ブルーピリオド

山口つばさ/著

新刊情報
最新刊 5巻
2019年06月21日

ブルーピリオド

高校2年の矢口八虎は、酒とタバコ、夜遊びを楽しむ一方で、勉強もしっかり成績優秀…でも虚しさを感じていた
偶然目にした先輩の絵に惹かれ、授業で描き上げた一枚の青い絵が運命を変える。八虎は絵を描くことに夢中に!
東大より倍率の高い、東京藝術大学合格を目指す!努力家が本当に好きなものを見つけて熱中していく様が爽快!

みんなの好きなコマ

コマ画像の投稿は出版社および作者の方から許諾をいただいています

ブルーピリオドの記事

『ブルーピリオド』は問う。あなたは好きなことをして苦しんでいるか?苦楽とは二律背反だ

「楽しいなんて怠慢」そう思いながら、ノルマをクリアするようにテストで上位を取り、人間関係を円滑に運び、どこか空虚な焦燥感を生きる主人公矢口八虎(やぐちやとら)。ある日、1枚の絵に心奪われ、その衝撃が八虎を美術の道へ誘う。目指すは日本一受験倍率が高い東京藝術大学絵画科。これまで持てなかった生きる実感。八虎の人生は今始まった。例えば、ゲームしている時間って楽しいですが、時間を無駄にしたって思っちゃうことってありませんか?そんな時間の無駄と呼ばれるような楽しいこと、好きなことをやり続けた人がその道で生きていくことができます。先程の例えで言うと、e-Sportsなんてその典型ですよね。好きなことを趣味とするから無駄と感じちゃうのかもしれません。好きなことは趣味?そんなこと誰が決めたのでしょうか。好きなことをするなら趣味じゃなく努力にすればいい!先生のこの言葉の直後、八虎は美大を目指すため、美術部への入部を決意をします!絵を描くという好きなことで努力をする道を選んだ八虎。受験に受かるために、努力を重ねるうちに楽しんで絵を描くことを忘れてしまいます。好きなことをするっていつでも楽しいわけじゃありません。時には好きなことで苦しむことが訪れます。八虎はこれまで真面目な上に空気を読んで生きてきたがゆえに、芸術に対しても真面目に空気を読んで取り組みます。しかし、それが裏目に出て、「楽しんじゃう力」「自分勝手力」が足りないと注意され、さらに悩んでしまいます。絵を描くことを楽しめなくなった八虎。そんなとき友人の恋ちゃんにご飯に誘われます。友人の前でも自分をさらけ出すことを避け、周りの話を聞き空気を読んできた八虎。親しい人にこそ自分の弱みをさらけ出すって怖いですよね。友人の恋ちゃんにもその壁を作っていることを指摘され、悩みを吐露。そんな八虎に恋ちゃんはこれまでの努力を肯定する形で励まします。自分の弱みを人に見せるのは恥ずかしいし、滑稽かもしれません。でも、人に話すことで自分の悩みが整理され、自分への新たな気づきがあるかもしれません。何より身近な人の後押しは大きな力になります。悩むことは悪いことじゃない!悩むことから人は成長できます!!どうせなら好きなことをもっと好きに楽しんでやりましょう!一歩踏み出す勇気を与えてくれる『ブルーピリオド』是非ご一読を!

