働かないふたり

吉田覚 / 著

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『働かないふたり』心優しいニートの兄妹が送る月間120万PVを獲得したギャグストーリー

ニートや引きこもりと聞くとどのような人達を連想するでしょうか?ニートの存在は社会問題にもなっており、どちらかと言うとマイナスな印象が強いかもしれません。

しかし『働かないふたり』では、ニートである主人公達のことを周りの人が責めたり悪く言ったりしません。それどころか地域の人達に非常に愛されています。

ストレスによる不眠や高齢化に伴う孤独、若い世代の子育てなど社会で抱えがちな問題を、ニートである主人公達の存在によって周りの人々が救われていく様子がオススメです。

対照的なニートの兄妹

兄である石井守は、古本屋で常連として顔を覚えられるほどの本好き。ニートでありつつも漫画賞を取れるほどの技術を持っていたり、旅先で知らない人とすぐに打ち解けることができるなど非常に多才な人です。

働かないふたり

逆に妹である春子は対人恐怖症で、初対面の人の前だと逃げて隠れてしまいますが、優しい性格で人を傷つけるようなことは言いません。

守は幼い頃に親とした「妹のことを守る」という約束を守り続けていて、春子のために深夜に料理を作ったり、春子の友達がピンチの時は一緒に駆けつけたりします。読んでいると「こんなお兄ちゃんが欲しい!」という気持ちにさせられます。

個性愉快な登場人物たち

2021年8月6日には最新第23巻が発売される人気作で登場人物は非常に多いのですが、特に筆者が好きなのは守と春子の向かいの家に住んでいるOLの倉木さんです。

働かないふたり

倉木さんは不眠症に悩まされていましたが、ニートのため深夜になっても楽しそうに起きている兄妹の様子を窓から見て、心が癒されるようになり毎晩眠れるようになったという少しストーカーみたいな側面を持つキャラクターです。

働かないふたり

眠れなくて心細い静かな夜に、誰かが一緒に起きているというのは意外と心強く感じるものです。実際に自分自身も不眠症を患っていた時に、このマンガを読んだのですが倉木さんには強く共感できました。

誰も傷つかない優しい世界

この作品には社会に上手く溶け込めない人達が多く登場します。退職してから自分の居場所を見つけられない男性、子供が離れて暮らす一人暮らしの高齢者、整形して地元に帰れなくなっていたキャバ嬢…。

守と春子が架け橋となって地域での居場所を与えたり、心の確執を無くしていったりするのですがその優しい姿に心が癒されます。あくまでもギャグマンガなので、泣かせるような感動的なシーンもコミカルに描いていて読みやすいという点もオススメです。

働かないふたり

日常に疲れた人に読んで欲しい!

自分と同じ悩みを持つ登場人物に共感するのも良し、ニートの兄妹のやり取りに癒されるのも良しと広く楽しめます。1話ごとが短いので、通勤や通学などの隙間時間にも読みやすい長さです。

特に日常生活に疲れたという方には是非読んで癒されて欲しいです。普段頑張りすぎている肩の力がスッと抜けるような感覚になります。ゆるく生きることの大切さを学べます作品です。

優しい世界へあなたも

働かないふたり (全23巻) Kindle版