『パンダ探偵社』はリイド社が運営するWebマンガサイトトーチWebにて連載中(現在は休載中)の澤江ポンプ(さわえぽんぷ)先生による作品です。
このマンガがすごい2020オトコ編で第9位にノミネートされました。
人間が動植物に変身してしまう奇病が存在する世界
罹患すると身体が徐々に動植物に変化していき、やがて完全に人格が失われてしまうという不治の病「変身病」が流行している現代が『パンダ探偵社』の舞台です。
本作の主人公である半田も変身病患者の1人。彼はジャイアントパンダに変化する変身病を患ってしまったのです。
病気が進行し、教職をクビになった半田は学生時代の先輩であり、変身病に関わる案件専門の探偵業を営む竹林に雇われ、探偵助手として働くことになります。
人が人で無くなっていく様
筆者が感じる本作品の1番の魅力は、変身病という苦難を通して、それぞれのキャラクターの生き方を垣間見れる瞬間です。
作中では変身病の進行によって、人が徐々に人で無くなっていく様がリアルに描かれます。
人格を失い、完全に動物となってしまう変身病患者達。果たしてそれは死と呼べるものなのか。また、共に暮らす家族はその事実をどう受け止めればいいのか。
病気の数だけ異なる結末を迎える物語に、生きるとはどういうことなのかを深く考えさせられます。
探偵として、変身病者として
主人公の半田は、探偵として変身病患者と関わることで葛藤を抱えます。
初めて人間が動物に変わってしまった姿を目の当たりにし、自身の境遇と重ねて涙したり、人間の感情を失った患者を前に自分の理性が抑えられなくなる衝動を感じてしまうのです。
探偵として対処すべき対象と自分を重ね、悩み苦しむ姿に想いを重ねてしまいます。
命を考えさせられる物語
本作品は、命とは?人間として生きるとは?という答えの見つけづらいテーマについて、深く考えさせてくれる作品です。
そして、竹林と半田の先輩後輩コンビの掛け合いに思わずニヤッとしてしまうほのぼの要素とのバランス配分も最高です。イケメン探偵とパンダ助手の凸凹コンビの活躍をその目でチェックしてくださいね。
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