新しい時代の幕開けとなった令和元年もいよいよ終わり。そんな年末年始の過ごし方はコタツにこもってお気に入りのマンガを読む。そう、何十年も前から変わらないこの日本の伝統スタイルだけは令和だろうと昭和だろうと関係ない!大切なのはマンガなんだ、ということをこの場をお借りしてお伝えしたい次第です。
そんな2019年末から2020年にかけて紅白歌合戦より優先度アゲめで読んで頂きたいオススメマンガをご紹介させて頂きます。『聲の形』です。
2017年に京都アニメーションにより映画化されたことも記憶に新しい本作品。
耳の聴こえない少女「西宮硝子」と小学生時代に西宮の耳が聴こえないことをネタにして虐めていた「石田将也」が高校生になって再び巡り会い、幼き日の後悔を胸に秘めながらも、苦しみながらも成長しお互いを理解していく物語です。
本作品の見所は「誰にでもある自分の嫌な部分、弱い部分」を登場人物達を通して自分に投影してしまう程にリアリティーのある描写です。
周りに虚勢を張って誰かを傷つけてしまう自分、誰にも心を開けずクラスメートの顔を見ることができない自分、本当の気持ちを押し殺して作り笑いを浮かべる自分、被害者を装って加害者を糾弾する側に立つことで自身を保とうとする自分。
そんな弱さを抱えながら生きるキャラクター達にどうしようもなく感情移入してしまう作品なのです。
親の苦労を知らない子供
将也がふざけて硝子の補聴器を投げたり壊したりしたその費用は総額170万でした。
小学生にはどうすることも出来ない金額、親に助けてもらうしかなく、虐めが発覚した途端、今度は自分が虐められる側になってしまう将也。
高校生になっても他人と相容れないまま、バイトで貯めた170万円を返済してから死のうとした将也と母親とのやり取りには胸に来るものがあります。
死ぬのをやめないとこのお金は燃やすぞ!と将也を脅す母親。うっかり本当に170万円を燃やしてしまいます。
自分のための行為なのか
硝子に会い、過去の償いをしようとする将也。西宮と友達になりたいと告げる将也。硝子の妹に、「自分を満足させるためだけに来てるなら帰ってください」と言われたり、執拗に硝子に避けられながらも過去の自分の犯した過ちと必死で向き合おうとする将也。更に初めて出来た親友の存在、過去の自分を知る人間との偶然の再会など、様々な出会いを通して将也と硝子の距離は少しずつ縮まっていきます。
誰だって悩むし、傷つく
登場人物それぞれが、悩み、傷つく。何が正しいかなんて本当は誰にもわからない。それぞれの想いが交錯する人物描写にページを進める手が止まらなくなること請け合いです。
それでも、死ぬほどのことじゃない
自分のせいで周りを不幸にしたことを嘆き、死を選ぼうとする硝子。花火大会の夜、自宅のベランダから飛び降りようとする硝子を必死の思いで助けた際にベランダから数メートル下の川に落ちてしまい重症を負う将也。数日後、満身創痍の体で目を覚ました将也は硝子の姿を追って走り出します。
いつも待ち合わせていた橋の前で出会う二人。初めて、本当に心からの気持ちを交わし涙を流すシーンは貰い泣き必死!
将也の言葉「生きるのを、手伝って欲しい」に込められた想いが硝子にはしっかりと聴こえたのです。
これから成人式を迎える全ての人へ
令和2年の成人の日は1月13日です。子供だった自分達が、少し大人になったタイミングで集う場所です。久しぶりの再会に心弾ませる人もいれば、将也や硝子のように苦い思い出を胸にドアを開く人もきっといることでしょう。
それでも、その先にあるのは、きっと希望に溢れた未来です。
あの頃の自分より、ちょっとだけ強くなった自分がその場所に居ることを信じて。
本作品は、あなたの大切な人のことを思い浮かべながら読んで欲しい一冊です。あなたの友達や家族に、生きることを手伝ってもらいながら、2020年から先の未来を一緒に歩いていって欲しいと願っています。是非、年末年始、年越しのお供に全7巻、一気読みしてしまいませんか?読後にきっと感じるハズです。皆最高だ!と。
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