彼女と彼女の猫

山口つばさ/漫画 新海誠/原作

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『彼女と彼女の猫』新海監督のデビュー作を読みながら聞きたいRADWIMPSの曲を選んでみた。

彼女と彼女の猫』は、新海誠監督が1999年に自主製作した短編アニメーションで、第12回DoGA CGアニメコンテストでグランプリを受賞しています。

コミカライズ版の作画は『ブルーピリオド』の山口つばさ先生です。

一人暮らしの女性に拾われた猫の視点から、彼女の暮らしを描いています。マンガでは原作の空気感をまとったまま、彼女の生活と感情に一歩深く踏み込んでいるので、ぜひ原作アニメとも合わせて読んでみてください。

新海監督といえば、『君の名は。』や『天気の子』でのRADWIMPSの音楽とのコラボレーションが有名ですよね。本作の各話にRADWIMPSの曲を合わせるとしたら。読む時に聞きたいRADWIMPSの名曲と合わせてご紹介します!

第1話「春の雨」×「猫じゃらし」

ある雨の日、猫は彼女に拾われます。それから猫は彼女の猫になりました。

彼女と彼女の猫

猫は彼女にチョビと名付けられ、彼女の生活パターンやクセを理解していきます。1話に合わせて聞きたいのは「猫じゃらし」です。

タイトルにも猫が入っていますが、「ただいま」「おかえり」を言い合おうと歌詞に入っていて、毎日の暮らしと毎日の新しい今日が歌われているようです。物語と合わせて聞くと、少し物悲しく悩むような彼女に、チョビが寄り添い励ましているかのように感じます。

いざ僕らで行こうぜ 「はじめまして」の今日へ

第2話「初めての夏」×「スパークル」

チョビに猫の恋人・ミミができますが、チョビはやっぱり大人の彼女のほうが好きです。彼女はある男に会い、それから旧友に会いに。友達とうまく話せなくなった彼女は、少し寂しそうにしながら笑顔をつくります。

彼女と彼女の猫

2話に合わせたいのは「スパークル」。離れそうな儚さの中、それでも一緒に何度でも生きていきたいという歌詞が、物語の未来を予見させるかのようです。

君は僕の前で ハニかんでは澄ましてみせた この世界の教科書のような笑顔で

第3話「涼しい風」×「夜の淵」

仕事で大きなミスをしてしまったような彼女。疲労と絶望の中、彼女の心にさらに追い打ちをかけるできごとが。か細い声で救いを求める彼女と、そのすぐそばにいる彼女の猫。

彼女と彼女の猫

3話に合わせたいのは「夜の淵」です。どうしようもない苦しさと孤独の中にいるような彼女に、近くにいるチョビの存在を伝えたくなります。

何のため 生まれたのか わからない 僕たちだけど 涙を流すためじゃ ないことだけは たしかさ

第4話「冬景色」×「ココロノナカ」

突然消えてしまった彼女と、部屋に残された彼女の猫。チョビは彼女の笑顔が好きだけど、それは彼女が精一杯つくっていた顔なのかもしれません。

彼女と彼女の猫

4話に合わせたいのは、大切な人を迎えに行きたい希望を込めて「ココロノナカ」。少し明るめの曲調が、チョビから彼女へのエールのように感じます。

僕には戻りたい 明日があるから 僕にはまた逢いたい あなたがいるから

書き下ろし「香水の匂い」×「愛にできることはまだあるかい」

髪の毛が短くなった彼女とつづく日々。美しい彼女は、他の人にとっても美しくて、仕事のことや人生のことを考えます。

彼女と彼女の猫

読みながら聞きたいのは「愛にできることはまだあるかい」。二人の絆と彼女の猫からのめいっぱいの愛情が歌詞に込められているかのようで、物語にピッタリです。

君がくれた勇気だから 君のために使いたいんだ 君と育てた愛だから 君とじゃなきゃ意味がないんだ

本作は2016年に坂本一也監督によってカラー版にリメイクされています。

原作ともマンガ版とも違う、ちょっとあどけなさの残る就職前の彼女と、彼女の猫の暮らしを垣間見れます。

彼女と彼女の猫

自分のリズムで味わいたい

物語の空気感を呼吸するように細胞から味わいたい作品です。ぜひ読んでみてください!

彼女と彼女の猫 (アフタヌーンコミックス)
新海誠/著,山口つばさ/著

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