手塚治虫先生や赤塚不二夫先生、そして石ノ森章太郎先生、藤子不二雄先生といった現在のマンガ文化の礎を築いた巨匠たち集い、若き青春の日々を過ごした伝説のアパート「トキワ荘」。
現在では、かつてトキワ荘があったその場所に復元施設「豊島区立トキワ荘マンガミュージアム」が開業しています。
そんな伝説のトキワ荘を冠した事業「トキワ荘プロジェクト」をご存知でしょうか?
NPO法人NEWVERYが運営する、本気でプロのマンガ家を目指すクリエイターを支援するための総合プロジェクトのことで、創作活動の拠点となるシェアハウスの提供やスキルを磨くためのマンガ講座、仕事の紹介など多角的なサポートを行っています。
今まで120人以上のプロマンガ家を輩出してきた「トキワ荘プロジェクト」ですが、本日6月1日にマンガ家やマンガ家志望者向けの住まいであり、プロジェクトの新たな拠点となる「多摩トキワソウ団地」をグランドオープンしました!
令和のトキワ荘「多摩トキワソウ団地」が始動
本日2021年6月1日に、一流のプロクリエイターを目指すマンガ家やマンガ家志望者を対象にした団地型のシェアハウス「多摩トキワソウ団地」がオープンしました。なんと、マンガ家やマンガ家志望者に限定した住まいとしては日本最大規模!
施設名|多摩トキワソウ団地
住所|東京都日野市多摩平3-1-8 (JR中央線 豊田駅 徒歩8分)
構造|鉄筋コンクリート造4階建て
建築年月|1960年
リノベーション年月|2011年3月
提供居室数|29室(2021年6月1日現在)
対象者|マンガ分野のクリエイター又はその志望者
賃料|38,000円~42,000円
管理費|月額12,000円(水光熱費、インターネット利用料込み)
敷金|30,000円
入居金|50,000円
URL: https://tokiwa-so.net/tokiwa-so/list/tamatokiwasodanchi
今回、トキワ荘プロジェクトの既存の住まいのうち7棟を閉鎖し、コミュニケーションが生まれる職・住・学一体での拠点「多摩トキワソウ団地」が設立されました。
「多摩トキワソウ団地」居住者には、NPO法人NEWVERYが手がける企業向けのマンガ制作事業「Graphium Studios」の業務を委託し、クリエイティブ制作活動を行うほかマンガ家向けの研修教育活動を展開していきます。まさに、職・住・学が一体となった一大プロジェクトです。
リアルな交流を通じた刺激やインプットを
かつての「トキワ荘」には、住人が洗面や炊事などを行う共同炊事場がありました。
これは「豊島区立トキワ荘マンガミュージアム」で当時の様子を再現した共同炊事場。奥の洗面台では、当時お金がなくて銭湯にいけなかった赤塚不二夫先生と石ノ森章太郎先生が水をためて風呂がわりにしていたという逸話があります。
そんな共同炊事場も令和のトキワ荘「多摩トキワソウ団地」では、ラウンジ・キッチンという名でこんなにも開放感溢れる空間を提供しています。
新型コロナウイルス感染拡大により、マンガ制作業務がリモート中心に大きくシフトした方も多いのではないでしょうか。対面交流を通じた刺激やインプットの少なさが能力形成の足かせになっているのではないかと課題視する方にとっては、同じ志を持つ仲間達が集う「多摩トキワソウ団地」はぴったりなのではないでしょうか。
「多摩トキワソウ団地」の内部を公開
個室3室で1ユニットを構成しています。住宅の顔とも言える玄関ドアはとってもモダンな雰囲気。
個室内には、デスク・ベッド・エアコン・冷蔵庫などが装備されています。とっても開放感溢れる作りが魅力的です。
ユニット内に共用の洗面台やトイレを用意しています。共用部には調理設備、シャワーブース、ランドリーなども完備!
さらに他のユニットの居住者と共同で利用できるキッチン、ラウンジ、ワークスペースが用意されています。まさに、プライベート空間と集団での交流の場を両立させた住まいとなっています。
新たな伝説がここで生まれる
伝説のアパート「トキワ荘」には、手塚治虫先生や赤塚不二夫先生、石ノ森章太郎先生、藤子不二雄先生などマンガ界の伝説たちが住人として暮らしていました。そんな彼らが寝る間も惜しんで創作に没頭したアツき青春の日々は、後に『まんが道』や『愛…しりそめし頃に…』などのマンガにも登場します。
今度はあなたが令和のトキワ荘「多摩トキワソウ団地」で新たな伝説を生み出す1人を目指してみませんか?
記事内で使用している「豊島区立トキワ荘マンガミュージアム」の写真は全て撮影許可をいただいています。
🏠番外編:あの人も!?「トキワ荘プロジェクト」出身のマンガ家たち
カメントツ先生
『こぐまのケーキ屋さん』を代表作に持ち、現在はヤングエースにて『MORRIS~つのがはえた猫の冒険~』中のカメントツ先生も「トキワ荘プロジェクト」卒業生です。
藏丸竜彦先生
ヤングアニマルZEROにて『数学ゴールデン』を連載中の藏丸竜彦先生は、30代の頃にラストチャンスだと一大決心をして「トキワ荘プロジェクト」に参加。見事連載のチャンスを掴みました。
坂本拓先生
引越し先を探していた時に「トキワ荘プロジェクト」を知り入居を決めた坂本拓先生のトキワ荘での日々は、自身の代表作である『潔癖男子! 青山くん』を思わせるちょっぴり破天荒なものでした。