概要
『来世は他人がいい』は、月刊アフタヌーンにて連載中の小西明日翔先生による作品です。極道の家の一人娘である主人公染井吉乃と、その許婚となった深山霧島。2人のスリリングで波乱万丈な恋愛模様を描いた、極道ラブコメサスペンスとなっています。
あらすじ
主人公である染井吉乃は、大阪のヤクザの組長・染井蓮二の孫娘として育てられた女子高生です。ある日ひょんなきっかけから、蓮二の思惑により知り合いの東京のヤクザの家・深山一家へと送り出された吉乃。彼の思惑とは旧知の仲である深山一家の総長、その孫として育てられた深山霧島と吉乃を恋人にし互いを許婚にする、というものでした。
祖父の身勝手(?)な思惑に乗せられ、東京で同い年の霧島と共に生活し始めた吉乃。しかし霧島は温厚で柔和な見た目とは裏腹に、一度キレさせると手の付けられない”本物の極道”のような男だったのです。
彼に勝手に我儘な女として期待されていたあげく、数日で「期待外れの女だった」と興味を無くされた吉乃。舐められた態度に怒りが頂点を超えた吉乃は、彼女もまた「自身の臓器を売る」という極道の娘らしいけじめを付け、霧島に盛大な啖呵を切ったのでした。
彼女の本性を見た霧島はこれまでの態度を一変させ、吉乃にぞっこんになるほど惚れ直してしまいます。何としても吉乃と結婚したい霧島、一方で絶対に霧島と一緒になりたくない吉乃。しかし東京で行動を共にするうちに、2人は様々な裏社会の事件に巻き込まれていくことに。大きすぎる一方通行な霧島の思いに、吉乃が応える日は果たしてくるのでしょうか…?
登場人物紹介
染井吉乃
本作の主人公。関西最大の指定暴力団・桐ケ谷組直系染井組の染井蓮司の孫娘として育てられた少女です。ヤクザの家で育った女子高生ではあるものの、自身は波風立てず普通の一般人として暮らしていきたい、と思っているのですが、なかなか周りがそれを許してくれない状況でもあるようですね。
散々な言われようをする大人びた見た目ではあるものの、普段は基本的にあっけらかんとした関西人らしい人柄の彼女。しかし一度周囲の人間に舐めた態度を取られたり、自身をないがしろにされるような扱いを受けると雰囲気が一転。極道の娘らしい立ち振る舞いを見せることもしばしば。
もちろん恐ろしい相手に対しては、人並みの恐怖心を持つこともある彼女。ですが育ってきた環境が環境の為、様々な裏社会のトラブルの中でも一度腹を括ると非常に肝の据わった姿勢を見せることも。さらに時には普段の彼女からは想像もつかない、霧島でさえも驚くような極道らしさを垣間見せる時もあり、それもまた霧島が彼女に好意を寄せる理由の1つともなっています。
深山霧島
染井吉乃の許婚。関東最大の指定暴力団・砥草組直系深山一家の総長・深山萼に孫のように育てられた男性。年齢は吉乃と同い年。実際は深山萼は本当の祖父ではなく、彼の大叔父に当たります。
温厚で柔和な表情を浮かべる優男のように見えて、その裏で笑顔を崩さず人を殴り殺せるような底知れない恐ろしさを抱えたような男です。吉乃は当初彼に対し、終始何を考えているか読めない男、という恐怖を抱きながら共に過ごしていました。
12歳(小学校6年生)の頃同級生と揉め、相手方にかなり酷い怪我を負わせたことがきっかけで深山一家の元で暮らすようになった様子。彼曰く「行き着くところまで行ったらあの家だっただけ」とのことですが、詳細はいまだ不明となっています。
吉乃には中学生の頃から並々ならぬ関心を抱いていた様子。しかし彼女への気持ちは恋慕ではなく、執着心と紙一重のように思える部分も散見されます。自分の思い通りにならない女が好き、という捻じれた性癖を持っている為、東京に来たばかりで当初猫を被っていた吉乃には数日で飽きてしまっていました。彼の吉乃への思いに関しては、自分のことが好きにならない吉乃が好き、という部分も少なからずあるように思えます。
