ダブル

野田彩子 / 著

役者マンガ『ダブル』が文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞!


野田彩子先生が描く二人の青年役者の物語『ダブル』文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞しました!

文化庁メディア芸術祭について


文化庁メディア芸術祭とは、文化庁メディア芸術祭実行委員会が主催するメディア芸術作品を扱う祭典です。

アートやエンタメ、アニメ部門など様々な部門があり、野田先生はマンガ部門での入賞となりました。

『ダブル』をはじめ、様々な作品が受賞していますので、是非チェックしてみてください!

登場人物

宝田多家良(たからだたから)

このマンガの主人公。本名で役者として活動している。

社会性や生活能力はまるで無いが、たまたま劇団の芝居を観たことがきっかけで役者を始め頭角を表す。


鴨島友仁(かもしまゆうじん)

多家良の才能に魅了され全力でサポートする役者仲間。

多家良の芝居に惚れ込んでいるが、自身も世界一の役者になり同じ舞台に立ちたいと思っている。

あらすじ

多家良は社会で生きづらさを抱え、生活能力も役作りにおいても同じ劇団の役者仲間である友仁無しでは役者として生きていけない男であった。

そんなある日、多家良に芸能事務所からスカウトが掛かり、友仁の一押しもあり事務所に所属して活動の幅を広げていく。

しかし、友仁と共に役作りや芝居の稽古をして来た多家良にとっては慣れない現場、慣れない仕事仲間達と役を作り演じる状況に一人困惑する。

一方で友仁は多家良の才能をより深く理解して認めているからこそ、自分の手を離れて一人前の役者になって欲しいと願いながらも嫉妬を覚えている。

そんな二人の役者の絶妙な関係と変化を描くヒューマンドラマである。

『ダブル』の魅力

『ダブル』は登場人物が「こういう役者が実際にいるかもしれない」と思わせる程の巧妙で写実的な絵柄で描かれており、読む人を魅了します。

そして本当の芝居の様な台詞の言葉遣いも素晴らしいです。

例えば、多家良のマネージャーを務める芸能事務所の女性・冷田(つめた)が多家良をスカウトした時に口にした


個人(ひと)の輝きを見出したいという欲望が 熱狂を作り出すのです

誰もが個人(ひと)に魅了されたいのです


という言葉。

この台詞を見た時、役者やタレントの存在理由を的確に言語化されていると感動しました。


同じく冷田が多家良の横顔の美しさを評価するモノローグの

横顔を注視する行為は 相手への能動的な働きかけだ

スクリーンで一方的に与えられてもなお

「自分が相手を見つめているのだ」と多くの人は錯覚する

の言葉選びに野田先生のセンスを感じさせます。


多家良や友仁の心理描写もこの雰囲気を持ってして表現されており、二人の関係が今後どうなっていくのか、そして二人が同じ舞台に立つ日が来るのか、私達の目と心を離してくれません。

👉『ダブル』のシリーズページはこちら!

ダブル 1(ヒーローズコミックス ふらっと)
野田彩子/著


現在単行本の1巻が発行されており、2巻が2020年3/14に発売されます。

1話と最新話はふらっとヒーローズの公式WEBサイトで読むことが出来ます。


✍️🏆🎊✍️🏆🎊✍️🏆🎊✍️🏆🎊✍️🏆🎊

現在、ヤングジャンプが40周年を記念して総額1億円の漫画賞を開催中です。デビューするチャンスは誰にでもアル!