概要
『D.Gray-man』は星野桂先生によるダークファンタジーマンガ作品。2004年から2009年まで『週刊少年ジャンプ』で連載後、『赤マルジャンプ』を経て『ジャンプスクエア』にて2009年から2013年まで連載。その後約2年半の救済を経て『ジャンプSQ.CROWN』に移籍し、2020年現在は『ジャンプSQ.RISE』にて作品を連載しています。
シリーズ累計発行部数は2020年8月時点で2500万部を突破しました。
あらすじ
物語の舞台となっているのは、仮想19世紀末のヨーロッパ。この世界には機械の死者の魂、そして悲劇を材料に造り出される、悲しき悪性兵器「AKUMA(アクマ)」という生き物が存在していました。彼らを破壊しその魂を救済する者たちとして、唯一AKUMAを破壊できる術である神の結晶「イノセンス」に選ばれた人間、「エクソシスト」。主人公であるアレン・ウォーカーも、そのエクソシストの1人となっています。
悲しき魂をAKUMAへと変貌させる首謀者である千年伯爵。とある目的の為にAKUMAを生み出しながら暗躍する彼に、アレンを含めたエクソシストたち「黒の教団」が立ち向かっていきます。エクソシストとしても絶大な力を持ち、過酷な戦いの中でも活躍を続けるアレン。しかしある日とある事件をきっかけに、彼が敵の黒幕である千年伯爵と深い関わりのある人物であることが明らかとなっていくのです。
登場人物
アレン・ウォーカー
本作の主人公。生まれつき左腕がイノセンスに寄生された異様な見た目をしていたため、実の親に捨てられた少年です。旅芸人のマナ・ウォーカーに拾われ長年共に暮らし、彼を実親のように慕っていましたが、死に際にAKUMAとなってしまった彼を自身のイノセンスで破壊。その際にマナに付けられた左目の傷によって、AKUMAに内蔵された魂が見えるようになっています。AKUMAになった育て親を自らの手で殺め、茫然自失のところを後の師匠となるエクソシスト、クロス・マリアンに拾われました。
白髪と左眼の上に描かれている逆さペンタクルの見た目が特徴的。身体能力も高く、また寄生型のイノセンスを持つためか見た目に似合わずかなりの大食漢です。穏やかな性格をしており、育て親のマナの影響で人と話す際は基本的に敬語を使うのが癖となっています。
リナリー・リー
エクソシストの少女で、黒の教団に入団したばかりの頃のアレンたちと知り合い行動を共にすることとなった人物です。兄は黒の教団室長コムイ・リーで、過剰なまでの過保護な愛情を彼からは受けている様子。幼い頃に親をAKUMAに殺され兄と二人生き残りましたが、適合者であることが判明し自分だけが黒の教団に引き取られ現在まで生き延びてきました。後に入団してきた兄の助手としても働いている、心優しい仲間思いの穏やかな少女です。
真っ黒な美髪を持っていますが、激しい戦いの影響で幾度ものヘアスタイルチェンジが行われています。当初は髪をツインテールにしていましたがのちにベリーショートとなり、その後もボブスタイルや再びツインテールに戻ることも。自身のホームである黒の教団の仲間たちを守りたい、という思いから、エクソシストとして戦いを続けています。
神田ユウ
エクソシストの仲間である青年。初対面時からアレンとは馬が合わず、顔を合わせるたびに口喧嘩をしています。切れ長の目をしており、長く真っ直ぐな黒髪は普段はポニーテール状。クールな外見をしていますが短気でキレやすく、イライラすると舌打ちをする癖があるなど見た目に似合わず荒っぽい挙動も目立つ人物です。
彼の正体は教団内の極秘計画により「第二(セカンド)エクソシスト」の被検体として生み出された存在。それ故に常人にはない程の身体回復能力を持っています。成長するにつれ自身の正体を知ってしまいますが、その中で同じく被検体として生み出された友人・アルマの暴走を止めるべく唯一の友を自らの手で破壊。凄惨な事件の後内部の理解者によって一度教団を脱走、後の師匠となるフロワ・ティエドールの元に匿われます。その後彼の元で修業を積み、神田ユウとして教団に入団しました。
ラビ
アレンと共にエクソシストとして戦いに身を投じる青年。オレンジ~赤色の派手な髪色をしており、タレ眼で瞳の色はグリーン。右目には黒い眼帯をしており、語尾の「〜さ」が特徴的なキャラクターです。明るくノリのよい性格で誰にでもフレンドリーな人物に見えますが、実は非常に頭脳明晰かつドライでシビアな考え方をする一面も。分析力や観察力に長け、一度見たものは隅から隅まで、形・汚れなどを正確に記憶できるという突出した特技を持っています。
というのも彼自身の本当の正体は、ブックマンと呼ばれる歴史の記録者の役割を持つ一族。師匠である現在のブックマンの後継者として、記録のために2人で黒の教団に所属しています。師匠と同様に完全に教団に属しているわけではなく、現在あくまで真の歴史を中立の立場から記録するためにエクソシスト側に居るだけの様子。しかし自身は様々な葛藤から完全な中立としての立場を上手く取れず、それを時々師匠に指摘されることもあるようです。
