隠された世界を見てみない?分からないからこそ面白い、オカルトマンガの名作を紹介

みなさん、「オカルト」って、どう思いますか?
質問を変えます。
「オカルト」と聞いて、「胡散臭い」以外の感想って浮かびますか?

UFOが見つかったという1947年のロズウェル事件や、「1999年7月に人類が滅亡する」というノストラダムスの大予言
一時期話題になりましたが、結局「嘘ですよね」というのが今を生きる人のぶっちゃけた感想だと思います。

でも、そもそもオカルトというのは胡散臭いものなのです。
「オカルト」という言葉自体がラテン語の「occulta(隠されたもの)」を語源としています。"明らかにされたもの"のみを信じる現代においては、胡散臭くなるのは必然。

そんなオカルトですが、ひとつだけ言えることがあります。それは、「ワクワクする!」ということです。分からないからこそ、面白いんです。オカルトがなければ、この世のなんと味気ないことか!!!
この記事では、オカルトを描いたマンガの名作たちを紹介します。

UFOや宇宙人の存在を認める準備はできていますか?

科学で証明されているわけでもないし、実際に見たわけでもない。宇宙人やUFOなんて、所詮は絵空事なのだ!と思いますよね。

でも、「地球人が混乱してしまうので隠しているだけ」だとしたら...?

そんなことを思わず考えてしまうような作品を紹介します。

『レベルE』

『幽遊白書』『HUNTER×HUNTER』で有名な冨樫義博(とがし・よしひろ)先生の作品。

「地球上にはすでに数百種類の異星人が生活していて、気づいていないのは地球人だけ」という世界を描いています。

レベルE
冨樫義博

『MMR-マガジンミステリー調査班-』

『週刊少年マガジン』の編集部員5人で編成された、MMR(Magazine Mystery Reportage)の物語。この5人は実際の編集者がモデルで、今も各地で活躍されているそうです。各巻ごとに様々なオカルトを取り上げています。UFOについては一巻に収録。

MMR-マガジンミステリー調査班-
石垣ゆうき/著

正義の鉄槌ではなく、「黒魔術」を使うということ

悪を以て悪を制す!

今も昔も「いやなやつ」はいます。そんな人に一泡吹かせられたら、どんなに清々するか!と思いますよね。その一方で、自分でも分かっているんです。そんなふうに思う自分もまた、闇に染まっているのだと...。

黒魔術を題材にしたマンガは、そんな後ろ暗い心情にぴったりなのです。

『魔太郎が来る!!』

『忍者ハットリくん』『笑ゥせぇるすまん』などで有名な藤子不二雄A先生の作品。主人公の「魔太郎」は、超能力「うらみ念法」などを使って、憎いヤツらに復讐をします。決めセリフは「「こ・の・う・ら・み・は・ら・さ・で・お・く・べ・き・か

魔太郎がくる!!
藤子不二雄A/著

『エコエコアザラク』

一見、どこにでもいそうな中学生だけど、その正体は魔女。黒魔術を駆使して制裁を加える、ダークヒロインの金字塔です。

決めセリフは「エコエコアザラク エコエコザメラク」。この呪文は女神崇拝の宗教「ウィッカ(wicca)」典礼聖歌のひとつです。

エコエコアザラク
古賀新一/著

まだまだ地球には謎がある

今はGoogle Earthで世界中が見渡せるし、「もう未開の土地なんて深海くらいでは?」という気分になりますよね。でも、まだまだ謎に包まれていることは多いのです。

謎に興味の枝葉を伸ばすとき、物語が生まれるのです。

『失われたムー大陸』

『月光仮面』の漫画版を描いた桑田次郎(くわた・じろう)先生による作品。主人公がロケットの事故により命からがら地球に降り立つと、大災害によって人類は滅びていました。このことを見越していた不思議な男と出会い、かつて太平洋に存在していたという幻の大陸「ムー大陸」へ行くことになります。

