『ブルーピリオド』は藝大出身の作者・山口つばさ先生によって描かれる、友情・努力・才能(!)の熱い熱血青春美術マンガです。
作中に出てくる油絵やデッサンは、藝大を卒業した山口つばさ先生の友人・知人でもある、現役美大生や美術予備校生、プロとして活躍している画家の方たちが実際に描いた絵を使っており、本物が持つ力で作品に強いリアリティを与えています。
現在(2021年4月時点)も講談社の「月刊アフタヌーン」にて連載しており、2021年内にアニメ化されることも決定しています。
今回はそんなスクルーカーストの上位にいるヤンキーと美術という珍しい組み合わせから生まれた、『ブルーピリオド』の魅力についてご紹介していきます!
目次
- 遊びも勉強もそつなくこなす不良主人公が出会ったものとは?
- 初心者の八虎が持つ、唯一無二の才能が光る!
- 濃ゆくて頼りになる、主人公を取り巻くキャラクター
- 目標に向かって進む限り悩みが尽きることはない
- 受験当日!でもプレッシャーに押しつぶされて…
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遊びも勉強もそつなくこなす不良主人公が出会ったものとは?
飲酒・喫煙を嗜む不良高校生、矢口八虎。彼はそれまで人付き合いも勉強も、ノルマをこなすように淡々とクリアしてきました。そしてそんな現状にどこか虚しさを感じ、生きている実感のない日々を過ごします。
けれどあるきっかけから美術に触れ、自分の描いた絵を通じて新しい交流が生まれた時「生まれて初めてちゃんと人と会話できた気がした」と、喜びの涙を流す八虎。それは今まで味わったことのない熱や感情が、自分に生まれたことを自覚した瞬間でした。
本作は八虎がそんな自身の変化に戸惑いながらも、周りの友人や先生に支えられ日本屈指の難関美術大学、「藝大」の受験を目指すところから物語が始まります!
初心者の八虎が持つ、唯一無二の才能が光る!
持ち前の要領の良さから、これまでの人生で大きな挫折もなく生きてきた八虎。けれど美術予備校に通い出してから、自身に圧倒的に絵のスキルが足りていないこと、今のままでは藝大に受かる望みがないことを痛感させられます。
そして生まれて初めての挫折から「自分はスタートが遅く、才能もない」と割り切り、周りの何倍も努力する覚悟を決める八虎。それは彼自身に「努力する」才能があることを示唆するものでした…!
自分を客観的に見つめようとする姿勢と、がむしゃらに努力する八虎の姿は、まるで読者である我々を「もっと頑張らねば!」と鼓舞してくれているようです。
濃ゆくて頼りになる、主人公を取り巻くキャラクター
本作には、個性的で魅力的なキャラクターが多く登場します。
八虎を美術部へ誘った、たなびくロングヘアーに学生服を着た女装男子ユカちゃん、絵だけでなく絵を描く人間が大好き!という嗜好を全く隠さない、絵描きフェチの美術予備校の仲間など、様々な美意識・背景を持つキャラが勢揃い!
八虎はそんな周りの友人や先生たちから時に影響され、時に傷つけられ、時に多くを学んでいきます。
それぞれ全く違う境遇や環境で育ち、同じ美術の道を選んだ仲間たちと切磋琢磨して成長していく八虎の姿は必見です!
目標に向かって進む限り悩みが尽きることはない
『ブルーピリオド』の特徴として作中を通して、八虎は常に苦悩しトライ&エラーを続けます。「画力についての悩みが解決したと思ったら、また更に大きな問題に直面して…。」という流れは「強い敵を倒したら、またそれよりさらに強い敵が来る。」といった、王道バトルマンガを彷彿とさせますね。
「自分を励まし応援してくれる仲間はいても、絵を描く時は一人きり」という世界で、八虎は時に激しく感情を吐露し、泣きながらも孤軍奮闘していきます。
そう、この作品は明確な勝ち負けも一緒に戦える仲間もいない、残酷な美術バトルマンガなのです!
受験当日!でもプレッシャーに押しつぶされて…
単行本5巻からは、いよいよ藝大受験編がスタート。ですが、三日間かけて行われる二次試験で八虎はプレッシャーから来るストレスに耐えきれず、試験会場にたどり着く前に倒れてしまいます。
八虎は不調の中で、試験を受けられるのか?藝大受験の合否の結果は?その結末はぜひあなたの目で確かめてみてください。
2021年のアニメ化についてはまだまだ未発表の内容も多く、本作はこれからますます目が離せない作品となってきそうです!
読んだ人の心を揺さぶる、主人公の熱意とパワー!
本記事は、2021年度4月にアルのライターとして加入した新人の皆様の最初の記事をGWに一挙公開する「Golden Rookie Week企画」の一本として掲載されています。ニューカマー達の活躍を今後も見守ってあげて下さい!