よつばと!

あずまきよひこ/著

よつばと!の好きなところ

「普通」だけで描かれた面白さ。 本当にもう技術とかセンスとかすごいマンガ。 料理でいうと「特別な材料を一切使わずにスーパーで買えるものだけで作った絶品の一皿」みたいな作品。 どこにでもありそうな平凡な街に、ちょっと変わった女の子が親と一緒に引っ越してきて、お隣の三姉妹や親の友達と遊んだりする。 ストーリーとしてはこれで説明できてしまう。これ以上はもうない。 だけど出来上がった作品は抜群に面白い。 この漫画のすごいところは、キャラクターもストーリーも絵柄も「普通」の範囲におさまっていること。それなのに、いやだからこそ万人に進められるような「面白さ」が出来上がっていることだ。 超能力者も巨大ロボットも魔法使いも出てこない。 登場キャラそれぞれは確かに個性的だけど、どのキャラもギリギリのところで「普通」に入っている。言い換えれば「もしかしたら現実にいるかも」という感覚を持たせてくれる。 材料も調味料も調理方法も、なんら特別なものは使っていないのだ。 だからこのマンガを読んでいると自分の中にスッと入ってくる。 まるでこの漫画を作っている材料の全てを自分は知っているような感覚にもなる。 「とてつもなくよくできたお母さんの手料理」みたいなんだ。このマンガは。 「おいしい」と思う時間もなく、気がついたら完食しておかわりをねだっているんだ。 食べたことがなくても、誰にとってもよく知っている味がする。「よつばと!」はそんなマンガだと思っています。

2019年 08月 25日

人気のニュース

タグからマンガを探す