナ禍で過ごした5月の日常「MANGA Day to Day」2020/7/15~8/14公開作品まとめ

コロナ禍の「日常」を舞台に総勢100名以上のマンガ家が日替わりで短編作品を発表していくリレー連載企画、「MANGA Day to Day」。2020年6月15日から始まった本企画ですが、スタートして早くも二ヶ月以上が過ぎました。

物語の舞台は感染者と不安が拡大していた2020年4月1日から始まり、今も日々先生方の短編作品が公開されています。本記事では、5月を舞台とした「日常」を振り返ります。

MANGA Day to Day 作中カレンダー:2020年5月

下のカレンダーでは公開作品と作者を舞台となった日付でまとめています。(Twitter上でのマンガの公開日は2020年7月15日〜8月14日です)

日付をクリックすると「MANGA Day to Day」特設アカウントの作品掲載ツイートへ、作者名からは先生のTwitterアカウント(お持ちの場合)へとそれぞれ移動することが出来ますので、見逃した作品があればここでチェックしておくのをお忘れなく。

MANGA Day to Day 作中カレンダー2020年5月版(敬称略)

4/26

雨隠ギド

4/27

意志強ナツ子


4/28

永田狐子

4/29 /

あやめゴン太
井上とさず

4/30

すえのぶけいこ


5/1

桑原太矩


5/2

ゆうち巳くみ


5/3

藤村緋二


5/4

町子


5/5

関口かんこ


5/6

ろびこ


5/7 /

真夏日ずる

慎結

5/8

藤緒あい


5/9

冬川智子


5/10

松本ひで吉


5/11

海野つなみ


5/12

ツジトモ


5/13

ナナトエリ
亀山聡

5/14

丘上あい


5/15

山田デイジー


5/16

豊田徹也


5/17

木下いたる


5/18

絵津鼓


5/19 /

安堂ミキオ

山田金鉄

5/20

ひうらさとる


5/21 /

加曽利りあら

大和アカ

5/22

安野モヨコ


5/23

村田ひろゆき


5/24

姫野ユウマ


5/25

めごちも


5/26 /

岩村月子

坂井恵理

5/27

田中相


5/28

なつみん


5/29

二階堂幸


5/30

さおとめあげは


5/31 /

チッチママ

日生マユ

6/1



6/2



6/3



6/4



6/5



6/6










2020年6月15日から7月14日に掛けて公開された作品#001〜#030までのまとめは以下の記事をお読みください。

2020年5月の主な出来事

緊急事態宣言が発令された4月からしばらく経ち、具体的な経済への影響などが明らかになってきた2020年5月。現実の世界では下記のような出来事がありました。

  • 5月4日:新型コロナウイルス感染症の緊急事態宣言が5月31日まで(当時)延長。

  • 5月4日:大相撲夏場所(24日初日)の中止が発表

  • 5月14日:緊急事態宣言が39県で解除。

  • 5月18日:1月から3月のGDP速報値が発表。前の3カ月と比べてマイナス0.9%、年率換算でマイナス3.4%。

  • 5月20日:夏の甲子園大会の中止が決定。中止は79年ぶり3度目。

  • 5月20日:4月の訪日外国人数(推計値)が発表。前年同月比99.9%減の2900人。

  • 5月21日:大阪府、京都府、兵庫県の近畿3府県で緊急事態宣言が解除。

  • 5月25日:東京、神奈川、埼玉、千葉、北海道の5都道県で続いていた緊急事態宣言が解除。全面解除は48日ぶり。

  • 5月27日:新型コロナウイルス感染症対策を盛り込んだ2020年度第2次補正予算案が閣議決定。

  • 5月31日:競馬の「第87回日本ダービー」が無観客で実施。

2020年5月を過ごした人々の「日常」

ここから5月を舞台にした36作品を紹介していきます。各先生がそれぞれのテーマと切り口で描いた日常。4月に発令された緊急事態宣言が延長され、これがいつまで続くのか、宣言が解除されても生活は戻るのか、誰も答えがないなか手探りで過ごしていた5月。

