さよならミニスカート

牧野あおい / 著

その日、彼女は「女の子」をやめた――。 女子で唯一、スラックスで通学する仁那が抱える秘密とは。衝撃のドラマが幕を開ける。

作品概要

牧野あおい先生による『さよならミニスカート』は、2018年8月3日発売の「りぼん」9月号から連載開始された異色の少女マンガです。異色というのは、女の子にまつわるさまざまな問題提起がなされているからです。

作品内で登場人物が話している言葉は、多かれ少なかれどこかで見聞きしたことがあるのではないでしょうか。

「変質者恐がってるくせになんでそんなスカート短けーの?」

引用元:1巻36ページ

「結局さあー男に媚び売るために履いてるんだろ?スカートなんかさー」

引用元:1巻36ページ

「女使って男釣って儲けてんだから恨み買われて当然だろ。嫌なら最初からアイドルなんてやるなっつーの!」

引用元:1巻51ページ

「ブスに限ってチカン恐いとか騒ぐからさーっ」

引用元:1巻80ページ

「男の人全員疑ってるみたいでなんかヤだな。そんなことするなんて一部の人だけでしょ?(中略)一番悪いのはチカンする人でしょ?」

引用元:1巻85ページ

「このまんがに、無関心な女子はいても、無関係な女子はいない。」というキャッチフレーズと共に公開された特設サイトには「異例」の文字も。青春時代の恋愛が多く描かれる少女マンガの中で、主題となっているテーマが恋愛でない少女マンガは、まさに異例の存在です。

りぼん編集長・相田聡一さんから「この連載は、何があろうと、続けていきます。あなたに届けるために。」というメッセージが添えられています。

かわいい恰好をしたい。好きな服を着たい。女の子たちの葛藤に共感する人も多いのではないでしょうか。

あらすじ

高校1年生の神山仁那(かみやまにな)は髪型もベリーショート、制服ではスカートを履かずに長ズボンを履いていて、まるで男の子のような見た目の不愛想な女の子でした。しかし彼女は、元人気アイドルグループPURE CLUBのセンター・雨宮花恋(あまみやかれん)だったのです。【握手会で突然切りつけられた事件】をきっかけにアイドルを辞めた彼女は、アイドルと同時に「女の子」であることも辞めてしまっていたのです。

男性への恐怖心がぬぐえない仁那は、クラスメイトの男子・光(ひかる)と出会い、少しずつ心を開いていくのでした。

受賞歴

2019年12月「THE BEST MANGA 2020 このマンガを読め!」13位
2020年9月「このマンガがすごい!2020年」1位

掲載誌

🧡👉りぼん公式サイト

🧡👉少年ジャンプ+の公式サイト

作品の魅力

思春期の繊細な時期に、人の目を気にしすぎてしまうことってありませんか。容姿のことで人と比べられてしまったり、服装のことでとやかく言われたり。犯罪は被害に遭う方が悪いのか。本当は思ってたけど言えなかった本音が、エグイくらいに表現されていて、自分で言葉にしなくていいまま、作品が代弁してくれるところが魅力です。

また、可愛い側面だけを見せているアイドルにも仁那のように力強い側面があるように、人の多面性が表現されているところにも惹きつけられます。

登場人物紹介

神山仁那(かみやま にな)

元人気アイドルグループPURE CLUB不動のセンター・雨宮花恋(あまみやかれん)。アイドルを辞めた後は髪を短く切り、高校へはスカートではなくスラックスで通っています。

堀内光(ほりうち ひかる)

柔道部所属で仁那のクラスメイト。柔道の影響で耳を掻いていることが多いです。

長栖未玖(ながす みく)

可愛らしさから男子に大人気。

サラ

PURE CLUBのメンバーで花恋の親友。

山岸美由(やまぎし みゆ)

花恋の後の新センター。ニックネームはミユリン。

辻ちゃん

チカンに遭いやすい気弱で地味な女の子。

堀内六花(ほりうち りっか)

堀内光の妹。学校の担任からセクハラを受けて学校に行けなくなり、引きこもりに。PURE CLUBの大ファン。

名言

「弱ぶって男に守ってもらうようなそんな女と一緒にするな!」

引用元:1巻31ページ

「スカートはあんたらみたいな男のために履いてんじゃねえよ」

引用元:1巻38ページ

「どんなに信頼関係があろうと絶対に力で勝てない相手っていうのは怖えーんだよ。お前が男なかぎり、女はいつも怯えてる」

引用元:1巻138ページ

「人を傷つける奴が居座って傷つけられた方が出ていかなきゃいけないなんておかしいですから」

引用元:2巻50ページ

「お前みたいなのがいるから女子が陰湿になるんだ。陰湿にさせられてるんだ」

引用元:2巻145ページ

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