『アントレース』この展開は追跡不能！ファッションのチーム戦がアツい！

春瀬隼先生著、かっぴー先生原著の『アントレース』は、服づくりに情熱を燃やす若者たちの想いがファッションとして昇華し、チームでブランドをつくり上げていく青春ドラマです。

ファッションの名門・岸服装学園

テーラーの娘として生まれた手代木（てしろぎ）ユウナは、幼なじみの宮部健人（たけと）と共にファッションの名門である岸服装学園に入学。そこで世界的ファッションデザイナー・窪塚嵐の息子であるアキラと出会います。

超絶技巧を持ち、服づくりの知識や技術に長けたユウナでしたが、まだ自分でつくりたい服は見つかっていませんでした。アキラは逆に、知識と技術は未熟な部分がありましたが、追跡不能（アントレース）なデザイン力を持ち合わせていました。二人はお互いを補い合うかのような運命的な出会いを果たします。

ファッション変わると意識も変わる

アキラのデザインの意図を正確に把握し、服にするパタンナーのユウナ。さらに彼らの志がつまった服をウォーキングによって表現するモデルの太郎太杏子（たろうだあんこ）が加わり、彼らは岸服装学園最大のファッションショー、ブラック・ランウェイに挑戦します。

ファッションにまつわる歴史や技術なども散りばめられ、服の魅力や服づくりに関わる人たちの熱量が伝わる本作。ユウナが「服は着る人の魅力を引き出す魔法」と言っているように、着る服によって人の気持ちや振る舞いが大きく変わるとしたら、ファッションは人生を変えてくれる魔法なのかもしれません。

日本初の女性テーラー誕生が話題に

テーラーというのは「仕立て屋」という意味です。オーダーメイドは和製英語で、英語ではテーラーメイドと言い、テーラーはお客様に合わせた衣服を仕立てる職人のことです。2013年に日本初の女性テーラー・勝友美さんがオーダーメイドのスーツ店をオープンしたことが話題になりました。勝さんが代表を務めるRe.muse（レ・ミューズ）は、2018年9月にファッションデザイナーのATSUSHI NAKASHIMAとコラボし、2019SSミラノコレクションにも出展しています。

女性テーラーの繊細な手仕事が高度なデザインを具現化する姿は、まるでユウナとアキラのコラボレーションのようです。

左ききのエレンからあの人物が登場!

本作では広告業界やアート、ファッション分野で活躍する人々を描いた『左ききのエレン』にも出てくる岸アンナも、岸服装学園の学園長として登場しています。

左ききのエレン

現実化したUNTRACE

本作のタイトルにもなっており、ユウナとアキラのブランド名でもある「アントレース」は、『左ききのエレン』に出てくるデザインスタジオの名前「アントレース（UNTRACE）」としても使われています。

さらに実在のデザインスタジオ『UNTRACE』からは、クリエイターやプレイヤーたちのための様々なアイテムを不定期でドロップしています。

UNTRACE

デザインスタジオ『UNTRACE』の デザインレーベル。 日々活躍する様々な業界の クリエイター/プレイヤーたちの ワークツールとして様々なアイテムを 定期的にドロップしていきます。 発売情報は、

untrace.shop

作品を横断しながら、物語が現実にも影響を与えながら広がっていく「アントレース」の活動は、まさに追跡不能です！

服づくりもチームの時代！