人生の教科書「ブルーピリオド」

こんにちは!この記事では私の大好きなマンガ「ブルーピリオド」について紹介していきたいと思います!この作品の何に私が惹かれているのか、それを端的に言うとかなりの「熱量」とおそらく作者が意識しているであろう「ロジック」の塩梅です。私が読んでいる時の体感としては熱量が8割、ロジックが2割ぐらいかなあという感じなのですが、その2割のロジックの部分に今回は着目して語らせていただきます!※四箇所ほど端的にネタバレしている箇所があります。物語全体の流れからすると些末なシーンではありますが、ネタバレを完全に避けたい方は読むのをご遠慮下さい!この作品を語るにあたって外せないのが二人のメインキャラクターです。私は基本的にはこのマンガをこれから紹介する二人のキャラクターを中心とした群像劇として読んでいます!それでは見ていきましょう。まず主人公が成績優秀で誰とでも仲良くできる器用なヤンキーくんである「矢口八虎」。彼は持ち前の地頭のよさ、圧倒的な努力量、愛嬌の良さで見事に世渡りをしており、社会のレールに意図的に乗ることに成功している。いわゆる「インサイダー」の極みのような人間です。一方この主人公の対になるようなキャラクターとして常に女装をしており、ルックスの良さから生徒からは人気があるが先生たちからは若干疎まれている様子の「鮎川龍二(あゆちゃん)」がいます。他人に気を遣いながら華麗に世渡りをする八虎とは対照的に周囲の目は気にしない。まさに唯我独尊という言葉がしっくりくる「アウトサイダー」の極みとも言えるキャラクターです。王道で行くなら女の子のヒロインを配置するポジションに女装男子を置いているというのがまたアウトサイダー感を加速させています。ここでようやく簡単なあらすじを紹介させてもらうと、先程紹介した通り、社会のレールに乗って生きていた八虎が絵を描くことに喜びを見出し将来性それ程保証されてはいないとされる芸大の中でも最難関と呼ばれる東京芸術大学を目指すマンガなのですが、本質的なテーマがかなり明確です。先程八虎と龍二をそれぞれインサイダーとアウトサイダーとして紹介しましたが、この二人が物語の両極に位置し、インサイダーからアウトサイダーになっていくことへの葛藤や、アウトサイダーであり続けることへの葛藤を発露し、そこに続くように様々なキャラクターの闘いが描かれます。メインキャラクター二人の初期の関係性を象徴するのが次のコマです。ある放課後、美術の授業の際にタバコを美術室に放置していたことに気付いた八虎が回収にくるとそこには大きな絵が一枚置いてあり、八虎は見惚れてしまいます。そこに龍二がやってきて、八虎が忘れていったタバコを差し出して、タバコに関して「付き合いでしか吸わないんだね」と指摘、箱がシワシワな割に中身が減ってないことから見抜いた様子でした。続けて「好きでもないのに付き合いで体悪くするくらいならやめときなよ」「君のこと見てると不安になる」などと言い放ちます。それに対する八虎の反論からはじまるのが上の画像のシーンです。八虎は女装のことを指して「俺も龍二見てると不安になるぜそのカッコー」と皮肉で応戦、ここでのやりとりはまさに二人の関係性を象徴しており、二人の矜持のぶつかり合いだと私は考えています。周りに合わせてタバコを吸うことによって世渡りをするインサイダーの八虎、周りを一切気にせず校内でも女装をしている龍二、この場面では「タバコ」がインサイダーとしての八虎を象徴するアイコンとして、「女装」がアウトサイダーとしての龍二を象徴するアイコンとして機能しています。このやりとり、コマは二人の一番はじめの関係性であり、物語の幕開けです。ここからの二人の関係や二人が何と向き合っていくかの変化、またそれらが周りに及ぼす影響こそがこの作品の物語そのものです。先程、このブリーピリオドは本質的なテーマが明確であることを指摘しましたが、そこには「意味」と「強度」という二つのキーワードがあると私は考えています。ここからはこの二つのキーワードについて考えていきます。社会学者の宮台真司氏は「人生の教科書 [よのなかのルール]」という本の中で人が生の濃密さを表す概念として「意味」と「強度」を挙げています。「意味」とは、例えば高度成長期の日本であればたくさん勉強をしていい大学に入り、就職活動をすれば良い人生を送れるとある程度保証されていました。それは言い換えれば社会が個人に対して「物語」を与えていたとも言えます。そして多くの人がその物語に乗って生きることに価値を見出していました。宮台真司氏はそのような文脈での「物語」のことを「意味」と呼んでいます。一方で「強度」とは先程説明した「意味」とは真逆の概念です。先程の宮台氏の本の中に「ゲームで興奮するのも、スリルやスピードが気持ちいいのも、意味とは関係ありません。ただひたすらに楽しく、気持ちよく、充実しているわけです。」