マンガアプリGANMA!担当編集に聞く『女子力高めな獅子原くん』成功の秘訣と秘密

マンガアプリGANMA!で大人気連載中の相舞みー先生による『女子力高めな獅子原くん』。

キュートな見た目に、お菓子作りや裁縫が得意という女子力の高すぎる男子高校生・獅子原颯太。実は彼には伝説の元ヤンというもう一つの顔があった!という「女子力が高いのに元ヤン」というギャップも人気を後押し。なんと!2020年11月に公式YouTubeアニメチャンネルが開設されるにまで至りました。

そして今ではチャンネル登録者35.7万人(2021年5月20日時点)1動画あたりの平均視聴回数150万回以上(2021年3月23日時点)と、一気に人気チャンネルへの仲間入りを果たしています。

今回はそんな様々な話題で大注目のマンガ『女子力高めな獅子原くん』の担当編集・コミックスマート株式会社の村山さんへのインタビューを実施。担当さんならではの視点からYouTubeアニメの魅力と成功の秘訣に迫りました!

GANMA!『女子力高めな獅子原くん』掲載ページ

プロフィール

コミックスマート株式会社|村山さん(以下 村山さん)

GANMA! 作品『女子力高めな獅子原くん』の編集担当。

作品紹介『女子力高めな獅子原くん』

『女子力高めな獅子原くん』は、GANMA!で2019年から連載を開始した相舞みー先生が描くスクールコメディ。

主人公の獅子原颯太は、お菓子作りや裁縫が得意な女子力高めな男子高校生。しかし、入学初日の校内で上級生と肩がぶつかりトラブルに。口論の末、「黙ってろよチビ」という言葉をかけられた獅子原くん、その瞬間圧倒的なスピードと体術で上級生を圧倒。そう、獅子原くんは中学時代に”小さき百獣の王”と呼ばれた伝説の元ヤンだった!

幼馴染でスポーツ万能の水戸百合香や、個性豊かな仲間たちとの学園生活、獅子原くんが元ヤンなのに女子力高すぎ!の驚異のギャップで周囲を魅了していきます。

GANMA!での連載開始までの舞台裏

――2019年8月に読み切りとして掲載された『女子力高めな獅子原くん』は、その後すぐに連載化となりました。きっかけはどのようなものだったんですか?

相舞みー先生と初代担当編集の安田によるTwitter施策がバズったのがきっかけです。読み切りを掲載する前に、先生が描きたい「女子力が高いのに元ヤン」というギャップのあるキャラクターが読者さんにウケるのかをTwitterに掲載することで試したのですが、好感触だったので、読み切りと連載のどちらもチャレンジしてみようかという話になりました。

――読み切りを掲載する前にTwitterでの施策を行ったんですね。そういった施策は、GANMA!さんではよく実施されているんでしょうか?

担当編集によってやり方は違ったりもするんですが、僕もやっていますね。

Twitterで公開された【創作漫画】女子力高いキュートな男子の話

――Twitter掲載作品、読み切り、そして連載に至った中で変更点などはありましたか?

村山さん:読み切りの目的はキャラクターを好きになってもらうこと。そして連載の目的は好きになってもらったキャラクターがいかに成長するかを知ってもらうことだと思っています。それぞれの目的に応じて変更というか、ブラッシュアップするようにしました。

――なるほど。

基本的にどの媒体でもそうなんですが、30ページ前後でその作品を読者さんに好きになってもらわなければいけないんですね。


ただ、それは難易度が高いので、『女子力高めな獅子原くん』の場合はまずTwitterに4ページ漫画を掲載し、読者の反応を見てみたところ、その投稿でリツイート2万いいね8.6万という結果が出たので、読み切り作品にしようということになったのです。


読み切り作品では「獅子原颯太」というキャラクターだけで、読者さんに魅力が伝わるように工夫しています。


連載では物語が長く続くので、獅子原くんの魅力の説明だけでは読者に飽きられてしまいます。そこで、獅子原くんの人間性を軸に、周りの人間関係の進展や感情の変化を描くようにしています。

担当編集が担う大切な役割とは

――相舞みー先生と村山さんは普段どのように作品作りをされているんでしょうか?

編集は作家さんから初めて作品を見させてもらう立場なので、読者としてまずは「素直な感想」を言うように。そして担当編集としては「キャラクターの感情変化を読者と同じ目線にする」ということを意識しています。

――いち読者としての読者視点と、担当編集としての視点の両面でチェックされているんですね。

そうですね。相舞みー先生としても、いち読者としての感想は欲しいんだろうなと思っています。

――ストーリー展開やキャラクターの特徴など、初期構想から変わった部分はありますか?

