3行でわかるベルセルク
ミッドランド王国とチューダー帝国との間で永きにわたり「百年戦争」と呼ばれる領土戦争が続いていた時代
主人公・ガッツは、己の剣と強さだけを頼りに孤独な旅をしていた
自分から全てを奪い去ったかつての戦友に復讐を遂げるため
作品概要
『ベルセルク』はマンガ界の巨匠、三浦健太郎先生がその生涯のほとんどをかけて描いた壮大なダークファンタジーです。
白泉社『ヤングアニマル』の前進『月刊アニマルハウス』にて1989年より連載スタート。全世界累計発行部数は4,000万部を突破(2019年時点)しています。
あらすじ~全てを奪われた孤独な剣士の復讐の物語~
物語の舞台は中世のヨーロッパを思わせる世界、ここでは2つの大国、ミッドランド王国とチューダー帝国との間で永きにわたり「百年戦争」と呼ばれる領土戦争が続いていました。
そんな暗黒の時代に主人公・ガッツは「使徒」と呼ばれる魔物に追われ、戦いながら孤独な旅をしていました。自分に仲間、友情、帰る場所、全てを与え、そしてその全てを奪い去ったかつての戦友に復讐を遂げるため。ガッツに残っているのは通常の人間にはとても扱えない巨大すぎる剣と、失った腕の代わりに携えた大砲を仕込んだ義手、そして心に灯す復讐の炎。
登場人物
ガッツ一行
ガッツ
物語の主人公。圧倒的な強さと巨大すぎる剣を携え、元戦友グリフィスに復讐を遂げるため旅をしている。「黒い剣士」とも呼ばれている。
パック
黒い剣士時代(1~3巻)にガッツと出会い、一緒に旅をしている(付きまとっている)妖精。簡単なケガを癒すなど不思議な力がある。
キャスカ
物語のヒロインで元鷹の団のメンバー。出会った際はガッツを敵対視していたが、共に鷹の団の一員として過ごす内に心を通わせあうように。ある事件後は心が壊れてしまう。
イシドロ
最強の剣士を目指すためガッツ一行についてきた少年。短剣使い、お調子者。
シールケ
ガッツ一行が旅の途中で出会った魔女見習いの少女。魔女フローラの秘蔵っ子。魔法使いとして実践するためガッツ一行の旅に同行することに。
イバレラ
シールケが常に連れている妖精。
ファルネーゼ
ガッツを追っていた貴族騎士団の少女。やがてシールケに魔法を師事、ガッツの仲間として旅する事になる。
セルピコ
ファルネーゼの従者。普段は飄々としているが、常に冷静、状況を見極める力に長けている。剣の腕もかなりの実力者。ファルネーゼとともにガッツ一行に同行している。
鷹の団のメンバー
グリフィス
「鷹の団」団長、ガッツのことを気に入り一団に半ば強引に引き入れる。その後ライバル、戦友ともいえる関係に。しかしある出来事をきっかけに、ゴッド・ハンド「フェムト」へと変貌。知性、戦闘力、カリスマ性を兼ね備えた圧倒的リーダーシップでトップに君臨し「自分の国」を手に入れようと戦乱を巻き起こしていく。
リッケルト
鷹の団の唯一の生き残り。人懐っこく、心優しい青年。心を壊した後のキャスカにも寄り添う。
ジュドー
鷹の団メンバー。密かにキャスカに心を寄せている。
ピピン
鷹の団随一の巨漢。
コルカス
鷹の団のメンバー。ガッツのことを良く思っておらず何かにつけてつっかかる。
ミッドランド王国
ミッドランド国王
ミッドランド国王。出身が貴族かどうかよりも実力を重視し、グリフィスら鷹の団にも成果に応じた報酬と地位を与えた名君。しかしその心は愛娘シャルロットのみを心の拠り所とする孤独な王。
シャルロット
ミッドランド王女、グリフィスに思いを寄せている。
王妃
国王の後妻。シャルロットの継母。
ユリウス
国王の弟で第2王位継承者。平民出身のグリフィスを目の敵にしており暗殺を目論むが失敗に終わる。
ゴッド・ハンド
フェムト
グリフィスがゴッド・ハンドの一員となった現在。
ボイド、スラン、ユービック、コンラッド
フェムト以外のゴッドハンド。真紅のベヘリット「覇王の卵」によって大切なものを生贄として捧げることで人間から転生した者たち。
その他の登場人物
