3行でわかる東京卍リベンジャーズ
うだつの上がらない青年タケミチが12年前の中学時代にタイムスリップして不良の中をのし上がる話
唯一の彼女だったヒナタが殺された現代を変えるために何度も現在と過去を行き来する
戻れる年月は決まってしまっているため、過去の行動は簡単に変えられないところに緊張感がある!
概要
『東京卍リベンジャーズ』は週刊少年マガジンにて連載中の和久井健先生による作品。フリーターとして底辺の生活を送っていた主人公・花垣武道が、昔の彼女である橘日向を救う為タイムリープを繰り返し、過去に関わりのあった不良グループのメンバーたちと未来を変えるため運命に挑むアクションSF作品です。
SFでありながらもヤンキーマンガ、アクション作品の要素を加えた複合的な作風のマンガ。第44回「講談社漫画賞」の受賞作。2020年現在でコミックス累計500万部を突破しており、2021年には実写映画化、テレビアニメ化が決定しています。
あらすじ
主人公・花垣武道は26歳。フリーターとして底辺の生活を送っていた彼は、ある日テレビで学生時代の彼女、橘日向とその弟・直人が「東京卍會」の抗争に巻き込まれ死亡したというニュースを目にします。その翌日、バイト帰りの武道は駅のホームで何者かに突き落とされ、電車に引かれそうになった瞬間、なんと2005年の同月同日にタイムスリップ。12年前の武道は中学生、不良である友人たちと毎日つるみ、日向とはカップルとして付き合っている人生の絶頂期でもありました。
しかしその後他校の先輩不良グループから武道たちは半殺しにされ、それ以降彼の人生は暗雲立ち込めるものとなっていきます。その過去を追体験する中で武道は日向の弟である橘直人と偶然出会い、12年後に日向が死んでしまうことを彼に告げました。絶対に姉ちゃんを守れ、と直人に告げた武道が彼と握手をした瞬間、再び武道はタイムリープ。2017年に武道が戻ってきたのは、彼の一言により直人のみが生き残った世界線でした。
生き残った直人は刑事となっており、彼なりに尽力はしたもののこの世界線でも姉の日向の死亡を食い止めることはできなかったそう。過去の日向に再会し彼女の優しさや明るさに触れ、彼女は死んでいい人間ではなかった、という思いを強くする武道。直人との連携によって自身が「12年前の同月同日にタイムリープできる能力がある」のを知った彼は、日向が死んでしまう運命を変えるために、2人で協力して元凶である東京卍會を潰すための作戦を開始するのです。
登場人物紹介
花垣武道(タケミっち)
本作の主人公。元々は気弱で威勢だけはいい典型的なビビり気質。中学時代は不良で友人たちと日々つるんでいましたが、他校の先輩に半殺しにされ奴隷当然のような扱いを受けるようになって以降転落人生を歩んでいました。電車に引かれかけ12年前にタイムリープをしたことで過去の彼女である橘日向に再会し、彼女は事故で死んでいい人物ではなかったという思いを強くします。
その後現代に戻ってきた際、生き延びた直人と協力して日向が死ぬ運命を変えると決意。直人との握手をトリガーにタイムリープを繰り返し、運命を変え過去の出来事を変えるべく奔走し始めるのでした。
2度目のタイムリープで、日向を殺害した元凶であるヤクザ組織「東京卍會」のトップに立つ佐野万次郎(マイキー)と接触。その際明らかに自分より強い相手に一切ひるまなかった姿勢を彼に気に入られ、以降過去では多くの時間を彼が率いる東京卍會の一員として過ごすようになります。武道が出会った当初の東京卍會のボスであるマイキーは不良ながらも秩序を重んじ、男の美学を大事にする人物でした。そんな彼がいながらなぜ東京卍會が今のような極悪組織になったのか、武道は疑問を覚えるようになっていくのです。
タイムリープを繰り返すごとに、マイキー率いる東京卍會での地位を上げていく武道。どれだけ喧嘩に弱くとも、抗争の中で二度と立ち上がれないほどボコボコにされても、願った未来を自分の手に掴む為譲れないものがある、と心を奮い立たせる彼の姿勢に多くの人々が影響されていきます。
しかしどれだけタイムリープを繰り返し、東京卍會の幹部や組のOBなど武道自身も様々な立場になっても、日向が死んでしまうという未来だけは一向に変えることができません。数度目のタイムリープでいよいよ事故の真実に迫ろうという中、争いに巻き込まれ現代の直人が死亡してしまい、その直前に過去にタイムリープした武道は現代に戻れなくなってしまいます。二度とやり直しがきかなくなった絶体絶命のピンチで、それでも武道は諦めず日向の死亡を食い止めようと動き出したのでした。
橘日向