とあるように、簡単に言ってしまえば「今ここ」を充実させようという態度のことで、宮台氏は「体感」と表現しています。近代過渡期には国家主導で人々に「意味」を提示して、それを追求させることが国の成長と結びついていましたし、多くの人もその「物語」を信じていました、しかし近代成熟期に入り近代社会が出来上がってしまえばその「物語」は価値を失ってしまいます。そしてそれはまさに今の日本社会そのものです。そうなった時に相対的に価値を持ち始めるのが「強度」です。宮台氏は「強度」こそがこれからの社会における生の充実の鍵になると指摘していますが、ブルーピリオドというマンガの登場人物、特に主人公の八虎はまさに「意味」や「物語」から「強度」へと向き合おうとしているキャラクターであり、それはこの漫画の姿勢そのものであるとも言えます。龍二にしても同じことで、龍二は女装なんかしなくても顔立ちは良く人気は出るだろうし、無難に人気を取ろうと思えばそれができるだけの器用さを持ち合わせているとも思われますがそのようなことをしません、それは龍二が誰かが用意した「意味」ではなく自身が欲する「強度」を選択したからであると言えます。ロジックに焦点を当てると宣言した通り、ここまで理屈っぽく解説してきましたが、ここからは軽めにわかりやすく私がブルーピリオドを読みながら「ここ強度が出てるな〜」とか「このシーン強度めっちゃ感じるな〜」といったように先程説明した定義通りの「強度」が漫画内で強調されていたり、溢れ出たりしている場面を「強度ポイント」としていくつかさくさくと紹介していこうと思います!ブルーピリオドのはじまりといっても過言ではない場面ですね…絶対に外せないです。ここまでは絵の道に進むかどうかの葛藤があった八虎ですが、そんな八虎がようやく家庭の経済状況など頭によぎる様々な邪念を振り切り絵の道に一歩踏み出す場面です。この前のページでもまだ美大に入れるかどうか「確信が持てなくて」と美術部顧問の先生に不安を吐露し、自分が美大に入れるかどうかを訊ねます。それに対する先生の回答が「わかりません!でも好きなことをする努力家はね最強なんですよ!」というもの。これを聞いた後の八虎のセリフが「明日入部届け持ってきます」からの画像のシーンでした。八虎が確信、つまり継続した努力の先に成功があるか否か、これはつまり言いかえると「意味」があるかどうかが不安だとするのに対し先生は「好きなことをする努力家」そのものが最強であるとキッパリ、言いかえれば「強度」が最強だと言っているのです。ここからの八虎の振り切り感も気持ちよく、これぞ物語のはじまりです。個人的にはこのマンガで一番好きなセリフ、二巻からの引用ですが龍二を象徴するセリフだと思っています。龍二が男にフラれたところを目撃した八虎からの「お前くらい整った顔なら男の格好してと方がモテるだろ」というセリフを受けての重い一言です。普通の格好していても男子からも女子からもモテるであろう龍二、それでも自分が見出した価値観に沿って生きれないならそれは死に等しいという龍二の信念そのものです。少し面白いのは先程の場面のフラれて弱っているところを八虎に目撃された龍二が八虎にタバコを要求する場面があります。今のところ龍二が唯一タバコを吸う場面なのですが私はここで最初の方に挙げたこのシーンを思い出しました。この場面ではタバコは周りとの付き合いや世渡りテクニックの象徴としてのアイテム、つまり「タバコ」=「意味」として扱われていました。その図式を龍二がフラれた場面に当てはめると、タバコを吸う八虎を馬鹿にしていた龍二にあえてここでタバコを吸わせるというのは「自分の信念」=「強度」に忠実に従い、結果敗れて弱った龍二が「意味」に流れてしまいそうになっていることを示唆しているのかなあと思いました。少なくとも作者である山口先生なら意識的にやっていてもおかしくないし、そうやって読むとまた深みが出てきて面白いかなあと思います。どれくらいブルーピリオドが続くかはわかりませんが、「タバコ」はキーアイテムとしてこれからも是非注目していきたいです!ここでようやく八虎、龍二以外のキャラクターを紹介、八虎の目の前にいるのが世田介くん、見た目はかわいらしい男の子でこのマンガにおける唯一明確な「天才キャラ」です。初登場時から突出した才能を周りに見せつけていて、ハ虎にとってもとっつきにくいキャラクターでした。どのマンガや小説でも天才を主人公に対してどういうポジションに置くかはかなり重要で尚且つ難しい問題だと思っていて、例えば主人公のライバルにしてみたり、主人公の師にしてみたり、そもそも主人公が天才だったりとか色々ある訳ですが、いずれにせよパワーバランスを崩しやすかったり葛藤を下手に描けないので置き場に困ります。さて、このブルーピリオドにおいてはどこに置かれているのか、私は「主人公(ハ虎)」「ヒロイン的存在(龍二)」「天才(世田助)」と並べて、完全に並走関係にあると考えています。