亜人ちゃんは語りたい

ペトス / 著

僕らと少しだけ違う「亜人」、最近では「デミ」と呼ばれています。(demi-humanから来てるらしい)。キュートな悩みがあるのです。規格外新人ペトスが描く、とびきりカワイイハイスクール亜人コメディ!

作品概要

『亜人ちゃんは語りたい』は講談社『ヤングマガジンサード』にて連載中の、ペトス先生による作品です。普通の人間とは違う「亜人」(デミ)と呼ばれる人種の女子高生たちと、彼女らの生態に興味を持つ先生。彼らの賑やかな学生生活を描いた、学園コメディマンガとなっています。これまでに第2回次にくるマンガ大賞(コミックス部門)で2位を獲得、2020年11月時点で累計発行部数も220万部を突破しています。

あらすじ

亜人ちゃんは語りたい

この物語の主人公は、とある高校の生物教師・高橋鉄男。大学時代から「亜人」と呼ばれる人種に興味を持ち、彼らのことをもっと知りたいと思っていた彼。しかし倫理上の問題からも、彼が研究者として亜人のことを調査する夢は終ぞ叶わないままに終わってしまいました。

元々亜人は世界でもかなり希少な人種。これまで人生で一度も彼らに出会う事もなく、このまま亜人とは無縁の生活を送ると思っていた高橋先生。しかし彼が現在籍する高校で迎えた4年目の春、なんと新入生に一気に3人もの亜人が入学してくる事態に。さらに新しく高校に赴任した新人教師も亜人で、彼の周りは一気に数人の亜人で騒がしくなるのでした。亜人に興味を持つ先生と、そんな彼を取り巻く亜人たち。最近は若者から「デミ」とも呼ばれる彼女たちと先生の賑やかな学生生活が、今幕を開けることとなるのです。

「亜人」(デミ)って一体どんな存在?

亜人ちゃんは語りたい

「亜人」とは、デュラハンや雪女、バンパイアなど、古来の妖怪や怪物に似た性質を持つ特殊な人種のことを総称して呼ぶ言葉です。この世界に絶対数は少ないものの、確かに存在する人々ともなっています。普通の人間とはどうしても性質が異なるため、昔はそれが彼らへの迫害の引き金にもなっていました。

しかし現代ではその性質の違いも個性の1つとして認められるようになり、性質によっては日常生活が不利になる彼らへの保証制度も充実するに至っています。現代ではそんな亜人たちのことを、英語のdemi-humanから取って「デミ」と呼ぶ若者も増えています。本項目では今作に登場する亜人ちゃんたちの特性を、いくつかご紹介致しましょう。

バンパイア

皆さんご存知吸血鬼の亜人。対象人物は小鳥遊ひかり。本来のバンパイアと同じように吸血欲求はあるものの、国から月1で支給される血液パックで満たされる程度の飢えしか持ちません。食事は基本的に他の人間と全く同じものを取るし、彼女の場合はバンパイアでありながらもニンニクが大好き。またレバーやトマトジュースが大好きという点も、確かに吸血鬼らしいものがあります。

彼女の場合他にそれらしい点と言えば、直射日光に弱くあまり長く日に当たるのを好まない部分や、たまに口寂しくなると親しい人間の腕を本人曰く「がじがじ」したくなることぐらいでしょうか。十字架にも鏡にも抵抗はなく、普通の人間よりやや貧血気味になりやすいぐらいの、一見至って普通の女子高生に近い存在ともなっています。

デュラハン

アイルランドの伝承に伝わる首のない騎士に近い特徴を持つ亜人。対象人物は町京子。世界に3人しかいないと言われ、亜人の中でもさらに希少な存在でもあります。頭と胴体が常に分かれてしまっており、胴体の首の辺りは炎のような物質を纏っています。頭部は基本本人が抱えた状態で日々生活をしていますが、ある程度身体と頭が引き離されてしまっても大丈夫な様子。彼女の場合、最長で東京~岡山間の距離を引き離されても無事だったため、日常生活の中ではその便利さを生かした行動を度々とっているようです(頭だけをリビングに残し、テレビを見ながら身体だけでお風呂のお湯を止めにいく等)。

雪女

日本の言い伝えで古くから存在を語られている雪女の亜人。対象人物は日下部雪。本来の存在と同じく直射日光や暑さにめっぽう弱く、物語の冒頭で彼女は体育の時間に屋外で倒れ保健室へと運ばれていました。またストレスを感じると、身体から冷気や氷の涙、汗が出る事も。作中では雪は自身の雪女としての能力の全てを把握しきれておらず、自身の冷気で人を傷つけるのではないか、と当初は他者と関わる事に臆病な性格をしていました。

