6月に入り夏の訪れを徐々に感じるこの季節。夏の風物詩といえば数多くありますが、やはり怪談を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
そんな怪談の季節にふさわしい作品の連載がスタートしました。
"あの家"で聞いた風鈴の音からすべてが始まる『お化けと風鈴』。
背筋にゾッと寒いものを感じさせるホラーマンガとしての一面を持ちながらも、サスペンス要素と仄暗さ、そして愛憎が渦巻く注目作『お化けと風鈴』について迫ります。
内覧で訪れた家で...
主人公・ヒロトは、愛すると妻と可愛い娘と暮らすごくごく普通のサラリーマン。
そんなヒロトの職場は不動産会社。ある日、好条件だけれど何故か売れない物件の内覧に行くことになります。
予定通り順調に内覧が進むのですが...
突如、"何か"が襲いかかります。
内覧に訪れた人たちを威嚇するかのように突如牙をむく"何か"。そしてヒロトを呼び寄せるように鳴り響く風鈴の音。
1話から異質な存在感を放つ不気味で得体の知れない家。加えて車椅子の妻、そして事故が起きた交差点の近くになると青ざめた顔になりただならぬ雰囲気を醸し出すヒロトの描写が印象的です。
何かが始まる、そんな予感に満ちた物語の導入です。
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青さが醸し出す仄暗さ
ヒロトが幽霊のように体が透けた女性と抱き合うシーンから、過去を遡るように物語が進行する本作。ストーリーはもちろんですが、更なる恐怖心を煽るようなマンガから漂う仄暗さにぜひ注目してください。
仄暗さの正体は『お化けと風鈴』の随所に散りばめられた青の配色。繊細な筆致をよりリアルに見せる青さは、読者である私たちにより得体の知れない不気味さを感じさせます。
鈴木おさむ×コルクスタジオが挑むホラー
『お化けと風鈴』は、放送作家の鈴木おさむさんが原作を務め、制作は作家エージェント会社コルク所属のマンガ家によるチーム「コルクスタジオ」が担当しています。掲載場所は鈴木おさむさんのInstagramで毎週水曜日に最新話が更新されます。
鈴木おさむさんとコルクがタッグを組むのは実は2度目。今年の1月に『ティラノ部長』の連載をスタートし、現在も毎週金曜日に最新話が更新されています。
そして、注目したいのは制作を担当している「コルクスタジオ」の3人のクリエイターたち。ネーム、線画、カラーを分担して制作を行なっているのですが、それぞれ普段は1人のマンガ家として活躍しているクリエイターたちが集結しているのです。
ネーム担当|やじまけんじ先生
ネームとは、マンガのベースとなるコマ割りや構図、セリフ、キャラクターの配置などを決める作業のこと。代表作に『コッペくんとしんぱいいぬ』を持ち、現在『猫のおふくちゃん』を連載中のやじまけんじ先生がネームを手掛けます。
線画担当|ホリプー先生
完成したネームにペン入れを行いキャラクターの主線を仕上げていく線画作業は『マチネの終わりに』のコミカライズ版を制作したホリプー先生が担当。
カラー、効果担当|わくまる先生
『お化けと風鈴』の怖さを一層際立たたせる、随所に散りばめられた青の配色を手掛けるのはわくまる先生。思わず目を奪われる鮮やかなフルカラーマンガの数々をTwitterで投稿しているので必見です。
地球滅亡の日は爽やかに pic.twitter.com/EkW0r5e9yG— わくまる (@w_tokushun) February 3, 2021
今年の夏はあの音に耳を澄まして
1話が公開されたばかりの『お化けと風鈴』。コルク公式Twitterが「これからの季節にぴったりな、ラブホラーマンガ」と銘打っている本作が、これから私たち読者にどんなホラーを魅せてくるのか楽しみです。
今年は、ヒロトを誘うあの音が忘れられない夏になりそうです...。
OGP及び記事内の画像は、CORK許諾の元掲載してあります。快く許諾していただきまことにありがとうございます
©︎鈴木おさむ
©︎コルクスタジオ