東京 (28)
【異世界と思えないほど異世界】 昔ある作家さんが「全ての物語は嘘である。しかしそれは素敵な嘘でなければならない」ということを言っていた。 このマンガは飛行船に乗って空を駆け、「龍」という生物を狩ることを生業とする人々のお話。 ページを開けばどこもかしこもファンタジーファンの心をくすぐる描写がてんこ盛りだ。 悠々と空を泳ぐ龍も、それを狩ろうと知恵と勇気と技と食い意地を駆使する主人公たちも、龍の解体も食事シーンも、たまに降りていく街々も。 全てが全て「なんて素敵な嘘をつくんだ!」としか言いようがないほど細部にまで愛が込められている。 全ての作品は多かれ少なかれ嘘をつかなければならないけど、その作品世界が現実と離れるほど嘘は大きくなる。 これほど大きく、これほど素敵な嘘をついてくれてありがとうと言いたい。
2019年 08月 02日