『夫は成長教に入信している』成長することが目的になる危険性 ひとりの男性が強く美しい呪縛から逃れるまで

「今よりもっと成長したい!」と願う気持ちはとてもポジティブで良いことですよね。その向上心は自分のスキルを高めるのはもちろん、周囲にも良い影響を与えることでしょう。

ですが、成長を目的にしてしまうと、いつのまにか自分を追い込んでしまい取り返しのつかないことになりかねません。

そんな成長という名の向上心に異常なまでに囚われた1人の男性と、その家族との日々を描いた原作・紀野しずく先生 / イラスト・北見雨氷先生による『夫は成長教に入信しているが今大きな話題と共感の声を呼んでいます。

1人の男性が囚われたのは...

とにかく成長意欲が高い男性・タカハシコウキ。あなたはもちろん、周囲にこんな目標を掲げている人いませんか?

そんなコウキと結婚した妻は、だんだんと彼に違和感を感じるようになります。

食事はおろか休息も顧みずに、仕事や成長に繋がると信じてやまない活動に没頭していくコウキ。

体調を崩してもなお、改善されないその異常な姿を見て妻はこう思うのです。彼は「成長教」に入信しているのだと...。

夫は成長教に入信している』では、そんな彼の日常と成長教から脱するまでを描きます。

成長が目的になることの危険性

これは、誰にでも起こりうる物語なのではないでしょうか。

一度期待されたり成功体験を積むと、更なる成長を求めるのは当たり前のこと。むしろ向上心があって良いことです。

ですが、次第にコウキは具体的な目標があるのではなく、成長することが目的になっていくのです。成長とは、あくまで自分の目標を達成するための過程。その過程に終わりはありません。だからこそ成長を目的にしてしまうと、コウキのように終わりのないマラソンレースを永遠に走り続けることになることになるのです。

また、SNSが発達した今では、成長するための手段や活動が世の中に溢れ返っています。それらが自分の目標と関連性があるなら更なる成長に繋がるのかもしれません。

「具体的な目標はないけれど、とにかく成長したい!」とコウキのように、色々なものに手を出して走り続けると...。

心身ともに崩壊してしまう危険性があるのです。

力強く美しい呪縛から逃れるまで

「成長したね!」と言われると嬉しくなり、「もっと成長したいです!」と言われると相手から向上心を感じてとても輝いて見えます。成長とは、時に力強く美しいほどに耳障りの良い言葉です。

夫は成長教に入信している』が警鐘を鳴らす、成長という呪縛に囚われる恐ろしさ。

新生活が始まって早1ヶ月...。コウキの行動に少しでも当てはまったらぜひ、本作を読んでみてはいかがでしょうか。

作者へのインタビューを敢行!

OGP及び記事内画像は紀野しずく先生・コミックDAYS編集部許諾の元掲載してあります。快く許諾していただきまことにありがとうございます。
https://comic-days.com/episode/3269632237324396837

©︎紀野しずく・北見雨氷/講談社