あらすじ
天才になれなかった全ての人へー。広告代理店に勤務するデザイナー・朝倉光一を主人公とした物語。突出した才能を持たない光一は、仕事でも中々結果を出せない日々が続く。そんな時に思い出すのが高校時代に出会った圧倒的な絵のセンスを持つ天才「山岸エレン」のことだった。
父を幼くして亡くし、自分の才能を抑えつけて生きてきたエレンと「今」に足掻く光一。本作は、二人がそれぞれの場所で苦しむも互いがもがきながらもそれぞれの居場所を見つけるために戦う物語。
原作者のかっぴー先生は元々広告会社で勤務していた体験を元にしたマンガのため、広告業界のリアルな描写が特徴。物語の時系列は各章ごとにバラバラで、高校編、美大時代編、社会人編とそれぞれスポットが当たるキャラクターも変わり、その巧みな構成で読む者を飽きさせません。
豆知識
原作者のかっぴー先生はWEB制作会社で働いていた際、全社員に配布する日報にマンガを描いていたそう。その中の1つが『左ききのエレン』だったと語っている。
掲載誌
2016年3月24日から2017年9月21日まで『cakes』上にて連載され、同年10月7日からリメイク版(作画:nifuni)が『少年ジャンプ+』にて連載中。
イベント情報
舞台『左ききのエレン 〜横浜のバスキア篇〜』が2020年4月1日〜4月5日まで東京DDD AOYAMA CROSS THEATERで開催。
ドラマ情報
2019年10月より深夜ドラマ枠「ドラマイズム」の作品として毎日放送制作で放送。主演は地上波初主演の神尾楓珠と池田エライザのダブル主演
作品の魅力
天才になれなかった凡人「朝倉光一」の視点から天才達の才能を目の当たりにしながらも立ち上がり戦う姿に共感するもよし、圧倒的な絵の才能を持つ山岸エレンの天才故の葛藤に苛まれつつその才能を爆発させる瞬間に心震わせるもよし。なりたかったもの、なれなかったもの、葛藤を抱えながらも今立っている場所で懸命にもがいている様を描いた、生きていれば誰もがぶち当たる壁に必死で立ち向かう人間達の物語を堪能すべし!
作者情報
原作版作者のかっぴー先生は、1985年神奈川の横浜じゃない田舎生まれ。映画の脚本家やテレビ番組の構成作家に憧れあるも自分が天才では無い事に高校生で気づく。武蔵野美術大学でデザインを学び、2009年卒業後は東急エージェンシーのクリエイティブ職に。アートディレクター・コピーライター・CMプランナーなど天職が見つからぬままアイデアを書き留め2014年に面白法人カヤックへ転職。自己紹介のつもりで日頃思っている事を漫画で描いて社内向けに公開しウケたことが漫画家を目指すきっかけとなる。リメイク版作者のnifuni(にふに)先生は元ジュエリーデザイナー。
かっぴー先生のTwitter:https://twitter.com/nora_ito
nifuni先生のTwitter:https://twitter.com/ni_nifuni