思わず共感する体験、自分の知らなかった世界、笑える話。きっと世界のどこかで起きていた1日を、先生の目を通して追体験してみてください。

5月1日

#31 / 5月のスタートは『空挺ドラゴンズ』桑原先生の作品から。不要不急の外出を控えるよう言われる中、近所の猫との戯れは癒しの時間。思いつきで猫とのリモート飲み会を企みますが…気まぐれな彼らに人間の狙い通り動いてもらうのは至難の業です。

5月2日

#32 / 桜の名所として全国的に知られる青森県弘前公園の桜祭りも中止に。宿題の写生をしたそうな様子で周りをうろつく少年に警備員のバイトのお兄さんが注意しようとするも…?少年が描いた絵とそのタイトルに思わずグッと来てしまいます。

5月3日

#33 / 困難な状況のなか誰もが望む救世主。全てを解決してくれるヒーローが現れるならすぐにでも何度でも名前を叫びたいところですが、現実は映画のようにはうまくはできてないみたいです。きゅーせーしゅはやくこないかなー。

5月4日

#34 / 堅物だと思ってた店長がYoutuberだった!?家で着物でも着ていそうなコワモテ無口のバイト先の店長ですが、偶然見つけたYouTubeチャンネルではまさかのノリノリ配信。こんな生活でもなければ知ることは無かった一面かもしれません。

5月5日

#35 / 今明かされるアマビエの正体!フェスで日本に行くはずだった海外のロックバンドボーカルが事故で過去の日本にタイムスリップ。地獄だと勘違いした彼が叫んだシャウトこそ、アマビエ伝説の始まりだった!「I'm MAD・B…Yeaaaaaaaah」

5月6日

#36 / 外に出かけることも無く、制服を着る機会も無く、同じ団地に住んでるのにリモートで会話。でもこんな状況下でも、彼女たちの青春は止まりません。くるくると変わるみんなの表情がカワイイ。頑張れアダチ!

5月7日

#37-❶ / 動物園からも消えた人並み。動物たちも不思議がっているかもしれません。もしかしたら彼らにとっては平穏で静かな今の方が居心地がよいかもしれませんが、やっぱり会いたい。スマホさえあればすぐ繋がれる現代でも、やっぱり会えるって特別です。

#37-❷ / かつて強迫性障害で外出もままならなかった女性。ある医師との出会いで症状が緩和されますが、今回の新型コロナウイルスの影響で再び悪化。思っていたより優しかったはずの世界が現実として襲いかかってくる状況に、心が蝕まれます。

5月8日

#38 / 「このご時世」ついつい使ってしまいがちな言葉ですが、この世界的危機が起こる前から大変な思いをしている人もいれば、家が安全な場所じゃない人も存在します。中学生に限らず誰もが無力感を抱える状況のなか、「みんなしあわせ‼」を願わずにいられません。

5月9日

#39 / 夫婦の危機を迎えたまま突入した外出自粛生活。会話が多いわけではないけれど、2人一緒にご飯を食べ、相手の好きだった花を思い出す。「千日紅」の花言葉のとおり、コロナに限らず様々なことが変わっていくなかで、変わらないものもきっとあります。

5月10日

#40 / 突如増えた家での自由時間。これを機に新しい趣味やプライベートを充実させるキラキラした人たちがいる一方で、積んでいた映画やマンガすら手を付ける気がしない人も大勢いるはず。これぞ新しい格差…!でも動物たちはそんなことおかまいなくマイペースでカワイイ。

5月11日

#41 / 外出先がスーパーや薬局に限られるなか、店員さんに向かって大声で文句を言う客も目立つようになりました。誰も得しない最低の行為なので絶対やめましょう。遭遇した場合には店員さんを助けてあげたいと思うものの、実際に声を上げるのは相当な勇気がいりますよね。

5月12日

#42 / 日常生活が一変した今、それまで見えてこなかった一面を浮き彫りにすることも。都会的で憧れだったセンパイからのパーティーの招待で恋が冷めたり、地元のマジメな同級生の一言に「ダキュウウン」となったり。「正常」ってなんでしょうか。

5月13日

#43 / コロナ禍+発達障害の娘と離婚した父親、というかなり難しいテーマのお話なんですが、重くなり過ぎずコミカルに描かれています。合法的に家にいたい娘と、ここぞとばかりに父親をやろうとするもあっさり拒絶される父親。うーん、難しい!

