『アオアシ』の小林有吾先生の最新作『フェルマーの料理』は、天才的な数学の才能をもつ北田岳が、若き天才シェフ・朝倉海(かい)と出会って料理に目覚めていく学園ドラマです。
遠心分離や液体窒素などの科学技術を駆使した料理のトレンドがキテいる近年、数学的に解析しておいしく料理を創るという視点がおもしろいのです!
数学の世界で挫折を味わう
名門ヴェルス学園に特待生として入学していた北田岳は、国際数学オリンピック選考会の最終日に解答を白紙で提出して選考落ち。名門校の恥として、特待生からも外されてしまいます。
かつてはワクワクしていた数学への情熱をすっかり失ってしまった岳は、学費を稼ぐために学食でアルバイトを始めます。岳が何気なくつくったナポリタンを食べた海は、岳の「料理の才能」に気づき、岳を料理の世界に引き入れます。
海の導きにより、料理のおもしろさに気づき始める岳。岳という素材を的確に調理していくかのような海の導き方が、まるで料理をしているみたいなんです。
味を科学する
「うま味」というのは、「甘味」や「酸味」、「塩味」、「苦味」と合わせて基本味と呼ばれる5つの味の1つです。基本味は、たとえるなら色の三原色みたいなもので、他の味と混ぜ合わせてつくることができません。
「うま味」にはグルタミン酸やイノシン酸などさまざまな成分があります。組み合わせることで「うま味」がアップすることを「うま味の相乗効果」と呼びます。
ちなみに英語でも「うま味」はUMAMIと言います。うま味を発見したのは池田菊苗さんという日本人なんですね!
分子ガストロノミーの世界
近年、分子ガストロノミーと呼ばれる料理を科学的に解析する学問分野が盛んになっているのをご存じでしょうか。1992年にイタリアで科学者と料理人による伝統料理の科学研究会が開かれたのがその先駆けです。
「分子ガストロノミー」の代表店として知られたスペインの三ツ星レストラン「エル・ブリ」。2011年にはドキュメンタリー映画も公開されています。今は世界中にエル・ブリのDNAを引き継いだ料理人達が店を開いています。勿論日本でも!うーん、食べてみたい!
二人の天才の化学反応も見逃せない!数学と料理という切り口で描かれる美食の世界をぜひご堪能ください!
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