ギルドレ

朝霧カフカ / 原作 坂野杏梨 / 漫画

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『ギルドレ』の敵目線で考える、主人公の能力を封じ込め人類を滅亡に導く方法

ギルドレ』は、機械のような見た目の生体兵器「敵(エネミーズ)」が圧倒的な破壊力で地球に攻めてくる中、人類も防衛戦線を張って応戦するという本格バトルSFです。『文豪ストレイドッグス』原作の朝霧カフカ先生による同名小説が、坂野杏梨先生によってコミカライズされたのですが、絵の迫力がすごい!

滅亡をかけた争いに人類が敗れそうになった時、民間人の少年がふらりとやってきて、あっさりと人類の危機を救ってしまいました。彼はいったい何者なのか。その日以来、姿を消した少年のことを、人々は「世界最弱の救世主(ミニマム・ワン)」と呼ぶのでした。

※下記から、主人公の能力についてのネタバレを含みます。まだ読んだことがなくて内容を知りたくないという人は、2020年7月14日現在、マンガアプリ「マガポケ」で2話まで無料で読めるので、いったんこちらを読んでからまたお越しくださいませ!

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主人公・神代カイルの能力は「可能性を自在に選択する能力」で、テーブルから転げ落ちたコインがすべて「上を向く」みたいな非常にレアなケースでも、確率的にゼロでなければ「選択」によって実現させることが可能です。

ただ、物理法則を無視することはできないので「動きが止まったコインを再び転がして自分の手元に戻す」みたいなことはできません。

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「シュレーディンガーの猫」という有名な思考実験があります。簡単に説明すると、箱の中に入っている猫が50%の確率で生きているという状態に置かれた時、箱を開けて確認するまでは、箱の中の猫は生きている可能性と死んでいる可能性という両方の可能性が存在している、という考え方です。

箱を開いて猫を観測した瞬間に猫の生死が決まるのですが、カイルの能力は自分が箱を開ける立場であれば、必ず「猫が生きている」という結果を選べる、というような能力なんですね。

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逆に言うと、カイル以外の人が猫の入っている箱を開けた場合には、50%の確率で「猫が死んでいる」という結果になることもあるんです。猫の生存確率が0.00001%みたいなケースの場合には、ほとんどの人が箱を開けた時には猫は死んでしまっているでしょう。

カイルの能力を使えば実際の確率に関係なく、実現可能性があるのであればどんなにレアな出来事でも選択し実現させられるんです。

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これをもとに、もしも自分が敵側だった場合、どうやってカイルの能力を封じて人類を滅亡に導くかを考えていきます。

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カイルのいない場所を攻撃

カイルが「物理的に移動できない範囲」や「すでに他の誰かによって事象が観察されていること」については能力が発揮されないはずです。なので、カイルがいる地点とは違う場所から攻撃を仕掛け、人類を追い詰めていくというのはやれそうです。

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また、カイル以外の人が観測する事象は確率通りの結果となるため、カイルが近くにいない間に仲間の死を仲間同士で観測させておき、不可逆な事象にしてしまうのも手ですね。

1話で桂軍曹が死んでしまうという「事実」は、後から変更ができませんでした。起こってしまった結果を覆すことはできないので、この辺りの法則を使って人類を滅亡に導けるかもしれません。

記憶喪失にすることで能力を忘れさせる

カイルが自分の能力のことを、使い方どころかその内容までもすべて忘れてしまっていたらどうでしょう。自転車に乗るみたいな身体で覚えていることは記憶障がいになっても失われることがないという話がありますが、特殊能力のようなものの場合は、自分が使えることを忘れてしまっていたら使えないのではないかと推察します。

ただ、もしも能力を使えると本人が気づくきっかけがあれば、一度覚えている分、再習得は早そうです。忘れさせることさえできれば、眠っている間に早めにカイルを倒し、人類を滅亡に導くことはできるかもしれません。

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あるいは、カイル自身を「自分の記憶をなくすことを選択しなければ人類を守れない」状況に持ち込むことで、自ら記憶をなくす選択を取らせれば、記憶喪失状態と同じ「能力自体を忘れている」という方向に持っていけそうです。とりあえず能力のことを忘れてくれたら、眠ってる間に早めに倒しにいけそうです。

敵側の存在だと思わせる

記憶喪失にすることと近いですが、カイル自身は自分のことを忘れてしまっているため、カイルはもともと「敵側」の存在で人類のほうが悪なんだよと、記憶操作して味方に引き入れるというのもできそうです。

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記憶を操作することですでに起こったと思わせる

記憶を混乱させ、起こっている出来事の時系列を入れ替えてカイルに認識させるのも可能かもしれません。カイルが仲間を助けようとした時に、すでに仲間が死んでいる状態だとカイル自身が誤解してしまった場合、能力が発動されるのかは試してみたいです。

能力が発動されないのであれば、「すでに手遅れで誰も助けられない絶望的状況」という疑似記憶をカイルに植え込むことで人類を滅亡に導けるかもしれないので、失敗を恐れずにチャレンジしてみたいです。

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知らない者によって可能性を制限させる

カイルが認識してなかった者の存在によって選択肢を狭められないかというのも試す価値があるかもしれません。例えば別の宇宙からやってきた宇宙人が敵としていきなり攻撃してきた場合、カイルはその存在を「知る」前に対処はできるのでしょうか。カイルは見たことがないもののことを事前に知ることはできないので、選択できる可能性の範囲も、カイル本人が知っていることの範囲内に収まるんじゃないかと予想されます。

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ただし、3次元存在のみで構成していないと、カイルの能力が影響できる物理法則自体が揺らいでしまうので、11次元の存在がいきなり登場するとかは思考実験としてはナシですね。

感情を操作することで追い込む

普段は冷静沈着なカイルですが、感情を操作することで無力感や絶望感を植え付けることで、能力を使えない精神状態にもっていき無力化できないか、というのも試してみたいところです。

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人間は理不尽と分かっていても感情に従ってしまう生き物なので、うまく感情操作ができれば人類を滅亡に導ける可能性が高そうです。

同じ能力をもつものがいる可能性を選択させる

カイルのような「可能性を選択できる」能力者が存在するのであれば、そういう能力者が「複数いる」可能性もあると思うのですね。

あるいは、誰かが自分と同じ能力を開花させる可能性をカイル自身が選んで増やせるとしたら、姿を人間に擬態し、その人間に擬態した敵に能力を持たせないと人類を助けられないような状況をつくって、自分たちも「選択能力」を手にすることも可能かもしれません。手にした能力で自分たちに有利な状況を先に選択することによって、人類を滅亡まで導けそうです。ぜひトライしてみてください。

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可能性を選ぶことは人生を創ることに似る

1巻で神代カイルは「救世主である」という非常に稀な可能性を自ら選び取ります。普通の人にはレアケースを選べるような特殊能力はありませんが、人生という長い旅路の中で、自分にとって幸せな選択は選べるんじゃないでしょうか。

「選択する」という能動的な行為で自分の人生(世界)を創り上げたいって思わせてくれるような素晴らしい作品です。ぜひご一読ください!

私のたった一つの望み、可能性の獣、希望の象徴

ギルドレ(2) (ヤングマガジンコミックス)
朝霧カフカ/著,坂野杏梨/その他

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