ゾッド
最強の敵と対峙し闘うこと生きがいと、数百年も戦場を渡り歩く伝説の傭兵。
ガンビーノ
傭兵でありガッツの育ての親、ガッツに気まぐれに情のようなものを見せるが妻の死後はガッツにたいして辛くあたる。
ゴドー
鍛冶職人で戦災孤児のエリカを養父。ガッツの大剣「ドラゴンころし」は彼の作品。魔物が寄り付かないというかつて妖精が住んでいたという鉱山で暮らしており、キャスカをかくまってくれる。
エリカ
ゴドーの養女。一時期をリッケルトとともにキャスカの面倒をみながら暮らす。
髑髏の騎士
ガッツ、キャスカを蝕から救い出した謎多き騎士。
フローラ
霊樹の館に住む魔女でシールケの師匠。髑髏の騎士のことを古き友人と呼んでいる。
作品の魅力
一瞬で物語の世界へ、王道ファンタジー
魔法
エルフ
ゴーレム
精霊
人魚など
読者がファンタジーに期待する要素がふんだんに詰め込まれており、まさに王道のファンタジー。ページをめくればいつでもドキドキワクワクの物語の世界へ旅立つことができます。
圧倒的画力で魅せられるアクション
『ベルセルク』と言えば迫力満点のアクションと、狂気の域ともいわれる描きこみで読者の視線を引き付ける画の力強さ!
切り付けられた敵の吹っ飛び具合で表現される躍動感!剣の重厚さも伝わってきます。
魔物との戦闘シーンも圧倒的!描きこみ具合が尋常ではありません。
そして風景の表現力、もはや一つのアート作品。
ガッツとグリフィス
『ベルセルク』の魅力を語るうえで外せないのが、ガッツとグリフィスの魅力そして二人の出会いと因縁。
まずは主人公ガッツについて、ガッツがこの世に生まれ落ちたときすでに母親は死んでいました。育ての親は気まぐれに情のようなものを見せてくれましたが、結局は裏切られ、剣の力だけを頼りにずっと孤独に生き抜いてきました。
故に信じられるのは己の力だけ。ガッツに関わった者たちが悲惨な運命をたどっても
気にもとめない様子。しかし、物語の中でときおり感情がにじみ出てしまうシーンが描かれています。
ガッツが生きるために殺してきた本音、内に秘めた人間らしさ、やさしさが伝わります。すべてを失った後に始めた孤独な復讐の旅、その中でガッツを助けるものが現れ、旅をともにする仲間が集まっていくのはこの内に秘めた人間性に惹かれるからなのかもしれません。
次は人間離れした美しさと気高さを持つグリフィス。
天性のカリスマ性で最強の「鷹の団」を率いてどんどん地位や名声も手に入れていきます。
彼の魅力は神々しいまでの美しさの中に秘められた野心と、少年のような無邪気さが混じり合っているところ。
そして二人は運命の出会いを果たします。
グリフィスに気に入られ、ちょっと強引に仲間に引き入れられたガッツ。
ガッツもグリフィスを認め、ガッツにとって生まれて初めて親友ともいえる存在になっていきます。しかしガッツとグリフィス2人の歩む道が分かれてしまったとき、運命の歯車が狂いだしてしまうのです。
名言
『ベルセルク』は王道のファンタジーでありながら、登場人物たちの苦しみや葛藤、成長、愛、欲望など感情がリアルに描かれています。ここではそんな登場人物たちから生み出された名言の一部をコマとともにご紹介します。
彼らが投げかける血の通った言葉、葛藤、生き様に苦しくなったり、励まされたり、読者に与える影響は決して少なくありません。
それはきっと作者・三浦建太郎先生が歩んできた人生で得たもの、失ったもの、変化させてきたもの、それらのリアルな経験が『ベルセルク』という物語に溶け込んでいるからなのでしょう。
映像化
TVアニメ『剣風伝奇 ベルセルク』
1997年10月から1998年3月にかけて日本テレビ火曜深夜枠にて全25話が放送。内容は「黄金時代篇」のストーリーをメインに、オリジナルエピソードも追加されています。
【CAST:声の出演】
ガッツ:林延年
グリフィス:森川智之
キャスカ:宮村優子
ジュド-:石田 彰
コルカス:西村朋紘
リッケルト:矢島晶子
