『外れたみんなの頭のネジ』で累計95億PVを達成した人気ホラーマンガ家・洋介犬先生。2021年3月9日、そんな洋介犬先生が描く『世界が滅んだその後で』の最終巻が発売されました。
日本を代表するホラーの名手・稲川淳二氏も「もう読み終わるまで、金縛りだ!」と太鼓判を押す本作のあらすじと最終巻の見どころについて迫ります。
孤独と謎に満ちた世界で
ある日突然世界が滅亡し、目を覚ますと自分以外の人類が亡者(ナキモノ)と呼ばれる怨霊になっていた...。そんな絶望的な世界で唯一の生存者として生きる主人公・ノゾミ。
亡者に生存者であることがバレたらすぐに惨殺されてしまう世界で、ノゾミは生き残るためにこの世界の謎と失った自分の記憶を取り戻そうと奔走します。
その中でノゾミが出会う亡者たちは"生前執着していたものを体現する"という奇妙な習性を持っていました、そして、生前のトラウマを暴かれると自ら消滅してしまうという心の弱さを同時に抱えています。死後も生前に囚われて苦しむ亡者の姿を見て、ノゾミは複雑な心境を抱えながらも徐々にこの世界の成り立ちについて理解していきます。
孤独と謎に満ちた世界でたったひとりの生存者であるノゾミ。ですが、ノゾミ自身も目覚めた時は何故か棺の中におり、記憶以外にも右目と右手を失っているという不気味な雰囲気を漂わせています。
1巻ではそんなノゾミと亡者との交流をブラックユーモアを交えながら描かれていました。
解き明かされる全ての謎、そして真エンディング!
最終巻となる2巻では、この世界の惨状を作り出した元凶である通称「人を滅ぼせし者」から与えられた"亡者の生前のトラウマや執着を見る能力"を使いノゾミが亡者狩りをするところから始まります。1巻よりも過激さを増した展開に冒頭から引き込まれるのは間違いありません。
そして、解き明かされるこの世界の謎とノゾミの秘密...。1巻の時に感じた"主人公が置かれている孤独な環境と謎の多い物語への恐怖"とは異なり"謎が解けたときの背すじが凍るような恐怖"が私たちを襲います。
『世界が滅んだその後で』は、スプラッター要素、心霊要素に加えて風刺要素が凝縮された、まさに洋介犬先生ワールドが炸裂している作品です。
...実は最終巻となる2巻には真エンディングが描き下ろしで収録されています。
「世界が滅んだその後で」、完結第2巻発売!
帯推薦文は稲川淳二御大!
・真エンディングを描き下ろしで単行本のみに収録
・タエの過去が明らかに…タエ編も描き下ろし収録
・アナザーワールド編!「終ワリナキモノ」も完全収録!
Amazonリンクhttps://t.co/oaQdJVAaey pic.twitter.com/zJhQmv8c6u— 洋介犬 (@yohsuken) March 8, 2021
単純なホラーで終わらないところが本作の醍醐味。一筋縄ではいかない『世界が滅んだその後で』のラストを是非単行本で見届けてください。
その世界を望んだのは誰なのか
世界が滅んだその後で...。その世界を望んだのは誰だったのか、そして滅んだその後に何を願うのか?
この鍵を握るのは主人公・ノゾミと1巻に登場するネガイ。これから『世界が滅んだその後で』を読む方はぜひこの2人に注目しながら読んでみてくださいね。