『ボーイズ・ラン・ザ・ライオット』はトランスジェンダーの主人公がありのままをぶつけられる相棒との出会をきっかけに、自分自身に立ち向かう物語です。
本作は『明るい』で「第77回ちばてつや賞ヤング部門・優秀新人賞」を受賞された作者の学慶人（がくけいと）先生の連載デビュー作です。
この記事では、あなたがあなたである事を支えてくれるような作品、『ボーイズ・ラン・ザ・ライオット』の魅力をお伝えします！
あらすじ
ファッションで自分を表現する高校生・凌（りょう）。生まれもった女性の身体にあわせてふるまっていますが、頭の中は男性です。性の不一致に悩むも、まわりの反応を怖れて本音を隠しつづけていました。
あるとき、お気にいりのショップで偶然出会ったクラスメイトの迅（じん）と意気投合し、アパレルブランドを立ち上げることに。
己を貫いて生きる迅や仲間たちと心を燃やすことで、凌はありのままで生きることを選んでいきます！
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「プライド売らねーで何を売る！！」迅、会議で吠える！さあ、ブランドも次のステージへ…。https://t.co/0LiIzgos9t#ヤンマガWeb #ボーイズランザライオット pic.twitter.com/2SfEVhI3f7— ヤンマガWeb (@yanmagaweb) July 17, 2020
ご自身もトランスジェンダーであることを公表されている学慶人先生によって当事者の痛みと救いがリアルに描かれます。
ひとりではふみ出せなかった一歩
ブランドを立ち上げようと計画する凌と迅。夢中になって準備をする迅に対し、凌は周りの反応が気になってコソコソしてしまい集中できずにいました。
そんなとき、迅は大勢の前でピエロになってみせ、凌にこう声をかけます。
恥知らずな方が100倍自由だぜ
過去のキズついた経験から出る杭になりたくなくて自分のことしか見えていなかった凌。そんな彼を認めたうえで、世界はこんなにもおもしろいぞ！と教えてくれるのはいつも仲間たちです。
俺らの服で革命を起こす！
あたり前を脱ぎすててあなたらしく生きていい。そんな想いをこめた凌たちのブランド「BOYS・RUN・THE・RIOT」。
自分の意見を堂々と叫ぶ方法もありますよね。しかし、その強さは誰もが持っているわけではないはずです。
仲間と一緒につくった服に想いをのせる。それが口下手な凌が選んだ自己表現の方法でした。服（言葉）で革命を起こし、ありふれた決めつけをぶっ壊す！
本音をぶつけられる仲間と支えあい自分自身に立ち向かう凌に胸がアツくなります。
『ボーイズ・ラン・ザ・ライオット』男子用の制服で現れた凌。本当の自分を告白すべくON STAGE！！https://t.co/0LiIzgos9t#ヤンマガWeb #ボーイズランザライオット pic.twitter.com/m2NLuEscli— ヤンマガWeb (@yanmagaweb) July 10, 2020
これはわたしたちの物語
誰もが持っているであろう心の弱さ。その弱さに立ち向かう凌の姿が本作の魅力のひとつです。
自分にフォーカスしすぎて他人を遠ざけ、殻に閉じこもったりしまうことありますよね。わかってはいても、なかなかひとりでは抜け出せないものです。
だからこそ環境から刺激をもらい前を向こうとする凌。そんな彼の物語はジェンダーに関わらず生きにくさを感じたことがある人々に届くはず。
自分をあきらめず、ほんのちょっと視線をかえたなら世界が色づき始めるかもしれません。
本作は4巻で完結を迎えています。ぜひ、彼らの物語にふれてみてください！
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