何とも奇妙な組み合わせのタイトルに興味をそそられる、吉本ユータヌキ先生の『サギ師とバンドマン』。
その名の通りサギ師とターゲットにされたバンドマンの物語なのですが、作品と同じくらい注目したいのは本作の制作裏話でした。
サギ師とバンドマンが繰り広げる心理戦
バカっぽい(失礼)という理由でバンドマンに狙いを定めたいかにも怪しげなサギ師のおじさん。まずは、財布を無くしたという同情を誘う手口で勝負に出ますがバンドマンもそう簡単にはお金を渡しません。
そして、サギ師のおじさんはさらに勝負に出ます。サギ師のおじさんがバンドマンに差し出したのは18万円の当選馬券。なんとその馬券を10万円で買わないかと持ちかけたのです。
決して安くはないその金額にためらいながらも、つい欲が出てしまい7万円で交渉するバンドマン。この後更なる展開がバンドマンを待ち受けているのですが....。サギ師とバンドマンの攻防戦と勝敗の行方をぜひご覧ください。
最初から最後まで本気でお金を巻き上げようと勝負するサギ師。最初は用心深かったけれどだんだんと欲に目が眩むバンドマン。この両者の目線で描かれる心理戦、そして思わず笑ってしまうちょっぴり間抜けな展開が本作の見どころです。
自分の体験から物語を膨らませる
物語のラストはもちろんのこと『サギ師とバンドマン』の驚くべきポイントは、作者である吉本ユータヌキ先生の実話だというところです。
昔、サギ師のおじさんから偽馬券を買わされた...。通常なら一文で終わってしまうような体験をマンガという形に落とし込めたのは「逆の立場で描いてみなよ」という編集者・佐渡島さんからの一言がきっかけでした。
詐欺にあったという事象だけではなく、なぜサギ師は自分に声をかけたのか?その時のサギ師の感情は?という具合にサギ師の立場から考えていくことで、物語がさらに膨らんでいくのです。
そしてこの方法の原点にあるのは、吉本ユータヌキ先生が所属する作家エージェント・コルクの「時間を徴分して描く」という教えでした。どんな出来事も細かく噛み砕くと色々な感情や思惑があり、それらが変化していく様子に面白さがある...というコルクならではの教えから誕生した『サギ師とバンドマン』。
具体的にどのように13ページにまで膨らませていったのか、制作の裏側に迫るnoteは必見です。
作者:吉本ユータヌキ先生
コルク所属のマンガ家。子どもとの何気ない日常をコミカルに描いた『おもち日和』をcakesで連載中。Twitterに投稿した「息子はドレスを着たい」では4.8万以上のいいねが付き大きな話題に。
Twitterへのマンガ投稿は「Twitter一括アップくん」
吉本ユータヌキ先生の『サギ師とバンドマン』は、Twitterに投稿する際にアルが提供する機能「Twitter一括アップくん」を使用しています。
簡単に、そして順番も正確に大量の画像をアップすることができます。Twitterにマンガやイラストをアップする機会が多いマンガ家やクリエイターのみなさんはぜひ利用してみてください!
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©︎吉本ユータヌキ/コルク