1分で判る、鋼の錬金術師
物語の舞台は錬金術が存在する架空の世界
亡くなった母親を生き返らせるために人体錬成と呼ばれる”禁忌”を冒したエルリック兄弟
人体錬成は失敗に終わり、兄のエドワードは体の一部を弟のアルフォンスは肉体全てを失ってしまう
失われた肉体を取り戻すため、エルリック兄弟は伝説の「賢者の石」を求めて旅にでる
完結から10年以上経っても愛され続けるダークファンタジーの金字塔!
作品概要
『鋼の錬金術師(はがねのれんきんじゅつし)』は、荒川弘先生による作品。
公式やファンから用いられる略称は「ハガレン」。
スクウェア・エニックスが発行する日本の月刊少年漫画雑誌「月刊少年ガンガン」にて、2001年8月号から2010年7月号まで連載された。最終話が掲載された「月刊少年ガンガン」7月号は、通常の通常の2割増で発行されたにもかかわらず、すぐさま完売するという非常事態が発生した。その結果、最終話を翌月発売の9月号にも再び収録するという異例の措置が取られた。
発行部数総計は約7,000万部でコミック歴代の発行部数ランキングでは第25位ににあたる。
受賞歴
2004年|第49回小学館漫画賞 少年向け部門
2011年|第15回手塚治虫文化賞新生賞
2011年|第42回星雲賞コミック部門
あらすじ
物語の舞台は錬金術が存在する架空の世界。
エルリック兄弟は、亡くなった母親を生き返らせるために人体錬成と呼ばれる”禁忌”を冒す。錬金術の基本は等価交換。その原則に反した人体錬成は失敗に終わり、その代償として兄のエドワードは左足を、そして弟のアルフォンスは肉体全てを失ってしまう。かろうじて、エドワードはアルフォンスの魂を取り戻し鎧に定着させることに成功したが、その代償としてさらに右腕も失ってしまう。
失われた肉体を取り戻すために、エルリック兄弟は伝説の「賢者の石」を求めて旅にでる。
右腕と左足を鋼の義肢「機械鎧(オートメイル)」に変え、全てを取り戻すために進むエドワードのことを人はこう呼ぶ『鋼の錬金術師』と。
キャラクター
エドワード・エルリック(エド)
本作の主人公で愛称はエド。物語開始時の年齢は15歳。
年齢にしては低身長なため、それを指摘されるような言葉を耳にすると我を忘れて怒りだす。金髪のロングヘアに三つ編み、黄金の鋭い瞳がトレードマーク。
錬金術は幼少の頃から弟のアルと共にを独学で勉強し修得した。後に錬金術師であるイズミ・カーティスに師事し更なる錬金術の才能を開花させる。
人体錬成に失敗した後は、精神的ダメージを受け再起不能になりかけたが、幼なじみのウィンリィや周囲のサポートを受けながら右腕・左足を「機械鎧(オートメイル)」に変えて復活。史上最年少の国家錬金術師となる。
国家錬金術師の証として大総統から賜った二つ名は「鋼」。マスタング大佐や軍の関係者からは「鋼の」と呼ばれることが多い。
アルフォンス・エルリック(アル)
エドの弟で愛称はアル。物語開始時の年齢は14歳。
人体錬成に失敗し肉体の全てを失ってしまう。エドが自身の右腕を対価に魂だけを取り戻し鎧に定着させることで一命を取り留めたが、以降、視覚と聴覚意外の感覚を感じない空の鎧の姿で生活をしている。本当の姿は、金髪に青い目をした優しい雰囲気の少年。
鎧の内側にある、エドの血液で書かれた血印がアルの魂と鎧を結び付けているため、この血印が損なわれた場合は、鎧から魂が離れて消失してしまう。
温厚で冷静な性格のため、感情的で突っ走りがちなエドのストッパー役になることが多い。
ウィンリィ・ロックベル(ウィンリィ)
本作のヒロインであり、エルリック兄弟の幼馴染み。
エドと同い歳で物語開始時の年齢は15歳。金髪のポニーテールに青い瞳がトレードマークの美少女。エドたちのお土産であるピアスを両耳につけている。
