少年ジャンプ+で隔週月曜更新で連載中の『SPY×FAMILY』。コメディとして完成された展開とアクションの爽快さ、そしてキャラクターの生き生きとした表情など、まさに令和の新定番マンガというにふさわしい作品です!
そんな遠藤達哉先生の源流と言える『四方遊戯』をご存じでしょうか?
『SPY×FAMILY』で描かれるキャラクター、物語の原点を今一度本作から発見していきましょう。
『SPY×FAMILY』につながる凛とした女性の強さ、軽妙なセリフ回し
『四方遊戯』にはストーリーキングを受賞したデビュー作『西部遊戯』、後にジャンプSQでの連載になる『月華美刃』、魔女狩りと魔女のコンビを描いた『WITCH CRAZE』、西部遊戯のプロットに設定やキャラを改変した『PMG-0』と『四方遊戯』の文字通り4作品が収録されています。
どの作品も特に女性がしなやかで凛として強く描かれており、そういった点がヨルさんをはじめとした『SPY×FAMILY』の魅力的な女性陣を思わせます。
※参考『SPY×FAMILY』より凛とした強さを持つヨルさん
またオシャレでユーモア溢れるセリフやカット割りが、コメディタッチな作品としてドンピシャにハマったのが『SPY×FAMILY』なんだと納得する初期作品群となっています。
※参考『SPY×FAMILY』より手榴弾の安全ピンを指輪に見立てるおしゃれ演出
主人公エレナの強さに痺れる!ハードボイルドな西部劇!
今回は、そんな4作品の中からデビュー作の『西部遊戯』についてご紹介します。
実は遠藤先生がジャンプに登場したのはさかのぼること20年前。ジャンプ本誌でストーリーキング受賞作品発表のページに掲載されていたのが初でした。
『西部遊戯』のあらすじ
舞台は西部劇を思わせる、少し退廃的な中世。かつて青い星だったその地は、劣悪な環境により犯罪件数が増加の一方だった。跋扈(ばっこ)する賞金首を制圧するために政府は直属の賞金稼ぎを育成する養成学校を設立。
主人公エレナはある思いを胸に女性では珍しいハンター志望として入学するが、保安官の息子キールの横暴な振る舞いを制圧したことで目をつけられてしまう。キールは裏から入手した麻薬を使い狂人化した同級生ニコラスにエレンを襲わせるという姑息な報復を行う。
怒りに震えるエレナは向けられた銃口に対して徒手空拳で立ち向かうのだった。
作品の魅力は何といっても主人公エレナのかっこよさ。少し乱暴で向こう見ずだが、一本気のある性格。そして一つ一つの行動がハードボイルドで思わず惚れてしまいそうになります。
エレナの芯の強さと心の底にあるただならぬ信念を思わせるシーンがあります。主人公のエレナが怒りに震えて「ざわっ」と目を見開くシーン。前述したストーリーキング受賞の本誌掲載の時にこのカットが掲載されていたのですが、1コマで引き込まれる、そんな力強さを持ったシーンです。
見どころのもう一つにアクションの勢いと迫力があります。とある事情から主人公エレナは硝煙と銃の世界で徒手空拳(というか蹴り技)で戦います。その蹴りのスタイリッシュさと言ったら蹴り技界の王子サンジも驚きです!
銃弾が飛び交うなかで如何に蹴り技で立ち回るのか、そこにも要注目です。
※参考に『SPY×FAMILY』のヨルさんの蹴り技。この迫力の原点がエレナの蹴りに見て取れます。
『SPY×FAMILY』にハマっている方であれば遠藤先生のルーツとして確実に楽しめる短編集となっています。紹介した『西部遊戯』以外の3本も魅力的な女性主人公と心躍る物語がギュッとつまって見事にまとまっているので読み応え抜群!
遠藤先生の伝説の始まりを是非是非ご確認ください!!
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