シャルロット:白鳥由里、他
【スタッフ】
原作:三浦建太郎(白泉社「ヤングアニマル」連載)
監督:高橋ナオヒト
メインキャラクターデザイン:馬越嘉彦
総作画監督:松原徳弘、千羽由利子
音楽:平沢 進
制作協力:オー・エル・エム
製作著作:日本テレビ、バップ
発売元・販売元:バップ
映画『ベルセルク 黄金時代篇』
映画『ベルセルク 黄金時代篇』は3部作。ファンにも人気のある黄金時代篇が描かれており、2012年~13年にかけて日本だけでなく米、露、英、仏、独、伊、韓国など世界16カ国で公開されました。
☆『ベルセルク 黄金時代篇I 覇王の卵』2012年2月4日公開
☆『ベルセルク 黄金時代篇II ドルドレイ攻略』2012年6月23日公開
☆『ベルセルク 黄金時代篇III 降臨』2013年2月1日公開
【キャスト】
ガッツ:岩永洋昭
グリフィス:櫻井孝宏
キャスカ:行成とあ
ジュドー:梶裕貴
リッケルト:寿美菜子他
【スタッフ】
原作:三浦建太郎
監督:窪岡俊之
脚本:大河内一楼
キャラクターデザイン・総作画監督:恩田尚之
アニメーション制作:STUDIO4℃
配給:ワーナー・ブラザース映画
TVアニメ『ベルセルク』
2016年7月から2017年6月にかけてTVアニメの新シリーズとなる『ベルセルク』が2期に分けて放送されました。今回のアニメシリーズでは、過去に描かれてこなかったガッツが黒い剣士となって以降の物語が中心に描かれています。パック、ファルネーゼ、セルピコなど人気キャラクターも続々登場!
第1期(2016年7月~9月)
第2期(2017年4月~6月)
【キャスト】
ガッツ:岩永洋昭
パック:水原薫
キャスカ:行成とあ
グリフィス:櫻井孝宏
ファルネーゼ:日笠陽子さん
セルピコ:興津和幸さん
イシドロ:下野紘
【スタッフ】
原作・総監修:三浦建太郎 (スタジオ我画)(白泉社ヤングアニマル連載)
監督:板垣 伸
シリーズ構成:深見 真
メインキャラクターデザイン:阿部 恒
制作:LIDENFILMS
アニメ制作:GEMBA/ミルパンセ
イベント情報
『ベルセルク』連載時の直筆原稿・カラー原画300点以上を一同に介して開催する、初の単独大規模作品展「大ベルセルク展」が開催予定。(2021年6月時点では開催予定となっていますが、日程等については詳報までしばらくお待ちください。)
作者情報
三浦建太郎(ミウラケンタロウ)先生は1966年7月11日千葉県生まれ。1985年週刊少年マガジン(講談社)にて『再び…』でデビュー。CMの絵コンテを描く仕事をしていた父親と、絵の教室の先生だったという母親の影響から幼少期より絵を描き始めマンガ家を志すように。1988年、月刊コミコミ(白泉社)に読み切り作品『ベルセルク』を発表、この読み切りをもとに翌年『ベルセルク』の連載がスタート。2018年に最新刊40巻が発売。
1966年 | 千葉県にて誕生 |
1985年 | 週刊少年マガジン(講談社)にて『再び…』でデビュー |
1988年 | 月刊コミコミ(白泉社)に読み切り作品『ベルセルク』を発表 月刊アニマルハウス(白泉社)にて原作に武論尊を迎え『王狼』『王狼伝』『ジャパン』を立て続けに発表 |
1989年 | 『ベルセルク』連載開始 |
1997年~1998年 | TVアニメ「剣風伝奇 ベルセルク」全25話放送 |
2002年 | 第6回手塚治虫文化賞マンガ優秀賞を獲得 |
2012年~2013年 | 劇場アニメ3部作が公開 |
2016年 | 新作TVアニメ第1期(1~12話)が放送 |
2017年 | 新作TVアニメ第2期(12~24話)が放送 |
2018年 | 『ベルセルク』最新刊40巻が発売 |
2019年 | 全世界累計発行部数4,000万部 原作とプロデュースを務める新連載『ドゥルアンキ』がスタート |
三浦建太郎先生、ありがとうございました
素晴らしい作品を、本当にありがとうございました。