染井蓮二
関西最大の指定暴力団・桐ケ谷組直系染井組の総長。吉乃の祖父に当たります。吉乃を送り出した深山一家の総長・深山萼とは、若い頃からの旧知の仲である様子。吉乃や自分の組の若手衆に対しては、基本的には非常に気の良い関西人気質な人。しかし時に吉乃や霧島に見せる顔の中には、やはり極道の総長らしい一面も。
深山萼
関東最大の指定暴力団・砥草組直系深山一家の総長。霧島の育て親でもあります。吉乃を育ててきた染井組総長・染井蓮二とは若い頃からの旧知の仲。若い頃の写真には常に蓮二が共に写っており、どうやら相当仲の良い関係だった様子。昔は現在の霧島とそっくりな見た目をしていましたが、現在も切れ長の目をした落ち着きのある端正な見た目の初老の男性となっています。
鳥葦翔馬
吉乃の幼馴染のような存在、現在は大学生。学生の頃から吉乃と共に染井組で兄妹のように育てられてきました。中学生の頃にとあるきっかけでヤクザに喧嘩を売ったのですが、その相手が蓮二だったんだそう。それ以来染井組に引き取られ、吉乃と共に暮らしていました。彼が染井組に来た経緯については、小西先生の作品『二人は底辺』でも知る事ができるようになっています。
同じ屋根の下で暮らしていた吉乃を家族として大事に思っており、吉乃を振り回し様々な事件に巻き込んでいる霧島の事を相当嫌っている様子。吉乃の身を案じながらも彼女の意志を尊重しているので、自分から動くのではなく彼女からの意思や希望があれば何なりと手を貸す、というスタイルで彼吉乃を支えています。
明石潟椿
吉乃の従姉に当たる女性、彼女の1つ年上に当たります。蓮二の愛人の娘の娘らしいですが、女性からの主張の為真偽は不明だそう。元々は京都に住んでいましたが、短期留学から帰国の後、大学入学を機に横浜に引っ越してきました。祖父である蓮二のことが大好きで、彼の見た目や内面全てが理想で完璧な男だと思っている様子。吉乃に対しても従姉、家族として彼女のことを非常に大切に思っています。
いかにもお嬢様風の見た目ながらも、内面は男癖がかなり悪い遊び人。またヤクザと関わりのある女性らしく、初対面の日に霧島の内面を見抜くなど、時に強かで鋭い観察眼を発揮します。現在彼女の父親となっている人は裏社会にも顔が利く民間医療団体の重役で、そのツテから吉乃の臓器を摘出する手助けを行いました。しかしどうやら彼女は手術の際、臓器摘出ではなく血液を致死量ギリギリまで抜くだけに留めた様子。その事については吉乃自身も知らず、とあるきっかけから霧島だけがその事実を知る事となっています。
作品の魅力
この作品の魅力は、なんといってもアクの強いキャラクターたちでしょう。特に大勢の人々が口を揃えて語るのは、主人公の吉乃の格好良さ。彼女の普段のあっけらかんとした関西人らしい一面と、一度腹を括ったが最後容赦なく相手を極道らしく叩き潰そうとする一面のギャップ。その二面性には、多くの人が強く心惹かれるのではないでしょうか。
また一筋縄ではいかない霧島と吉乃の関係性に関しても、多くの人が気になっている部分でしょう。2020年11月現在で最新刊である4巻ではとある事件に巻き込まれたことにより、ついに2人の関係性が大きな転換点を迎えています。いよいよ彼らの恋路から目が離せない展開ともなっていますね。
受賞歴・刊行情報
ほい pic.twitter.com/ENKfYlcA6p— 小西明日翔 (@3Fe2O2Fe3O4) October 11, 2020
2020年11月現在、本作は下記のような賞を受賞しています。
「次にくるマンガ大賞2018」コミックス部門第1位
「このマンガがすごい!2019」オトコ編第8位
「全国書店員が選んだおすすめコミック2019」第11位
また2020年5月段階で累計発行部数は90万部を突破。海外でも好評となっており、韓国版、タイ版、台湾版などが発刊されているそうです。