亜獣譚

江野スミ

亜獣譚の好きなところ

【不気味を紐解くと世界が見える】 なんていうかずっと「人と獣の境界線はどこにあるか?」と問われ続けているような気がする作品です。 ・人が獣に変わる病 ・人を襲い食らう「人だったモノ」 ・それらを退治する人 ・自分が獣に変わる恐怖 ・恐怖による支配 人間とは思えないくらい非道いヤツがいて、獣と思えないくらいいいヤツもいて。 自分の境遇へのやり切れなさを他人への暴力に変えてしまう自分がいて、それを恥じて人を幸せにしようとする自分もいて。 物理的にせよ内面的にせよ、描いているものはとてもグロテスクで不気味。だけどだからこそエロティックで刺激的。 漫画を読むことで「この世界の腑分け」に立ち会っているような気分です。 血まみれの内臓を搔きわけることで見えてくるモノがある。 不気味という感情の奥に、知らない世界が見える。

2019年 09月 24日

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