【祝!吉田秋生先生ご生誕記念日】『BANANA FISH』『海街diary』だけじゃない!吉田秋生先生のおすすめマンガ診断

本日2021年8月12日は『BANANA FISH』や『海街diary』でおなじみのマンガ家 吉田秋生先生の誕生日

生誕を祝して「まだ読んだことがない」「よく知らない」という方に吉田秋生先生の描く世界の魅力をご紹介。そしてカンタンな質問に答えるだけでぴったりの作品に出会える「吉田秋生おすすめマンガ診断」をお届けします!

“少女マンガ”に抵抗がある人にこそおすすめ

吉田秋生ワールドの魅力

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人間を見事に描きだす

吉田秋生作品最大の魅力は人間らしさの描写。心の機微を巧みに表現するのはもちろん、恋人・親友・兄弟・親子といった既存のカテゴリのイメージを超えるような人間関係愛憎入り交じる複雑な感情に絡めて描き出す先生ならではの手法が読者の心に突き刺さる!

また先生は、幼少期のトラウマや子供時代の(主に家族との)記憶がテーマになった作品を多く生み出しています。主人公が誰かとの出会いで子供時代の呪縛から少しずつ解かれていく過程が丁寧に描かれ、読者はそれをなぞることで大きな感動とカタルシスを得ることができるのです。

深い教養を作品に昇華する

吉田先生の作品を読むと、舞台となる土地の風土や歴史、芸術や科学などあまりに広く深い教養に毎度驚かされる!しかもそれらの知識が登場人物たちの人間関係を暗喩していたり、物語展開のカギになっていたり…。実在の物事とリンクさせることで物語の説得力や情緒が一層高められています。

吉田秋生おすすめマンガ診断

吉田秋生先生の作品の魅力をしっかり押さえたところで、早速診断スタート!選択肢をクリックして進んでくださいね。

✅どんな作品が好み?
A:心がじんわりあったまるヒューマンドラマ
B:ハラハラ展開!頭脳派バトル&サスペンス
C:思春期の繊細な感情を丁寧に描く青春物語

Aを選んだあなたへ。どっちに行きたい?
1:湘南の海
2:東北の山奥

Bを選んだあなたへ。どっちの主人公が好み?
1:ワケありエリート不良
2:若き天才科学者

Cを選んだあなたへ。どの雰囲気がすき?
1:90’s感ただようトレンディな雰囲気
2:クラシカルで品のある雰囲気
3:ちょっと下品で猥雑な雰囲気

A-1:『海街diary』(全9巻)がおすすめ

鎌倉に住む三姉妹が父の死をきっかけに腹違いの妹を迎え、新しい家族を築いてゆく物語。

いいことも悪いことも美しい海と風がすべて包んでくれる…。読後はちょっと人にやさしくなれるような作品です。

鎌倉に住みたくなっちゃう人続出

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A-2:『詩歌川百景』(既刊1巻)がおすすめ

山形県の山里にある小さな温泉町に生きる人々を描いた作品。『海街diary』の番外編からつながる物語です。

自然の過酷さと田舎の息苦しさ、しかしそこに宿る美しさやあたたかさ…。温泉町の良し悪しで割り切れない暮らしに人生を重ね合わせてしまいます。

自分の故郷への思いも少し変わるかも

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B-1:『BANANA FISH』(全19巻)がおすすめ

舞台は1980年代のニューヨーク。謎のワード「バナナフィッシュ」をめぐってマフィアやストリート・キッズ、政治家、軍人、警察まで様々な人間の思惑が入り乱れるサスペンス&アクション!

登場人物たちはみなすぐれた頭脳をもっていながら、重要な局面では人間らしい感情が彼らを動かす…そんなところに涙してしまう作品です。読後は心が持っていかれてなかなか帰って来られないかも。

どうしたって名作!レビュー記事もあります↓

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B-2:『YASHA-夜叉-』(全12巻)がおすすめ

沖縄の離島で母と親友と幸せに暮らしていた少年。ある日謎の組織に母を殺され少年は拉致されるという衝撃の事件から物語が転がりはじめます。数年後、少年は天才科学者になっていて…?

本作のテーマは双子。「夜叉」というタイトルが付された意味を考えながら、作中で繰り広げられる頭脳戦と複雑な人間模様をじっくりと味わいたい作品です。物語の終盤は心がガシガシ揺さぶられること間違いなし!

『BANANA FISH』のシンが大人になって登場

この作品が気に入ったら、続編となる『イヴの眠り』(全5巻)もぜひ手にとってみてください。

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C-1:『ラヴァーズ・キス』(全2巻)がおすすめ

鎌倉を舞台に、複雑な人間模様と高校生の不安定な内面を丁寧に描いたオムニバス形式の作品。

登場人物がそれぞれに抱える思いを「キス」を通じてドラマティックに表現しています。設定の緻密さや、全体に漂うオシャレな雰囲気も魅力!

とんでもなく切ないのでご注意あれ…

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C-2:『櫻の園』(全1巻)がおすすめ

舞台は女子校。毎年春の創立祭でチェーホフの「櫻の園」を演じる演劇部の一人ひとりにスポットを当てた短編集。

すきな人との初体験や失恋、変化する身体と強まる自意識、気になる他者のまなざし…。各章のタイトルに桜の季語を付しワッと咲いて散ってゆく青春の葛藤を描きます。

中原俊さんの解説(あとがき)もおもしろい

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C-3:『河よりも長くゆるやかに』(全2巻)がおすすめ

米軍基地の近くに住む高校生男子が、悪友とちょっと危ない青春を謳歌する物語。親の不倫・離婚を経て屈折した主人公はどこか人生に諦念をもっています。

河の上流は水が澄んでいれど流れが急、下流に行くほど水は濁れどゆったり流れる…。河の上流にあたる青春時代をそのまま切り取った物語に、説教なしの励ましをもらえる作品です。

ほのぼのした表紙とのギャップがすごい

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時代やジャンルを超える耐久性

吉田秋生先生は今年で65歳。本記事で紹介する作品は古いもので1980年代出版とすでに40年近く前のマンガで、セリフや倫理観が当時の時代性に沿っている部分もあります。

また先生はずっと”少女マンガ”雑誌で作品を描き続けてきたため、ジャンルのイメージで作品を手にとってこなかった方もいるかもしれません。

しかし人間の根本的な部分に着目し、人間が積み重ねてきた歴史や文化に支えられた物語だからこそ普遍的な魅力と説得力をもつ吉田秋生先生のマンガ。きっと時代やジャンルの壁を超えてあなたの心のドアをノックしてくれることでしょう。

紹介しきれなかった作品もまだまだあります!

何度でも読み直したくなる作品を生み出し続ける吉田秋生先生。お誕生日おめでとうございます!これからも先生が紡いでいく物語を楽しみにしています。