東京 (28)
祝ドラマ化(2020)! 前作である「ラーメン発見伝」と同様にこの漫画は「ラーメン漫画」ではなく、「ラーメン屋漫画」です。ただの食品としてのラーメンだけでなく、経営、あるいは職人としてのラーメンを追求する。 前作と違うのは本作がより本質的な「ラーメンとは何か?」という、ともすれば哲学的な問いを解きほぐしていく、というストーリー漫画というよりもよりラーメンそのものに迫るように変化していると言えるでしょう。 天才的な料理を腕に持つ主人公、知る人ぞ知るラーメンハゲの芹沢達也、その他の登場人物も有能なキャラクターが多い。彼らが高め合いながら、ラーメンとは何かを次第に解き明かしていく。そうして「ラーメンとは何か?」なんてビッグクエスチョンにいくつもの答えを提示してみせる筆力は非常に高く、かなり考えさせられる作品です。そして辿りついた答えと、前作からの伏線を回収する最終回!!真摯で美しい作品です。 と、こんな書き方してると、とても読みにくい作品なのか?と感じてしまうかもしれませんが、基本的には軽い筆致とテンポの良い展開で楽しませてくれます。入り口は軽く、しかしじわじわと考えさせられる。前作と合わせて何度も読みたくさせる傑作です。
2020年 02月 10日