医者の両親がいたが、彼女が幼い時に内乱で亡くしてしまう。以来、祖母のピナコに育てられ、ピナコを師として機械鎧整備士となってエルリック兄弟を支えている。
明るくて活発な性格だが、エルリック兄弟のことを誰よりも考えていて、時には2人の身を案じて泣いてしまうことも。無茶な戦い方をして機械鎧を壊すエドにスパナを投げつけるなど、おてんばな一面もあるがエドに淡い恋心を抱いている。
ロイ・マスタング(マスタング大佐)
国軍の東方司令部に勤める国家錬金術師で階級は大佐。愛称はマスタング大佐。
二つ名が「焔」であることから巷では「焔の錬金術師」と呼ばれている。発火布でできた手袋をはめ、指を鳴らすことで発生する摩擦によって点火を行う。そのため、雨が降って発火布が濡れてしまうと錬金術が使用できず「無能」呼ばわりされることも。
長身で黒髪のショートヘアーに黒の瞳がトレードマークで、いわゆるイケメンな風貌をしていて本人もそれを自覚している。女好きでいい加減な人物を装っているシーンが多いが、本心は大総統の地位を狙う野心家。エルリック兄弟や仲間たちには、基本的冷たい言動を取っているが危険が及んだ際には自らを顧みず守ろうとする情に厚い一面を持つ。
リザ・ホークアイ(ホークアイ中尉)
マスタング大佐の副官。金髪のショートヘアにブラウンの目がトレードマーク。優秀な狙撃手で「鷹の眼」の異名を持つ。
マスタング大佐を支える優秀な副官にして常に冷静沈着。感情を表に出すことは滅多にないが、拾ってきた子犬に「ブラックハヤテ号」と名付け独特なネーミングセンスで周囲を驚かせることも。
『鋼の錬金術師』と4コマ
『鋼の錬金術師』はダークファンタジー作品なためシリアスなシーンが多いが、コミックスの巻末やアニメDVDの特典ではコメディ要素たっぷりな4コママンガがよく掲載されている。
そんな4コママンガを一冊の本にまとめた『鋼の錬金術師4コマ』が発売されている。ハガレンファンにとっては究極の一冊!
アニメ版『鋼の錬金術師』
テレビアニメは2シリーズ放送され、それぞれ映画版も2作品公開された。
エドは朴璐美さん、アルは釘宮理恵さんが演じた。
2003年10月〜2004年9月に放送された『鋼の錬金術師』の終盤は、原作とは異なるアニメ独自のオリジナルストーリーになっている。
放送時期 | タイトル | 公式HP |
2003年10月〜2004年9月 | 鋼の錬金術師 | |
2005年7月 | 劇場版|鋼の錬金術師 シャンバラを征く者 | |
2009年4月〜2010年7月 | 鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST | |
2011年7月 | 劇場版|鋼の錬金術師 嘆きの丘(ミロス)の聖なる星 |
実写映画版『鋼の錬金術師』
実写映画版『鋼の錬金術師』が2017年12月に公開された。入場者特典として荒川弘先生が実写版に続く新作エピソードとして描き上げた『鋼の錬金術師 0 ゼロ』が配布された。
監督|曽利文彦
脚本|曽利文彦 / 宮本武史
キャスト
エドワード・エルリック|山田涼介
アルフォンス・エルリック|水石亜飛夢
ウィンリィ・ロックベル|本田翼
ロイ・マスタング|ディーン・フジオカ
リザ・ホークアイ|蓮佛美沙子
作者情報
荒川弘先生
北海道出身のマンガ家。実家が酪農を営んでいることから自画像はメガネをかけた牛。
代表作に『魔法陣グルグル』を持つ衛藤ヒロユキ先生のアシスタントを経て独立。2001年に「月刊少年ガンガン」にて『鋼の錬金術師』の連載をスタートさせる。
連載終了後は『獣神演武』『アルスラーン戦記』といったバトルアクション作品から、『百姓貴族』『銀の匙 Silver Spoon』など自身の経験を生かした酪農を舞台にした作品まで、幅広いジャンルの作品を発表している。