謎解きのあるマンガってワクワクしますよね!タイトルでは『ミステリと言う勿れ』と否定していますが、このマンガは文句なくミステリ、しかも極上のミステリです。友達がいない大学生が、何気ない会話を重ねて核心に迫り、冤罪やバスジャック、相続事件といった謎を解いていきます。『このマンガがすごい!2019』オンナ編第2位。
主人公「久能整(くのうととのう)」とは?
整くんは一人暮らしをする大学生。好きなものはカレーで、ひどい天然パーマに悩まされています。友達も彼女もいません。彼がすごいのは記憶力と観察力。
冤罪事件に巻き込まれ警察に拘留される彼。友達がいないので証人や味方はいないし、外出も不可能。そんな「密室」で、刑事との会話やちょっとしたやり取りから情報を収集し、自らの無罪を証明していきます。ある日シワシワのシャツと汚れた靴でやってきた新婚刑事から見抜いたのは奥さんの不機嫌。出勤時のゴミ捨てで家事を手伝っているつもりになっている刑事に「ゴミ捨ては家中のゴミを集めるところから始まる」と、妊娠中の奥さんの見えない働きを伝え、家庭の不和を防ぎます。(主婦である友人が「私の言いたいことが全部書いてある…」と漏らしていました。)
友達がいない彼は冷たい人間かと思いきや、何気ない日々の違和感を流さず、ちゃんと言葉にして交わし、伝えていく人なのです。そして読み進めていくうちに、彼も「何か」を抱えていることが明らかになってきました。彼自身の謎も気になります!
回収され、張り巡らされる伏線
最初の事件のせいで刑事と縁ができてしまった整くん。でもこのおかげで今後巻き込まれる事件で警察と連携できるようになります。その後巻き込まれる事件も、次の事件に繋がっていたり、整くんの過去をほのめかしたりします。過去の伏線を回収し一つひとつの事件が解き明かされていきますが、必ず次の謎への伏線が張られています。謎解きの快感と新たな謎への好奇心を一度味わったら、もう逃れることはできません!
名作揃い!田村由美先生を読め!
「爆弾犯はなぜ予告した時刻通りに爆発させるのか」といった素朴な疑問や、言葉にならないモヤモヤを細やかに拾ってエピソードに盛り込む田村由美先生。一方で、桁違いにデカい世界観で展開する『BASARA』と『7SEEDS』という超名作も生み出しています。『ミステリと言う勿れ』が気に入ったらぜひこちらもどうぞ!!!!!
5巻発売はTV CMも!
田村由美先生ブログ:『ミステリと言う勿れ』テレビCMが!