分かりにくいと思うので詳しく書くと、そもそもハ虎が目指す東京芸術大学油画科は作中でも言及されますが、約1000人の受験者に対し合格者55人と狭き門であり、正直一マンガの登場人物だけで勝った負けたと言っても仕方がないのでライバルとして露骨な競争相手を出す意味もそんなにありません。そんな漫画自体の性質もあり、人物同士の関係性は敵対というよりかは価値観を比較させて相対的に各キャラクターがどのような価値観で生きているのかなどを浮き彫りにさせる触媒のようなものになっているように思われます。そのような観点で見た場合世田介くんはハ虎に対してどのような存在か、それはおそらく龍二に近い存在、ざっくり言ってしまえば彼もアウトサイダーに位置しているのですが、彼の場合は龍二よりも遠くにいます。龍二がハ虎に対して「こちらにおいで」と優しく、ではありませんが手を差し伸べるような存在であるのに対して世田介くんは「こっちには来るな、ここはぼくの聖域なんだ」と言い放ち続けるような存在です。天才の葛藤にも様々な種類がありますが、世田介くんは絵の世界で一番であり続けなくてはならない、孤高で孤独な存在です。友達がいなく遊び方がわからない。とにかく絵の世界で勝ち続けなくてはならない。だから遊びや世渡りと絵を両立できてしまう、ある意味では半端者のハ虎を忌み嫌っています。画像の場面はそんな世田介くんが紆余曲折あってハ虎を大晦日の初詣に呼び出してからのやり取りです。ハ虎が世田介くんになぜ自分を嫌っているのか尋ねると世田介くんは「矢口さんにはわからないと思うよ なんでも持ってる人には 俺には美術しかないから」と答えます。画像のセリフはそんな世田介くんに対して「(美術をやってきた自分にはすごさがわかるから)世田介くんのこと好きだし 腹ん中煮えくり返りそうなくらい嫌なんだ」と複雑な胸中を吐露しています。それに対して世田介くんは「俺も矢口さん見てるとイライラするよ」と返し、それを聞いた八虎は喜びます。なぜ喜ぶのか、それはハ虎が自分は世田介にとって特別な存在に自分はなれたのだと感じたからです。ここでのポイントは世田介くんが「俺も」と言っているところだと私は思います。これまでは「聖域に入ってくる八虎が嫌い」という状況だったのが今度は「(俺も)(美術をやってきた自分にはすごさがわかるから)自分を聖域内で脅かしてくる八虎が嫌い」に明確に変わった、というより自覚したのだと思います。先程も述べましたがこれは単純な勝った負けたの話ではありません、ただこの場面で明確に世田介くんはハ虎を同じく価値観の世界(強度の世界)にいるものとして認めたのです。バトルマンガのような明快なカタルシスはありませんが、静かに拳を握りしめたくなるような気持ち良さがある場面ですね!ハ虎の不良仲間で親友の「恋ちゃん」がパティシエの専門学校への進学を決めたことを八虎に告げる場面です。この時まで八虎は彼がお菓子作りに興味があることを知らなかったので、筋骨隆々な強面の彼からの突然の告白に吹き出してしまいます。実際その場面はコメディタッチで描かれていてネタ感全開です。だからこそページをめくった後にある画像のシーンが胸に迫ります。私自身も今読みながら泣きそうになってます笑。ここでのポイントは二つあります。一つは半分モブのような存在かと思われていた八虎の不良仲間、実際に話が進むにつれて存在感は薄くなっていました。そんな中四巻で突然の告白なので、単純にインパクトが強いですし、全てのキャラクターにきちんとドラマがあるのだという感動があります。もう一つが彼が八虎を見ていて自分もやりたいことをやりたくなったと言っていることです。ハ虎は龍二をはじめとする様々な人間に影響を受けて、美術の世界に足を踏み出します。そんなハ虎が四巻に至って影響を与える側になっているのです。強度の世界で戦い続けていた八虎を表にはそんなに登場せずとも見続けて憧れ、自分もやりたいことをやろうと一歩踏み出す人物がいる。様々な感動が詰め込まれている名シーンだと思います。もうここまで読んだ人にはブルーピリオドを読まない理由の方が少ないはずです。(記事執筆時の2019年7月現在)まだ5巻までしか出ておらず、全巻揃えるのも簡単です。この記事では強度ポイントとして4場面、1巻から4巻よりバランスよく一つずつ好きな場面を抜き出し紹介しました。ここで紹介していない4巻では強度の一歩先の物語が描かれています。是非実際に手に取り確かめてみて欲しいです。最後に、冒頭でこのマンガは熱量が8割ロジックが2割だと紹介しました。私は今回あえてロジックに焦点を当てて、「意味がうんたら〜強度がどうたら〜」と書きましたが笑、本当はそんな読み方をする必要はありません。とにかく山口先生の、登場人物の、関わっているスタッフや協力して絵を提供してくれている方々の熱を感じて欲しいです。この記事を通してブルーピリオドを読んで、突き動かされてくれる人が現れたら本望です。長文、最後まで読んでいただきありがとうございました!!