5月14日

#44 / 気付くとネガティブな言葉が飛び出して増殖していくような状況ですが、だからこそ一つでも多くの「ありがとう」を意識的に増やしていきたいですね。作中にはTwitterでめちゃくちゃバズッた丘上先生のハムエッグ、通称「おかうエッグ」も登場してます。

5月15日

#45 / 山田デイジー先生の作品は『恋するふたごとメガネのブルー』の特別編!幼い空がいい子すぎるし、優しさがあふれてるし、みんなの笑顔がはじけてます。フジタ青空兄弟、誕生日おめでとう!次は会えるようになったら、なんでもない日のお祝いが待ってます!

5月16日

#46 / 朗読屋リリィと不思議な少年ハルタ。短いストーリーの中にSF要素がつまっています。作中登場する『旧約聖書 ヨブ記』は、信心深いヨブが神様の気まぐれともいえる行動によって全てを奪われ苦難を受ける話。どこか今の世界と通じるものがあります。

5月17日

#47 / どんなに自分がインドア派だと思っていても、じわじわとストレスや寂しさはたまっていくもの。そんな時は小さな「きぼう」を見つけるために空を見上げるのもいいですね。先生のアカウントではプロトタイプ版も公開されているのですが、こちらはよりファンタジー色が強くなってます。

5月18日

#48 / 先生の代表作『JOY』から、豪くんと阿久根くんの日常特別編!生活範囲がごく限られているなか、ご近所さんとのちょっとした会話が嬉しくなるのはすごくわかります。マイペースな阿久根くんと豪くんのツッコミの掛け合いが癒し。

5月19日

#49-❶ / 妻に先立たれたおじさんが風俗店のボーイとして働く様子を描く『はたらくすすむ』。本編では記憶の中でしか登場しない妻・和子さんが現れ、感謝を伝えてくれます。生前より優し気な妻。でもやっぱり、できるなら生きてるうちにお互い感謝を伝えたいものです。

#49-❷ / とある疲れたシステムエンジニア。テレワークをきっかけに徐々に作業環境を見直していきます。睡眠時間、作業机、忘れていたマンガ。環境はどんどん改善され、ついにはバルコニーに異国情緒な庭まで。訪れた素敵な出会いは、くたびれていた世界に色がつくようです。

5月20日

#50 / 『ホタルノヒカリBABY』に登場するアイドルB-LEYもオンライン配信!ほぼすべてのライブが中止・延期となるなか様々なエンタメを提供しくれたアーティストの方々へ、ひうら先生からの感謝が伝わってきます。”戻る”んじゃなく”進む”。ライブで会おうぜ…!!!

5月21日

#51-❶ / 伊豆箱根エリアなど、観光地では失職者が激増。そこで起こったのは開墾ブーム!デカい岩を掘り起こし、ナメクジと闘い、ビールを飲み干す…そしてついに迎えた初収穫!旅行を楽しめる日々が戻ることを願いつつ、新たな趣味もまた楽しい。

#51-❷ / 本当なら卒業式だった日、誰もいない学校裏からのライブ配信告白でカップルになった2人。でもそれ以降、一度も会えていません。それでもこんな状況下で繋がってられる2人なら、きっとこの先も大丈夫。いつか振り返ってそう言える日が来ます。

5月22日

#52 / 孤独になりがちな自粛生活も、くだらない話ができる相手がいれば乗り切れる。それは人間じゃなくたっていいかもしれません。たとえ声が聞こえなくたって植物もきっと色々話してる。ネガティブな雰囲気になるかと思いきや他人を否定しないはるちゃんの職場も意外と素敵。

5月23日

#53 / 取材(?)で夜の街を飲み歩いていたムラタ先生も、緊急事態宣言の前から自粛してステイホーム。5月末に入りようやく営業再開のお店が出始めたと思ったら、ものすごい離れた距離だったりプラ板で仕切られていたり…人の温もりが恋しい!!