筆者は、作中のこのセリフがとても印象に残っています。

「人間はおろかすぎた。科学という賢(かしこ)きに目を開いたまでは良かったが.....大切な生命の内側の目を忘れてしまった」

引用元:『失われたムー大陸』

失われたムー大陸
桑田二郎

『ドラえもん』

みんな大好き『ドラえもん』の中にも、オカルトを題材にしたお話があります。そのひとつが、第23巻に収録されている「異説クラブメンバーズバッジ」です。「地底人」の話をしてバカにされていたのび太に、ドラえもんは「付けている人にだけ本当の世界になるバッジ」を渡します。バッジを付けたふたりは「地球空洞説」が本当になった世界を過ごすことに。

ドラえもん
藤子・F・不二雄

本当に幽霊はいないと信じていますか?

人には信じてもらえないかもしれないけれど、確かに自分では感じているもの。それが「こわい」という気持ちです。

実は誰もが持っている感覚だからこそ、幽霊やお化けを題材にした物語は、人を惹きつけるのです。

『うしろの百太郎』

心霊科学を研究する父をもつ主人公は、様々な怪奇現象に見舞われるも、自分のうしろについている「百太郎」という霊によって難を逃れます。
下記のセリフ、こわくないですか...。作中の人物が突然こちらに語りかけてくる瞬間。後ろに振り返りたくなる気持ちを必死でこらえました...。

きみは信じられるか!?きみのうしろにも霊がついているんだって!!

引用元:『うしろの百太郎』

うしろの百太郎
つのだじろう著

「昔話」なら信じられるという不思議

「今、ここに鬼がいますよ!」と言われても一ミリも信じられないですよね。でも、「大昔、鬼は存在していました」と言われると、何となくそんな気がしませんか?例えば古事記をただのフィクションとしてではなく、現実味を持って感じられたり。

科学という文脈でこそ語られないものの、「たしかにいる」という気持ちを補完してくれるのが、マンガなのです。

『孔雀王』

人の心から生まれる鬼を、力と慈愛を併せ持つ主人公の「孔雀王」が倒します。人間ドラマをベースに、鬼や密教の知識が詰まった名作。

孔雀王
荻野真/著

『手天童子』

『デビルマン』などを描いた、永井豪(ながい・ごう)先生の作品。ある日、人間に託された鬼の赤ん坊。この赤ん坊は人の姿をしていて、とても大切に育てられます。ところが、それは「15歳まで」という期限付きでした。15歳になった鬼の子・手天童(しゅてんどう)ジローの戦いがはじまります。

手天童子
永井豪/著,ダイナミック・プロ/イラスト

いまの時代にオカルトをどう描くか問題

ブームがとうの昔に過ぎ去ったいま、人はもはやオカルトに興味がなくなったのでしょうか。いや、そんなことはありません!ただ「口に出しづらい」だけなのだと思います。

ブームのない今だからこそ、斬新な手法で潜在的な欲求を満たされると、嬉しくなるのです。例えば、『それ町』のように。

『それでも町は廻っている』

下町の商店街を舞台に、賑やかな日常を描いています。
はじめのうちは「祖母が切り盛りするメイド喫茶」を中心に、賑やかながらも平和な日常を描いているのですが、2巻の14話あたりから、心霊などのオカルト要素もちょいちょい入ってきます。

それでも町は廻っている

日常のやりとりだけでも充分楽しい作品だと思うのですが、そこにオカルトというスパイスがあることで、なんともいえない中毒性が加わりました。

オカルトというジャンルの可能性を感じた作品です。

それでも町は廻っている
石黒正数

オカルトマンガの未来に乾杯

かつて名だたる天才マンガ家を魅了し、数々の名作の題材となった、オカルト。いまでも、月刊誌『ムー』では最新の情報を知ることができます。「良質な資料を抱えながら、現代はなんとなく敬遠されている」というところに、ビジネスチャンスを感じます。これからどんな作品が生まれるのか、楽しみです。

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