用語解説
アニメ全話完走!ご視聴いただきありがとうございました。
アニメ公式サイトではキャストの皆さんから届いたコメントを掲載中です。ぜひご覧ください→ https://t.co/lmG02AQ7op #dgrayman pic.twitter.com/XcIq3rX91G— アニメD.Gray-man HALLOW (@dgrayman_anime) October 3, 2016
イノセンス
神の結晶と呼ばれる不思議な力を帯びた謎の物質。この物質の力を様々な形で装備した人物がいわゆるエクソシストとなり、AKUMAやノアの一族を攻撃することが可能となります。とはいえこのイノセンスは誰でも所持できるものではなく、それぞれのイノセンスと人間に相性がある様子。その為イノセンスに選ばれた人間「適合者」のみが、エクソシストとしてAKUMAや千年伯爵と戦える形になっています。
イノセンスから作られる「対アクマ武器」は、大きく「装備型」と「寄生型」の2つ。「装備型」はイノセンスを人為的に加工して製造した武器となっており、エクソシストの大半がこちらの場合です。リナリーの「黒い靴(ダークブーツ)」、ユウの「夢幻」、ラビの「鉄槌」などがこのタイプ。一方で「寄生型」はイノセンスの原石が適合者の肉体の一部となっている状態。アレンの「神ノ道化(クラウン・クラウン)」がこちらに当てはまります。また物語の展開の中で新種である「結晶型」が発生。現在リナリーとユウの両名の武器が、この結晶型に変化しています。
元々世界に散らばっていた物質でしたが、この力を恐れるノアの一族はそれらの全破壊を現在試みている状態です。というのもイノセンスの中には唯一、それら全ての力の源となる「ハート」と呼ばれる特別なものがある状態。千年伯爵側の一番の目論見はそのハートを破壊し、全てのイノセンスの力を失効させることとなっています。
現在これはまだ黒の教団すらも見つけられていませんが、破壊されていないこともまた確かな状態。もしかしたらすでに誰かが適合者となっている可能性もあり、両陣営が血眼になってそれを探している形です。
ノアの一族
人類最古の使徒である、ノアの遺伝子と記憶を受け継ぐ一族。先述のイノセンスとは対極の存在です。一族の筆頭である千年伯爵を含め13人のメンバーで構成されており、家族のような体系を取り暮らしながら7000年近くその魂を受け継いできました。たとえ戦いの中で戦死したとしても、その魂を持った別の人間に生まれ変わることも明らかになっています。ノアとしての身体的特徴は、肌が灰色であることと額に十字架の聖痕が7つあること。
千年伯爵を覗く12人は、それぞれ「快楽(ジョイド」「欲(デザイアス)」「夢(ロード)」といったノアの存在としての名前を持っています。またこれとは別にティキ・ミック、シェリル・キャメロット、ロード・キャメロットといった人間としての名前も存在。普段の彼らは後者の名前を使い、表向きは政治の要人や貴族として人間の生活を送っています。
物語の中で、本来13人であるはずのノアの一族に14人目のイレギュラーが存在することが発覚。その正体ははるか昔に現在千年伯爵を殺し、自らが千年伯爵に成り替わろうとした人物でした。一族の移動手段である方舟を操作できる、選ばれし者にしか与えられない「奏者」の資格も持っている様子。自らに仇なす存在として、千年伯爵はハートと共に彼の行方も追っている状態です。
アニメ情報
2006年から2008年にかけてアニメ第一作が放送。第二作は2016年7月から9月にかけて放送されていました。
作者情報
BSジャパンにて最終夜をご覧いただきありがとうございました。
そして本日23時からはニコニコチャンネルほか、その他サイトでも随時配信となります!詳しくはこちらから→ https://t.co/HGgNuggSKw #dgrayman— アニメD.Gray-man HALLOW (@dgrayman_anime) September 27, 2016
星野桂先生は2002年にデビュー作『zone』で『赤マルジャンプ』に初掲載。その後2004年に『D.Gray-man』の連載を『週刊少年ジャンプ』にて開始。以降掲載誌の移籍や休載を挟みながらも、2020年現在まで連載を続けています。
女性のマンガ家で、ご自身は元々アニメーターとしての仕事をされていた様子。『D.Gray-man』の連載を続けながら、時折アニメに纏わるお仕事にも関わっていたことがありました。
マンガ家としては、『いちご100%』『あねどきっ』『群青にサイレン』などを生み出した河下水希(桃栗みかん)に師事していました。度々発生していた休載は、自身の急病によるものだったそうでした。双子の姉と弟がおり、姉を喜ばせようと自身の絵を描いて見せていたことが、マンガ家としての原点となっています。