5月24日

#54 / 仕事が煮詰まった時の定番、ショッピング。コロナ禍ではネットショッピングを利用し始めた人が多いと思いますが、お店に足を運ぶのとはまた別物です。自分が好きなものを着る、良いと思ったらとりあえず試す。仕事にも通じる自由の発見は、あの空間ならではの体験です。

5月25日

#55 / いつもは教室の隅っこで餃子食べたりしてる3人も今はリモート。接続したとたんに天狗がいたらめちゃくちゃビビりそう。しかしこの3人、あと一週間は自宅待機だと思っているみたいですがカレンダーには?でもこれだけ期間が長いと確かに忘れちゃいそうですね。

5月26日

#56-❶ / 1000年以上先の未来。一度滅びた後の新たな文明にも、今の世界と同じような危機が訪れます。自宅待機の未来人が気晴らしに試していたのは、前文明の飲み物であるモヒート。待機中の娯楽と次への約束を兼ねた過去の遺産。いつか会えるその日に乾杯!

#56-❷ / 休校で子どもたちも自宅で過ごすようになると、家事育児や勉強のケアなど親の負担も激増。特に母親側にその負担が偏りがちと言われており、その様子を坂井先生がわかりやすく伝えてくれています。全ての男性が一度読んで自身のふるまいについて考えるべき作品。

5月27日

#57 / オトナだってわからないし怖い!子どもの時はなんでも知っているように見えたオトナたちですが、実際になってみると全然そんなことないですよね。でもしおちゃんのパパとママみたいに不安を見せず、かつ子ども相手にも正直でいる姿はとても誠実で素敵です。

5月28日

#58 / 思いがけずできた子どもとの十分な時間。忙しい時はなかなか頭にも浮かんでこないけど、ふと近所を散歩してみれば、そこには色々な発見があります。緊急事態とはいえ、日々の振り返りや些細な発見を与えてくれるこの時間は、全部が全部悪いことばかりでもないのかもしれません。

5月29日

#59 / 人生のなかで苦しいことや悲しいことは何度でも襲ってきて、そのたびに涙を流す。それでもその先には嬉しいことや楽しいこともやってきて、笑顔になる日も来る。コロナ禍も長い目で見ればそんな数ある波の一つで、今の状況・気持ちにもきっと変化が訪れます。

5月30日

#60 / 実際に無観客ライブを実施されたバンド「ALIOLIN」の協力の元に描かれた作品。音楽が世界を変えるとかそんな大それたことではなく、ただただ音楽とそれを伝える場所が好きで、それを聞いてくれるファンに届けたい、純粋で熱い思いが伝わってきます。

5月31日

#61-❶ / もともと在宅ワークだった人にとって外出自粛による影響は少ない…なんてことは決してなく、特にお子さんがいるご家庭は大変。進まない仕事と子供の世話で疲れ果ててる人も多いと思います。それでも子どもの笑顔のために頑張れる親御さんは偉大です。

#61-❷ / 5月終わりには全国的に緊急事態宣言が解除され、多くの学校も再開されました。ただ新学年からずっと自宅待機でクラスメイトにも会えずタイミングを逃してしまうと、今さら登校が億劫になってしまった人も多いはず。それでもようやく訪れたその一歩が、前へ進むためのスタートです。

非常な日常はまだまだ続く

緊急事態宣言が延長され、数か月先のイベントやスポーツの中止が決定したりとコロナ禍の影響が今後も長く続く予感が漂う一方、感染者は目に見えて減少し、楽観的な空気も流れ始めていた5月。どうなるか全く予想のつかない状況に、それぞれの立場、思いを抱えそれぞれの日常を過ごしていたはずです。

「MANGA Day to Day」がリレー連載となっているのも、そんな日々の移り変わりとそれぞれの日常を記録し、100年後に今を振り返った時、感染者数や政策といった全体象だけでなくそこを過ごした人々のリアルを残したい、という想いが込められているように思います。

日々公開が続いている今後の作品も、変化し続ける空気感を反映しつつさらに多種多様な物語となっていくはず。アルでは下記の記事でその日の「MANGA Day to Day」公開作品と公開済み作品のリストを毎日更新していますのでぜひチェックしてください。