青騎士 第4号

あすか編集部 / 編集

本日発売『青騎士』第4号最速レビュー!傷心の慧が故郷日本へ!『北北西に曇と往け』新連載2本&読切5本など10作品を紹介

2021年10月20日は『青騎士』第4号の発売日!

表紙は前号のラストのショッキングな別れが尾を引く『北北西に曇と往け』から主人公の御山慧が雄大な大地でそっと佇む様子が哀愁たっぷりに描かれています。

第4号では新連載が2本スタートしました!!その他、読切が5本、安定感が出てきた連載18本のうち、新連載・読切を中心に、10作品をご紹介いたします!

青騎士・初の巻頭カラー『おでかけ子ザメ』

1号~3号までは巻頭カラーがなかった「青騎士」の初の巻頭カラーを飾るのは、ペンギンボックス先生の『おでかけ子ザメ』。pixivでなんともいえない可愛さ爆発なサメのお話を中心にイラスト・マンガを公開されています。なんだこの優しい世界…。オールカラーで絵本のようなマンガです。お子さんと読むのもオススメ!

表紙を飾る『北北西に曇と往け』舞台はアイスランドから日本へ!

弟の三知嵩をアイスランドで失った慧は、祖父・ジャック連れられ日本に帰郷しました。「ラーメン屋でも寄るか」と、ジャックに誘われるも、「腹は減っていない」と伏し目がちに応えるだけ。慧はラーメンが大好きなはずなのに…。落ち込み、食欲のない慧にジャックは「勝手に」食べ物を与え、ずんずんと連れまわし、歩かせ、仕事を与え、人に会わせます。

しんみりと漂う喪失感の中、ジャックにより休息を与えられる慧。どこか日本が似合わない外国人のような慧が、故郷日本でのひと時をどう過ごすのか、しばらくは日本に滞在する慧とジャックが何に出会うのか。慧を通してみる日本はなぜか逆輸入された武士道のような不思議な感覚を連れています。

新連載!!『煉獄のドラコ』少女達に託されたものとは⁉

第4号から始まった器械先生の新連載は、少女達を主人公とした怪物と戦うアクション&ファンタジー作品です。

高校生のゆいは、控えめでどちらかと言えばとろい、妹思いの少女。姉妹は、知人の芸術家の頼みで絵のモデルをした帰りに、夜空から光とともに落ちてきた異形の怪物とその怪物と戦う少女・ドラコと遭遇します。怪物とドラコはいったい何者なのか。果たしてゆいは、妹のあみを守ることができるのか⁉

「天国が落ちてきた、狂った天使が地上で人を食べている」と、説明するドラコ。ドラコの世界では、ゆいはどうやら他の人にはない素晴らしい素質を持っているようです。巻き込まれたゆいは何が何だか分からないうちに、戦いの場に駆り出されていくのか⁉

読切『その想いは、ね…』

旅に出るのが好きな鈴ヶ森ちか先生が贈るのは?

高校生の史織は、ある朝に目覚めると背中に鳥のような翼が生えていました。翼が生えていたことを当然のように受け入れる史織。それは思春期に稀に起こる「先祖返り」というものらしく…。

先祖返りには必ず理由がある、意識的にしろ、無意識的にしろ、強く想った事柄に関係するらしいと友人のなつみに聞いた史織は、うすうすなぜ自分に翼が生えたのか気づいていました。一緒にいるのが当たり前でずっとその日々が続くと思っていた2人。史織が選んだ、鶴の恩返し的な翼の使い道に驚きつつも、青春の一コマを感じられる作品です。

読切『世界の終わりごっこ』少女の憂鬱に寄り添うイケオジとのひと時

青騎士第3A号でデビューした本間保奈美先生が第4号では読切で登場です!

フランスの小さな町を舞台に、悩みを抱えた少女・グレースが学校をサボって、叔父のドニの家を訪れます。してはいけないことと分かりつつ、サボってしまったグレースの心情を察したドニは、「今日は特別なことでもしようか」と、「世界の終わりごっこ」という聞き慣れない遊びを提案します。

叔父のドニがとにかくカッコイイ!! 少女のママはドニの姉でもあり、小さなころの自分たちとグレースを重ね合わせながら、姪のグレースの憂鬱を感じ取っては、懐かしむように、優しくグレースに寄り添います。ラストカットのグレースの顔がなんとも言えない表情で笑えます!是非本誌で確かめてみてください!

デビュー読切!! 『全てが劣化する』

テーマは古墳⁉ 鈴木りつ先生のデビュー読切が登場です!