ストーリーもキャラクターも初期構想からあまり変わっていないです。ただ、話の展開やトレンドによって多少の変更は加えています。


相舞みー先生は、ファッションなど今流行っているものに対してすごくアンテナを張っていて。そういった情報をしっかりキャラクターに落とし込まれているんです。最終的にそれがキャラクターに対して合っているのか、というのを相談することはありますね。

――本作にはアニメオリジナルも含めてたくさんのキャラクターが登場しますが、村山さんのお気に入りは誰ですか?

全てのキャラクターが大好きではあるんですが、中でも非常に好きなのは龍田くんです。

龍田駿

龍田駿は、ヤンキーとしての獅子原くんに憧れているキャラとして登場します。ライバルであり目標であった獅子原くんが、すっかり変わってしまった事に衝撃を受け、中学生の頃の姿に戻って欲しいと思っています。

そんな龍田くんですが、獅子原くんたちと過ごすうち、徐々にいまの獅子原くんへの理解も深まっていきます。始めは自分の理想とする獅子原くんを彼に押し付けるばかりでしたが龍田くんの精神的な成長は物語を通して感じることが出来ます。

編集目線も入ってしまうんですけど、獅子原くんや百合香って非常に能力が優れているんですよね。

――確かに、スポーツができるとか、喧嘩が強いとか。

僕はそこまで秀でている人間ではないので、二人は憧れの存在になってしまう。一方で龍田くんは非常に親近感が湧く存在なんですよね。また、物語の中でしっかり成長してきているのが龍田くんなんです。そこがすごくいいなと思っています。

YouTubeアニメ成功の鍵とその魅力に迫る

――元々YouTubeアニメ化する構想はあったんでしょうか。

そもそも2019年の連載開始時はYouTubeアニメそのものや認知も少なかったので、最初は構想していなかったかなと思います。


ただ、もともとTwitterがバズっていましたし、2019年8月に「GANMA!読切マンガ祭 夏の31連弾」というGANMA!の読み切り31作品を全てマンガ動画にする企画があったのですが、『女子力高めな獅子原くん』のマンガ動画が100万回再生を突破したんです。

【漫画】女子力高めの幼馴染男子は伝説のヤンキー⁉【マンガ動画】

それで当時の担当編集がYouTubeアニメについて考え始めたと聞いています。

――100万回再生という反響を受けて本格的にYouTubeアニメ化に動き出したということなんですね。YouTubeチャンネルが絶好調な秘訣は何でしょうか。

主人公の獅子原くんが魅力的なキャラクターであることが一番の秘訣かなと思っています。

流行るコンテンツはしっかりキャラクターで勝負をしていくのが大事だと思っています。『女子力高めな獅子原くん』で言うと、女子力の高さと元ヤンキーという点が特徴で、困難な状況でも獅子原くんなりの魅力をもって解決していきます。そこが好評をいただいているところなのかなと。


それに加えて、相舞みー先生にしっかりと原作監修していただいていますし、制作にご協力いただいているソラジマさんのクオリティの高いシナリオや映像制作技術があるというのが大きいです。

※株式会社ソラジマ:YouTube発の人気IP(知的財産権)の創出をめざすクリエイティブスタジオです。アルでは株式会社ソラジマとGANMA!を擁するコミックスマート株式会社とのコラボインタビューも実施しました。近日公開予定、乞うご期待!

――ソラジマさんにはどういった役割をお願いされているんですか?

構成、シナリオ、作画全てをご担当いただいています。先生と僕はネタとプロット、シナリオの段階全てでチェックを入れる、という感じですね。

――かなりしっかりとコミュニケーションを取られているんですね。

作品のキャラクターと世界観を壊さないよう、ソラジマさんと弊社で1つのチームとなってしっかり認識共有を行っています。ここに関しては、作家さんにも安心してもらうため細心の注意を払って運営しています。

――YouTubeアニメと連載マンガの相乗効果についてはいかがでしょうか?

率直に獅子原くんの人気を感じています。また、正確な数値までは出ないのですが、マンガの読者数が増えているという感覚はあります。YouTubeアニメが好調になり始めたあたりから、単行本の重版がかかっていたので、相乗効果は間違い無くあるんじゃないかなと。


また、マンガのコメント欄にも「YouTubeアニメから来ました」という投稿がありましたし、そういった部分からも相乗効果を感じますね。

――YouTubeアニメ化したことで感じられる魅力を教えていただけますか?