「ブルーピリオド」。絵の言葉を聞け! 人は表現で繋がっている。

人を惹きつける”魅力”の本質に近づける、美術の世界に魅了された主人公・矢口八虎の成長と発見の繰り返しの物語。美大藝大を一度は目指したあなたに、辿り着いたあなたに、八虎と同じ”今”のあなたに、卒業してなお美術の本質を求め続ける永遠のあなたに。そして知らない世界を爛々としたまなこで見る、知的好奇心が溢れ出しているすべてのあなたに!読んで欲しい!!人に合わせて生きてきた。人の言葉に逆らわず相槌を打ってきた。渋谷の夜、いつもの様に仲間と遊び騒ぎ飲み笑う。高校2年生、金髪の少年・矢口八虎はそうして生きてきた。要領と愛嬌で漂う高校生活が、ある出会いを切っ掛けに変貌していく。ある日、偶然目にした先輩の油絵に引き込まれそうになる八虎。絵の魅力とは何だ?その絵は、何を言いたいのか?…!山口つばさ先生は、今をときめく新海誠監督の初期作品「彼女と彼女の猫」のコミカライズでデビュー。続く本作「ブルーピリオド」はマンガ大賞2019にて第3位、このマンガがすごい2019 オトコ編で4位を獲得、新しい切り口の作品にも係わらず熱い支持を集めています。先生は主人公・矢口八虎が目指す東京藝術大学卒業で、もちろんその経験から語られる物語は臨場感に満ちています。先日ご結婚され、招待客70名分の似顔絵と、その皆さんの紹介を兼ねたゲームソフトをご夫婦で作ってしまった山口つばさ先生。https://twitter.com/28_3/status/1105099393944829953ご結婚おめでとうございます!絵に描ける情熱、最高です!表現とはコミュニケーション。言語だけでは伝わらなかったものを伝えるもう一つの言葉。そこに込められた意思が人に伝わること=ならば音楽も、映画も、ゲームも、そして勿論「絵」も。人の心を現す表現手段はすべてコミュニケーションなのです。それを通じてあらゆる人々と、世界の見知らぬ何処かの人とも会話が出来きる。そうやって表現者の意思は伝わり世界へ拡散していきます。八虎は東京藝大入試を通じ、その力を芸術の中に見つけていきます。本作の中で語られるのは「伝えること」の大切さです。さしたる目標もなく、大学の進学先に「ちゃんとしたとこ」を選ぼうとしたり、家庭事情に忖度して「学費が安いとこ」で考えていた八虎が、何かに心を突き動かされ想いが膨らみ初めて夢を持った時、その夢を母親に「伝える」為に必要なものは母親の絵を描くことでした。描かなければ気づけなかったとこがあって、描いたからこそ伝わる気持ちが生まれのです(第2巻35頁〜)。絵にして、気持ちにして、言葉にして。伝えようとしなければ伝わりません。知ろうとしなければずっと知らないままだったのです。予備校の世田介からは常に言われっぱなしだった八虎(第2巻110頁〜)が、絵に出会い世界を見る目が変化したと自覚した時、自分の気持ちを世田介に対して正直に言います(第3巻176頁〜)。それは初めての意思表示であり世田介に向けてのライバル宣言でした。成長したからこそ出せる言葉。絵を描いていたこそ実感出来た自分の変化。その変化に背中を押された言葉です。八虎が絵の世界を選んだことを見て、恋ちゃんも一度は諦めていた道を選ぶことを告白します(第4巻92頁)。親友同士だから言えること、ぶつけられること。涙さえも言葉になって、気持ちのキャッチボールが心地よい素晴らしい展開です。手段は様々。でも伝える意思は勇気で、伝えることは進む為に不可欠なステップです。鉛筆は宗教戦争なので、それぞれこだわりのメーカーがあるものの、削り方はこれ一択。(木炭デッサンでは)ケシゴム代わりに食パンを使う、お腹が減ったら食パンを食べる、なんてのも都市伝説ではなくアルアルな光景です。美大藝大の学園祭の賑やかさは異常!どこかのブランド?と見間違えるようなハンドメイドのファッション雑貨の販売から、この晴れの舞台を目指して制作された作品の数々。学生ならではの微妙に稚拙な展示から、これもう完全にプロ裸足と思ってしまう素晴らしい展示物まで。学園祭には学生や一般人に交じって青田買いのバイヤーやギャラリーの方もやってきて、これぞという作品にレターを残していきます。それを鑑賞の一つの目安にするのも手ですね!何かをしたくなる。何かを伝えたくなる。自分の中に眠っている何かが目を醒ます、そんな青春の物語。戦う相手は自分自身。もう一度、大学生活の一歩手前に戻れたら…!

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