サキュバス

ヨーロッパで古来より伝承に残る、淫魔、夢魔とも呼ばれる存在の亜人。対象人物は佐藤早紀絵。伝承の存在と同じように相手を誘淫してしまう特性を持ち、彼女の場合はその力が人よりかなり強い様子。そのため早紀絵は力が表出しないよう、酷く地味で色気のない格好をしたりと心身共にかなりの自制をしています。しかし彼女自身が無意識になる睡眠時はその抑えが効かない為、サキュバスとしての能力が無差別に働いてしまうそう。それもあり街中では暮らせない、などのアドバンテージがありながらも、早紀絵は通常の人間と同じように暮らしたい、と生活をしている状態です。

またサキュバスに関しては亜人の中でも例外的に、性質上どうしても他者に危害を与えやすい存在。そういった理由もあり警察の亜人課の刑事である宇垣とは、彼女が学生の頃からの顔なじみです。もっとも早紀絵には基本的に人を傷つける意思がないため2人の仲は良好で、彼女は宇垣のことを父親のように慕っています。

登場人物紹介

高橋鉄夫

亜人ちゃんは語りたい

本作の主人公で生物の教師。大学時代から亜人の存在に興味を持ち彼らを調査したいと思っていたが、倫理上の問題から教授らに渋られその希望は最後まで叶いませんでした。教師となり生徒や同僚の亜人と関わるようになってからは、元々亜人という存在に向いていた好奇心を上手に利用して、彼女らの理解者たらんと日々努力や調査を独り続けています。

大柄な体躯ながらも朴訥な雰囲気を持ち、基本的には誰とでもにこやかに接する穏やかな性格をした人物。亜人の性質と上手く折り合いをつけ生きようとしつつも、時折それが上手くできない周囲の亜人たちへ寄り添うように助言を送る事もしばしば。彼女らに対して大きな興味を持ちながらそれ以上に愛を持った接し方に、亜人たちも彼に深い親しみを見せる関係となっています。

小鳥遊ひかり

亜人ちゃんは語りたい

バンパイアの亜人体質を持つ高校1年生の女子高生。明るく人懐っこい性格で、初対面の相手でも物怖じせず話しかけるタイプの人物です。成績はあまり良くなく、度々赤点をとっては教師陣(主に高橋先生)に呆れられている様子。恋愛に関しても知識は豊富なものの経験は一切なく、ある程度の線引きの話題を超えるととたんに恥じらいを見せるようになるようです。小鳥遊ひまりという亜人体質を持たないしっかり者の双子の妹がおり、いつもお調子者のひかりの世話をひまりが焼く、と言った形で2人の仲は非常に良好となっています。

町京子

亜人ちゃんは語りたい

デュラハンの亜人体質を持つ女子生徒。ひかりのクラスメイトであり、入学当初明らかに人外の見た目をした彼女に、唯一物怖じせず話しかけたり絡んでくれたのがひかりだったそう。彼女を通じて高橋先生にも関わるようになり、次第に彼に惹かれていくようになります。

幼い頃から頭部を抱き締めてもらうのが好きで、理由はその行為に酷く安心感を覚えるから、とのこと。また非常に頭の良い秀才で、高橋先生から大学時代の亜人の研究の話を聞いた際、亜人である自分自身が研究者となって亜人を研究する夢を持つようになりました。それ以降目標に向けて、より一層勉学に励んでいるようです。

日下部雪

亜人ちゃんは語りたい

雪女の亜人体質を持つ女子生徒、高校1年生。入学当初は上記のように誰かと関わる事に酷く怯えた性格をしていましたが、ひかりや京子と仲良くなった事で少しずつ明るい性格へと変わっていきます。おっとりした優しい性格の持ち主で2人にもとても懐かれているのですが、この人たらしとも言える性質は雪女由来のものでは、と高橋先生は予測しているようです。

佐藤早紀絵

亜人ちゃんは語りたい

亜人ちゃん3人が入学してきた年の初年度に、同じく高橋先生のいる高校へと赴任してきた女性の数学教師。サキュバスの亜人体質を持ち、その力を表に出さないよう、普段はひっつめの髪形に眼鏡、ジャージという色気とは無縁の服装をわざとしています。

その特異体質のせいで人から向けられる好意を基本的には偽物だと思っており、恋愛経験はゼロ。しかし皆と過ごす中で、サキュバスとしての性質も含めて自分を肯定してくれた高橋先生に次第に惹かれていくようになります。周囲を誘淫しないよう田舎のボロい一軒家に独り暮らしで、週末は夜な夜な独りで晩酌を楽しんでいます。

メディアミックス情報

本作は2017年1月から3月までテレビアニメも放映されていました。またスピンオフ作品として、ペトス先生監修、橋本カヱ先生原作・本多創先生作画の『オカルトちゃんは語れない』が同誌にて連載されています。高橋先生の姪である女子大生の高橋陽子を主人公に、本作でも登場した亜人たちや初登場となる亜人たちとの日常を描いた作品となっています。

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