更新頻度が非常に魅力的だと思っています。世に出ているマンガはどんなに頑張っても週刊連載が限界で、GANMA!でも2週間に1回が更新ペースです。ただ、シナリオや作画のことを考えるとそれがベストだと思っています。


一方、YouTubeアニメは作品の設定とキャラクターを借りて全く別の物語をYouTubeで展開することでコンスタントに2、3日に1回更新が可能になっています。一般的な長期休み期間では連続更新もできます。

――確かに、作品が世の中に出る機会がグッと増えるのは魅力的ですね。

本来なら新しいお話を2週間に1回しか見れなかったものが2、3日に1回見れるようになるというのは読者さんにとっても嬉しいことではないかと感じています。

次世代のヒットを探す!新時代のマンガ賞

――GANMA!さんでは現在、次世代のヒット作を探す!を掲げたYouTubeアニメでの大ヒットを目指す作品を発掘するマンガ賞を開催していますよね。

概要

現在GANMA!では、YouTubeアニメ化でヒットする作品を発掘するマンガ賞を行っています。

入賞特典として(1名以上選出)YouTubeでアニメ化確約、さらにGANMA!での連載権を獲得することができます。さらに、電子書籍での販売も確約されています。
※詳細は応募ページをご確認ください。

やはりいま世の中で話題になるのはYouTubeだと思っています。『女子力高めな獅子原くん』がYouTubeアニメ化で成功した事例があるので、続々とYouTubeにも展開していきたいと思っています。


また、その事例もあるように、YouTubeアニメでは、ストーリー以上にキャラクターの個性が強く魅力的である作品が人気を集めやすいため、今回のマンガ賞では、作品ジャンルは問わず、個性的なキャラクターが登場するユニークな作品を募集しています。

――YouTubeアニメ化確約というのはGANMA!さんならではですよね。また、応募方法も特徴的ですよね。

応募フォーム経由だけでなく、Twitterでハッシュタグ「#私のキャラが動いているのを見たいので推しませんか」をつけた投稿形式での応募も受け付けるようにしました。Twitterでマンガ投稿している作家さんも気軽に応募ができるようになっています。(※GANMA!公式アカウント @GANMA_JPN のフォローが必須です。詳細は応募ページをご確認ください)

――ネームでの投稿もOKなんですね。

そうなんです。本企画ではキャラクターを重要視したいという思いがあり、もちろん画力も必要ですが、それ以上にキャラクターとキャラクターの魅力が展開するストーリーに重きをおいているので、ネームでの投稿でも可としました。

――最後にこれから作品を応募しようと思っている方にメッセージをお願いします!

先ほど紹介した「#私のキャラが動いてるのを見たいので推しませんか」というメッセージ通り、従来のマンガ賞と違って、より自分のキャラクターを応援して欲しいというアプローチが可能です。


自分の作ったキャラクターをGANMA!での連載だけでなくYouTubeアニメによってもっと多くの層に届けることができるので、自身の作家性も知ってもらえると思います。


より読者の方に応援してもらいながら応募できる新しいマンガ賞になっているので、是非応募してみて下さい。


今回は『女子力高めな獅子原くん』の担当編集村山さんに、連載にいたるまでのストーリーやYouTubeアニメ化での大成功の舞台裏、YouTubeアニメならではの魅力について語っていただきました。

GANMA!にて開催されている新たなマンガ賞も、これまで当たり前だったマンガ賞ではなく、新たな挑戦や展開を応援してくれるようなワクワクした気持ちを感じさせてくれています。

YouTubeというプラットフォームでより多くのファンを獲得し、さらに連載との相乗効果を生み出すYouTubeアニメ。今後もどんな風に読者を楽しませてくれるのか、大注目の存在から目が離せません。


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ソラジマCEOとCOO+GANMA!コンテンツP大いに語る!【前編】『女子力高めな獅子原くん』に見るYouTubeアニメの正体とヒットの条件

🎤 インタビュー記事後編はこちらから

ソラジマCEOとCOO+GANMA!コンテンツP大いに語る!【後編】これからのスタンダードはYouTubeアニメ 変容するアニメーション そしてマンガの在り方


GANMA!では現在キャラクター漫画賞開催中!

目指せ第2の獅子原くん!

  1. GANMA!での連載権獲得

  2. YouTubeでアニメ化確約

  3. 一迅社より単行本化が確約

と入賞特典も満載!

▼詳細はこちらをご覧下さい!▼
http://ganma.jp/g/boshu/cac2021


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