『週刊ヤングジャンプ』にて連載されているソウマトウ先生による『シャドーハウス』。2021年4月からのアニメ化も決定した本作は、その独特な世界観が大きな魅力の作品です。
主人公は明るくてお転婆だけどそそっかしいところのある「生き人形」の少女・エミリコ。彼女がお仕えするのは、全身が真っ黒の「シャドー」の少女、ケイト。2人が生きるシャドー一族の館に纏わる謎を解き明かしていく、ゴシック風ミステリーサスペンスとなっています。
看板に偽りなし!不気味なシャドー一族の謎を解き明かす王道ミステリー
このマンガで何よりも初見の読者の目を引くのは、シャドー一族の真っ黒なルックスでしょう。まるで鏡のように、真っ黒な人物と生き写しの姿形をした少年少女たち。ファンタジー風の作品の絵柄に反して、その様相にかなりの不気味さを感じた方も多いのではないでしょうか。
一方で、ミステリー・サスペンスマンガが好きな方にとってはその描写に大きな魅力を感じた方も多いはず。そしてそんな方々にとってはきっと期待通りであったであろう本作の魅力は、なんといっても物語を読み進めていくことで明らかになるストーリーの舞台設定です。
そのため、物語のさわりとなる1巻だけを読んでも釈然としない、という読者も多いはず。ですがそのまま読み進めていくうちに、少しずつ明らかになっていく物語の全貌。その謎について主人公のエミリコやケイトと一緒になって挑むことが出来る、そんなマンガともなっています。
物語の一番のキーとなる、「生き人形」の存在と「シャドー」に隠された大いなる秘密。どこからどう見ても「普通の人間」のように見える生き人形とは、一体どんな存在なのか?巨大な屋敷の中で暮らす全身が真っ黒なシャドーの一族は、一体なぜこのような姿で、生き人形と共に暮らしているのか?
エミリコとケイトの活躍により、その謎が少しずつ確実に解き明かされていく様は、まさにミステリーマンガの醍醐味と言ってもよいのかもしれません。
生き人形とシャドー…強い絆で結ばれた2人の十人十色の関係性にも注目
またさらに、作品に数多く登場する様々なキャラクターたちの在り方も非常に大きな注目ポイントです。
物語に登場するキャラクターたちが住む屋敷の鉄則、それは生き人形がシャドーの代わりを務める事。つまり生き人形は、状況によっては姿形だけでなく言動や仕草、振る舞いまでも自らが仕えるシャドーに生き写しの存在となることを義務付けられています。
ですが当然ながら、生き人形とシャドーは本来全くの別人。そのため性別や見た目こそ同じであるものの、然るべき場以外での普段の生活の中では、当然それぞれに性格や考え方も異なり、別行動を行うことだってあります。
そのため、実際問題としてシャドーが完全に生き人形を自分の遺志のままに動かすことはできません。またそれと同時に、生き人形もシャドーのことを完全に再現できるわけではないのです。
その中で生まれる、シャドーと生き人形それぞれの葛藤。誰よりも深い絆で繋がったシャドーと生き人形の関係性は時に互いを支え合うこともあれば、それ故に共に険しい道を歩く事になったり、あるいは二度と手を取り合えない深い断絶を両者の間に横たえることも。
生き人形とシャドーの組み合わせの数だけ生まれる、両者の不思議な結びつき。様々なコンビのその絆の形にも、ぜひ注目してみてくださいね。
原作もアニメも見逃せない!物語の謎に迫ろう
日本だけに飽き足らず、海外のマンガ好き・アニメ好きも魅了してやまないゴシックサスペンス『シャドーハウス』。原作の展開はもちろんのこと、待望のアニメも要チェック間違いなしの作品です!