人間ってどこかで、自分と他人を比べてしまいますよね。人の成功を羨んだり、人と比べて安心したり。そんなことを繰り返す内に、いつしか自分を見失ってしまうことありませんか？そもそも「自分らしさ」とは一体なにを指しているのでしょう。
そんな人との違いに悩んだ経験のある人に読んで欲しい作品が『亜人ちゃんは語りたい』です！
『亜人ちゃんは語りたい』はぺトス先生がヤングマガジンサードで連載中のハイスクール亜人コメディで、2017年にテレビアニメ化もされた人気作品。アニメも最高にキュートな仕上がりです！
作品概要
舞台は「亜人」と呼ばれる特別な性質を持つ人間が存在する現代社会。「デュラハン」に「雪女」に「サキュバス」そして「バンパイア」。彼ら亜人は絶対数は少ないものの、存在自体は当たり前に認められており、国によって個別の生活保障も行われています。
『亜人ちゃんは語りたい』は、そんな珍しい亜人ちゃんがたまたま3人集まった高校を舞台に、亜人に興味津々の生物教師・高橋鉄男と亜人ちゃんたちが語り合いながら、お互いに成長していく学園物語です。
この作品は読むと、キュートな亜人ちゃんたちの悩み相談を楽しみながらも、多くの人が悩みがちな「自分らしさ」について自然と考えさせられます。
あ、ちなみに「亜人」と書いて「デミ」と読みます。理由は可愛いから！（バンパイアのひかり談）
デュラハンは髪を伸ばせない！？亜人ちゃんの不思議な「当たり前の日常」
登場する3人の亜人ちゃんをカンタンに紹介！
たまーに噛みつきたい衝動がうずいちゃうバンパイアの亜人ちゃん・小鳥遊ひかり
普段から頭を抱えて生活するデュラハンの亜人ちゃん・町京子
体温が低く、氷の涙を流す雪女の亜人ちゃん・日下部雪
普通の人と生活の前提条件が異なる亜人ちゃんたちの日常は、周りから見ると未知のものであり、時には敬遠されてしまうこともあります。
そんな特殊な境遇にありながらも、目の前の問題を前向きに経験と創意工夫で乗り越える亜人ちゃんたちの姿に、思わず笑わされて、なぜか自分も励まされてしまいます。
この作品を読まなければ、デュラハンが髪を伸ばせないなんて一生知らなかったでしょう。
生物教師・高橋の亜人考察がするどおもしろい
亜人ちゃんたちの話し相手は生物担当の高橋先生。彼は大学時代に卒業論文で亜人について研究しようとするほど亜人に興味津々。ですがこれまでの人生で亜人と出会う事ができずにいました。そんな先生にとって存在自体が珍しい亜人ちゃんたちとの会話は、楽しいひと時であり最高の研究材料でもあります。
バンパイアが夜でも目がいい理由
デュラハンが流れる川の上を渡れない理由
雪女の伝承に物悲しい話ばかりである理由
先生は相談を通じて得た亜人ちゃんのリアルな体験や経験をベースに、先生自身が調べた伝承や逸話と照らし合わせることで、時に亜人ちゃん本人ですら考えたこともない独自の考察を導き出します。
その考察は亜人ちゃんがずっと悩んできた体質の捉え方を変えて、抱える不安を軽くすることも！
多感な時期×マイノリティーのW悩みを乗り越えるため
この世界では「亜人」の体質が、遺伝ではなく突然変異によって生じる事が多いんです。
つまり、亜人ちゃんは家族とでさえ体質の悩みを100%共有することはできません。そのため亜人ちゃんは社会生活を送る中で、その悩みを人に相談できずに抱え込んでしまうことがあります。
ましてや彼女らは多感な女子高生です。ただ学校生活を送るだけでも、多くのことに悩みがちな難しい時期。たとえその悩みが誰にでも起こり得る人間トラブルだとしても、亜人ちゃんはその原因を自らの体質のせいだと思い込み、塞ぎ込んでしまうこともあります。
これを解決するためには信頼できる人との対話、つまり語り合うしかありません。そこで大切なのは誰と語り合うか。悩める亜人ちゃんと対峙する先生が考える「らしさ」についての考え方が作中にて以下のように語られます。
らしさは生まれ持った「性質」ではない 「性質」をふまえてどう生きるかだ。
しっかりとした考えを持った先生のような大人が周りにいることは、亜人ちゃんのようなマイノリティーの存在にとって希望であり、救いです。
人が持つそれぞれの悩みに対して、必ず解決できる方法はありません。それでも信頼できる人と語り合うことは、自分の視野を広げてくれ、悩みを小さくする糸口になるはずです。そしてそれはきっと、亜人のいない私たちの世界でも、同じことだと思います。
アナタも是非この機会に、亜人ちゃんたちのキュートなやりとりに癒されながら、高橋先生の優しく深い懐に飛び込んでみませんか？
