ONE OUTS

甲斐谷忍/著

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 ビジネスの参考になる!知恵と勇気を「ONE OUTS」から吸収せよ!!

動画業界でロン毛をなびかせ続ける男、ONE MEDIA代表の明石ガクトだ。今日は『経営者がビジネスの参考になるマンガとして何故か同じ様な作品を紹介しがち問題』に対して、一石を投じたい。


それらの作品に共通する要素として

  • リーダーはとにかく器が大きいほうがいい!

  • 周りの仲間が超人的な働きで大活躍!

  • ピンチの時でも安心、必ず助っ人が現れる!

という三大要素がある。


だが現実は残酷どうだ?リーダーは麦わら帽子被ってないし、一緒に働く仲間はみんな普通の人間だ。絶体絶命の瞬間だって、自分で動き続けて何とかするしかない。

もっと、リアルな日本のビジネス環境下にピッタリなマンガは無いのだろうか?

あるんだ。しかも野球マンガで。

そんなマンガを今日は紹介したいと思う。

まずタイトルは「ONE OUTS」だ。ONE MEDIAのONEは別にここからとったわけじゃないことだけは予め言っておくぞ。

甲斐谷忍/著
ONE OUTS

作者は「LIAR GAME」で知られる甲斐谷忍先生!ということは単純な野球マンガでは無いことはマンガファンならお察しがつくだろう。

あらすじ部分はアルでけんすうが執筆した記事から引用しよう。

優勝に必要な何かが足りない” その“何か”を捜して、沖縄で自主トレに励む“不運の天才打者”児島弘道。そこで彼は一人の男と出会う。120km/hそこそこの直球だけで、賭野球“ワンナウト”で無敗を誇る男。彼は名乗る。渡久地東亜と…。 大枠には、賭野球で無敗だった、渡久地を引き入れて、弱小球団であるリカリオンズが日本一を目指すという漫画です。 渡久地は、オーナーと、ONE OUTS契約というものを結びます。一球アウトを取るごとに○○円もらえ、一点取られるごとに○○円支払うといった形です。 渡久地はスポーツマンでは決してなく、勝負師です。ギャンブラーです。なので、スポーツマンシップに則って勝つわけではなく、勝つという目的のために、あらゆる手段を使っていきます。そして、アウトを取るたびに破格の賭け金を得ていくのです。 野球というテーマはあるものの、これはあくまで勝負の手法にすぎないのですね。本質的にはギャンブルマンガです。

圧倒的にビジネス向きな理由をリスティクル風にまとめる

ちょっとこれだけ見ると、どのあたりがビジネスの参考になるのか皆目検討つかないと思う。

だけどちょっと待って、僕の話を聞いてほしい。このマンガが圧倒的にビジネス向きだというポイントをリスティクル風にまとめてみた。

明石ガクト

スタートアップにとって一番大事なことを教えてくれる漫画はキングダムじゃなくてONE OUTS。本当の勝利への道は目の前の勝負事の外にあることを教えてくれる作品。

〜ビジネスで本当に勝利したい人が「ONE OUTS」を絶対に読むべきポイント5選〜

1.手札だけで戦略をつくるリアリティ

主人公の渡久地は、弱小のリカオンズの負け癖が付きまくった選手だけで何とかしていく。都合よく強くてかっこいいライバルが途中で移籍してきたり、伸びしろがヤバそうな新人が仲間になることもない。

ただ、自分に配られたカードだけで戦い抜いていく。
スタートアップの経営者でも大企業の部署マネージャーでも、基本的には皆、その条件で戦っているわけだ。

2.ルールを熟知しルールに忠実に戦うスタンス

渡久地はフェアプレーもしないけど卑怯なこともしない。ひたすらルールに忠実に、ルールの抜け穴を使って戦う。

絶体絶命のピンチに、突然ルールブレイカーが現れて戦局をひっくり返してしまうような興ざめなことは起きない。
ビジネスもルールブレイクまでやってしまう企業は弾かれてしまう。ルールを調べ尽くして、ルールの穴やギリギリの箇所を攻めることが重要だ。

3. 仲間のことを信用せず信頼するマネジメント

渡久地はコントロールだけが異常に優れたいわゆる「一芸系ビジネスマン」ってイメージ。だから打ったり走ったりは他のチームメンバーに頼るしかない。

やり方決めたら信頼して任せてる。でも信用はしてないから、結果がついてこなくても全然怒ったりしない。失敗する場合だって事前に計画に組み入れてたりする。いわゆる「想定内の出来事」ってやつだ。

4. 徹底的に勝利を追求するリーダー像

ここまで読むと、渡久地すげぇ奴なんだな!好きかも!って思ってる人もいるかもしれないが、基本的にずっと無愛想に何かを考え続けてて、いきなりよくわからない指示を出してくるキャラなんだ。

その指示をチームは理解できずに一瞬たじろいだり怒ったりするんだけど、いざやってみるとそれが二手三手先を読んだものだとわかり……みたいな。

気づきましたか?そう、渡久地の姿はまさにカリスマ経営者そのものなんだ。

5. 本当の勝利の意味を教えてくれるストーリー

勝利とは何だろうか?友人であり尊敬する経営者が「勝利条件の定義をすることが大事」とよく言うのだけれど、僕はこの言葉の本当の意味についてONE OUTSを読み終えて初めて理解できた気がする。個別の戦いに勝つことは果たして、勝利と言えるのだろうか?

おわかりいただけただろうか?日本で働いている人にとって、リアリティがあるのは小耳に挟む例の如き大作ではなく、圧倒的に「ONE OUTS」であると……!


特に 5. の「本当の勝利の意味」については、皆さんも一度考えてみてほしい。

目の前の敵をひたすら全力で倒しに行くことは本当の意味で勝利につながっているといえるだろうか?バトルマンガとビジネスは本質的に違う。局地戦で勝つことに意味はなく、全てが終わった時に勝っている必要がある。
そういった意味でこのマンガの本当の面白さは、最終回まで予測できないかもしれない。


明日も逆境と戦い続ける皆、知恵と勇気を「ONE OUTS」から吸収して、最後に世間を驚かせるまで戦い続けようじゃないか。

さあ、僕も頑張るぞ。

【編集部から】 明石ガクトさん、ご応募ありがとうございました。さすがビジネスの最前線を全速力で走る方、マンガからも学びを得、それを記事化してシェアするという太っ腹に感謝です。マンガを読む→知見を得る→ビジネスが捗る→空き時間に記事を書く!のポジティブスパイラルでまたよろしくお願いします!