武道が中学生の頃に付き合っていた彼女。26歳の年に東京卍會の抗争に巻き込まれて死亡してしまいます。明るくて優しく気の強い女の子で、学校の授業中に武道の元へ遊びに来て彼を連れて行こうとしたマイキーとドラケンを敵とみなし、怯えながらも1人悠然と立ち向かうほどの強気さを持っています。そんな彼女のことを武道はもとより、彼を介してマイキーやドラケン、そして彼らの周囲の友人たちも非常に好意的に思っているようでした。
タイムリープ前の過去では武道と付き合ってすぐに破局していますが、彼への一途な思いをずっと寄せ続けていた様子。数回のタイムリープを経てもそれは変わっておらず、武道がくれたクローバーのネックレスを亡くなるまで大事に持っていたことが明らかとなっています。
2回目のタイムリープ以降は武道とずっとカップルとしての付き合いを続けており、それもあって何度か学生時代にも東京卍會絡みの抗争に巻き込まれている彼女。その中でもいざという時は自分が武道を守る、という姿勢は崩さず、そんな彼女の存在に武道は何度も心を救われているのです。
橘直人
橘日向の弟。明るく気の強い姉とは反対に、落ち着いた雰囲気を持つ少年。武道に1回目のタイムリープの際にもらった言葉のおかげで命拾いして以降、彼と共に姉の日向が死ぬ運命を変えるため力を貸し続ける協力者となっています。1回目のタイムリープで助かって以降、基本的に2017年の現代では刑事となっている様子。職業柄の特権を生かし現代の東京卍會の情報を収集しながら、タイムリープを繰り返す武道の手助けをしています。
しかし数度目のタイムリープの際、展開が変わってしまった未来の中で東京卍會の抗争に巻き込まれ死亡。武道は二度と現代に戻れなくなってしまうのです。
佐野万次郎(マイキー)
東京卍會のトップ。組の結成当初から”無敵のマイキー”と称され、小柄な体格ながらも喧嘩では負けなしという実力で大勢を従えていました。2回目のタイムリープで自分よりも強い相手に心で負けなかった武道を気に入り、以降”タケミっち”というあだ名をつけ行動を共にするようになります。
武道を気に入った理由は、自分より強い相手にもひるまず大事なものを守るために向かっていった姿が、慕っていた兄ととてもよく似ていたからとのこと。武道と友人、仲間となり共に東京卍會として様々な抗争の中で一緒に戦う中で、次第に武道に強い信頼を置くようになっていきます。しかし抗争の中で彼自身にとって大事な存在でもあった異母妹のエマを失い、それがきっかけで東京卍會が現代のような極悪組織になってしまったことに数回目のタイムリープで武道は気付いたのでした。
その中で、喪ってしまった人を取り戻すことはできないけれど、それでも前に進まなければいけない、と武道に激励されるマイキー。彼の言葉によって自らを奮い立たせたことで、マイキーの闇落ちによる東京卍會の極悪化を止める事に武道は成功します。しかし真の黒幕である稀咲鉄太がマイキー率いる東京卍會の乗っ取りを遂行しようとする中で、その敵にマイキーは武道と共に立ち向かうこととなるのです。
龍宮寺堅(ドラケン)
過去の東京卍會の実質No.2。マイキーとは小学生の頃からの仲で強い絆で結ばれており、東京卍會創設時からのメンバーの一人でもあります。ひょろりとした長身に金の辮髪、左のこめかみに龍の刺青を入れた非常に特徴的な出で立ちの男です。
長年マイキーの片腕として付き従い、彼にない物を持つ者として陰に日向にマイキーを支えていました。自分たちの抗争によって関係ない人を傷つけてしまった際には頭を深く下げ誠心誠意謝る姿勢を見せたり、マイキーにもそれを促す等々。主に精神性の部分でマイキーや東京卍會が悪い組織とならないよう、自身の背中を見せながら大勢を率いる存在でした。
数度目のタイムリープの中でマイキーとの決裂により東京卍會は悪の組織へと変貌してしまいますが、武道によりその最悪の事態は阻止されます。しかしその先の未来でも抗争の中で死にかけたり、黒幕の手引きによって殺人を犯し死刑囚となってしまったりと、何度もマイキーと引き離される形に。最後のタイムリープの中で恋人であったマイキーの異母妹・エマを喪ったことで茫然自失となるも、武道の叱咤激励により奮起しマイキーたちと共に黒幕と対峙することとなるのです。
メディアミックス情報
2021年に実写映画化することが決定しており、主演・北村匠海(花垣武道役)ほか吉沢亮(佐野万次郎役)、山田裕貴(龍宮寺堅役)、杉野遥亮(橘直人役)などの出演が決まっています。
また同じく2021年にテレビアニメ化も決定。物語のキーとなる組織・東京卍會の結成記念日にアニメ化の決定が発表されるなど、ファンの間では非常に盛り上がる一報となっていました。