古墳を縁に出会った二人の少女の物語。

中学1年の山本あさは、古墳をカワイイと激推しする芹沢わらびと出会います。進学したばかりで不慣れな学校生活に居心地の悪さを感じていたあさは、強引なわらびに振り回されつつも、わらびともっと仲良くなりたいと思うようになった…。

タイトルの『全てが劣化する』と古墳をかけたところに、作品のテーマ性が垣間見えます。じわじわと攻めてくるわらびの言葉にハッとすることもあるかもれません。最後の「詰まるところ 掘り出してしまったから」の意味に移ろいやすい子ども(中学生)の友情を垣間見た気がします。

新連載!!『お姉さまと巨人(わたし)』

青騎士編集部が激推し!な本作品はBe-con(べーこん)先生が贈る、異世界に転生してきたお嬢様のお話です。

巨人や氷の龍が人々を脅かす異世界に、旅をする異世界転生者のヒナコの姿がありました。ヒナコは、巨人族の娘・エイリスと姉妹の契りを結び、離れ離れになってしまった互いの家族を探すという共通の目的を胸に旅をしています。

異世界からの転生者・ヒナコは現実世界で只ならぬ関係だった同級生とも姉妹の契りを結んでいました。異世界では隻腕(片腕)なヒナコは現実世界ではリアルお嬢様で、異世界に転生してもその振る舞いは変わらず、お嬢様風を吹かせています。どちらの世界でもキリスト(神)を信仰し、神を、信仰を、絆を、約束を、軽々しく楯にする仁義なきものを敵とするヒナコ。彼女の原動力は何なのか⁉家族を探している本当の目的は⁉ 主人公らしいヒナコが一番謎だらけ!ファンタジー&ミステリー的な要素満載の作品となっています!

読切 『猿の手貸します』怖いものの見たさがクセになるオカルトコメディ

怪奇と不可思議が大学生の日常に彩りを添える⁉戸塚こだま先生が贈るのは、怪しさ満点なオカルトコメディ!

就活生に忍び寄る怪しい先輩、猿渡が就活に役立つと提案するのは、なんとも怪しげな代償の代わりに願いを叶えるというオカルトグッズ「猿の手」でした。

溢れ出る怪しさに不安を感じつつ、先輩にしぶしぶ付き合ってみることにした後輩君と、必死に商品をアピールする猿渡の掛け合いがGOOD!!「猿の手」の怪しい機能がぶっ飛んでいていて、想像を超えてくること間違いなし!グロさはないので、「こりゃないわー」と笑って読める作品です!

祝☆連載化『おのれ人間ども』

前号までは読切で『ムジナは赤子にかなわない』のタイトルで掲載されていた八十八 良(やそはち りょう)先生の妖怪&ワンオペ育児を描いた作品が、連載作品になりました!!

大妖怪のムジナが人間界で主夫業にいそしむ様子と共に、育児情報、子どもに関する行事あるあるが、ギャグ色強めに描かれています。

今回のテーマは、「お食い初め」!妖怪のムジナに両親なんて存在しないので、奥さんの実家でお食い初めの儀式を体験するムジナと、義父の「人としてどうなん⁉」という心の声がツボにハマります。(隠しているけど)妖怪と娘の結婚を容認した理由がドン引きなので、是非本誌で理由を確認してみてください!

▼第一話はこちららからどうぞ!

読切 『9%の幸福』近くて遠い顔も知らない隣人との儚い日々

ふたりぼっちで過ごす暗がりでのひととき。3号でも読切が掲載された長谷川未来先生が描くのは、大人の女のさっぱりとした友情。

ひとりぼっちの夜、ベランダに出て夜風に当たり、グラスを傾けタバコを片手に物思いに耽る。
そんな時間を過ごしていたある日、パーテーション越しに隣人に声をかけられたことから始まる二人の関係。隔てられた二人の女性が織りなすちょっと物悲しい作品です。

隣人の女性が手にするのはアルコール度数9%のちょっと強めなお酒。「3%じゃジュースだし、5%でも7%でもたりなくて、9%でやっとふっと幸せ」と語る隣人。顔も知らない隣人とのおしゃべりから垣間見えるのは小さなシグナル。孤独とプライド、そして諦め。大人の女性を肌で感じるそんな作品です。

▼2021年8月20日発売の第3A/B号のレビューはこちらから!おさらいにどうぞ!

次号の青騎士は12月20日ごろ発売予定!

書店に並ぶのが待てない!という方には、電子版がおすすめ。発売日の0時から、雑誌をまるごと電子で読めちゃいます!

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青騎士 第4号 (青騎士コミックス)
あすか編集部/編集

OGP及び記事内画像は公式noteより
https://note.com/aokishi/n/na582225086fa